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WTI原油 87.74の攻防 備蓄放出で下がるが供給不安は残る

週足は長期下降トレンドを突破したように見える一方、4H足は87.74のサポートを試す展開。G7の備蓄放出を踏まえ、レンジ継続と78ドル台への下落シナリオを整理する。

WTI原油 87.74の攻防 備蓄放出で下がるが供給不安は残る

対象銘柄:TVC:USOIL
重要価格:87.74ドル(攻防ライン) / 78ドル台(下落時の注目帯)

情報基準日:2026年10月8日。価格水準は掲載したUSOIL(WTI原油CFD)のチャートに基づく。
分析対象は掲載した固定チャートです。日足ライブチャートは現在の値動きを確認するためのもので、分析時点とは異なります。

原油は直近下落しているが、週足では長く続いた下降トレンドラインを上に抜けて、サポレジの確認まで完了しているように見える。
長期では上昇を継続する可能性を見ているが、日足では上昇チャネルの下限を割ってきているので、ここからもう一段下落する可能性もある。
いま最重要として見ているのは87.74。ここをサポートできるか、下に抜けてレジスタンスに変わるかを注視していきたい。

【週足・日足 長期の上昇と短期の下落を分けて見る】
週足で下降トレンドラインを抜けてきたことは、長期の見方を変える材料になると思う。ただし、それだけでこのまま一直線に上がるとは考えていない。
日足では上昇チャネルの下限を割り込みつつあり、下降トレンドに入るかを見極める場面。週足の上昇シナリオを残しながら、下位足の調整がどこまで進むかを見ていく。
関連資料:WTI週足チャートを原寸で開く https://traders-channel.com/media/articles/2026/10/wti-weekly.png
関連資料:WTI日足チャートを原寸で開く https://traders-channel.com/media/articles/2026/10/wti-daily.png

【4H足はディセンディングトライアングル形成中か】
4H足では高値を切り下げながら、87.74付近のサポートを繰り返し試している。ディセンディングトライアングルを形成しているように見え、短期では下方向を警戒したい形になっている。
87.74を明確に下に抜けて、戻したところでレジスタンスされるなら、チャート上の白色ゾーン、78ドル台までの下落を想定する。
ただし、一度下に抜けただけではだましの可能性がある。すぐに87.74の上に戻るなら、サポート付近でのもみ合いが続く展開も考えておく。
78ドル台はチャート上の支持帯として見ている水準で、トライアングルの値幅から機械的に算出した目標ではない。黄色の線は想定シナリオであり、将来の値動きを示すものではない。
関連資料:WTI 4時間足・ライン入り分析図を原寸で開く https://traders-channel.com/media/articles/2026/10/wti-4h.png

【備蓄放出は売り材料だが、その背景も気になる】
G7は10月2日、原油と石油製品を合わせて1億バレルを4か月間で放出し、軽油は最初の20日間に前倒しで供給する方針を発表した。以前に約束した備蓄放出の残りを実施する措置になる。
関連資料:G7エネルギー安全保障声明(10月2日・トロント大学掲載) https://g7.utoronto.ca/summit/2026evian/261002-energy-security.html
備蓄を出すことで不足分の一部が補われるなら、短期的には価格を抑える材料になると思う。
ただ、私が気になるのは、備蓄を出さなければならないほど、供給面に余裕がないのではないかということ。
放出の決定だけで供給不足の程度までは判断できないが、備蓄を取り崩すことと、継続的に原油を供給できるようになることは別の話だ。
「備蓄を出して下がるのはわかる。でも、備蓄を出さないといけない状況は気になる。」
実際、EIAの10月6日公表見通しも、中東からの石油輸送の制約が年末まで残ることを想定している。ただし、この見通しは10月1日までの情報を前提とし、10月2日のG7発表による追加的な市場供給を反映していない。
関連資料:EIA・2026年10月短期エネルギー見通し(保存版) https://www.eia.gov/outlooks/steo/archives/oct26.pdf
需要面では、IEAは9月11日のレポートで2026年の世界石油需要を前年比で日量250万バレル減少と予測している。高い燃料価格が消費を圧迫しているので、供給不安があるからといって一方的に上昇するとも限らない。
関連資料:IEA・2026年9月石油市場レポート https://www.iea.org/reports/oil-market-report-september-2026
短期では備蓄放出と需要の弱さ、長期では供給制約。この組み合わせなら、しばらくレンジを形成するか、一度78ドル台まで下落してから次の方向を探る展開もあると思う。

【シナリオ】
87.74をサポートしている間は、この付近でのレンジを想定する。そこから切り下げている高値を上に抜け、日足の上昇チャネル内に戻ってくるなら、上昇再開の可能性を見ていく。
逆に87.74を下に抜け、戻りでもレジスタンスされるなら78ドル台を次の注目ゾーンにする。ただし、78ドル台に来たから必ず反発するということではなく、その時のサポートを確認する必要がある。
長期では上昇の可能性を残しているが、短期のチャートは弱くなっている。今はどちらかに決めつけず、87.74のサポレジを最重要として見ていきたい。

チャート:Traders_Channel_/TradingView。アイキャッチは記事テーマに合わせたイメージイラストで、実在の施設や現地取材を示すものではありません。
本記事は執筆時点の相場観・条件付きシナリオであり、利益や将来価格を保証するものではありません。

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