まず知るべきこと

TRADING IS A STATISTICAL GAME

トレードは統計のゲーム

トレードは、価格が上がるか下がるかを毎回当てるものではありません。1回の取引は勝つか負けるか分かりませんが、同じやり方を何度も続けると、勝つ割合と、お金が増えやすいか減りやすいかが見えてきます。これが「トレードは統計のゲーム」という意味です。

まだトレードをしたことがない方にも分かるように、まずはルーレットで考えてみます。

赤と黒と一つの緑で構成されたルーレットの確率教材画像
黒へ何度も賭け続けると、お金がどのように増減するのかを見てみます。

① 黒に賭け続けると、どうなるのか

欧州式ルーレットには、黒18、赤18、緑の0が1つあります。黒が出る確率は18/37、約48.65%です。10ドルを黒に賭け、勝てば元金10ドルと利益10ドルの合計20ドルが戻り、外れれば10ドルを失う通常配当で計算します。

項目計算結果
黒の勝率18 ÷ 37約48.65%
黒以外の確率19 ÷ 37約51.35%
1回あたりの平均損益(18/37 × +10ドル) − (19/37 × 10ドル)約−0.27ドル
1000回続けた平均結果−0.27027ドル × 1000回約−270.27ドル

黒と赤がほぼ半分ずつでも、緑の0があるため、通常配当では回数を重ねるほど平均損益はマイナス側へ近づきます。1000回の実結果が必ず−270.27ドルになるわけではありませんが、構造そのものが不利です。

② 勝率は同じでも、リスクリワード1:2ならどうなるか

次は仮想のルーレットです。黒の勝率は同じ18/37ですが、10ドルを賭けて外れれば10ドルを失い、当たれば賭けた10ドルに利益20ドルを加えた合計30ドルが戻るものとします。純利益は+20ドル、損失は−10ドルなので、リスクリワードは1:2です。

項目計算結果
勝ったとき元金10ドル + 利益20ドル合計30ドルが戻る
負けたとき賭け金10ドルを失う−10ドル
1回あたりの平均損益(18/37 × +20ドル) − (19/37 × 10ドル)約+4.59ドル
1000回続けた平均結果+4.59459ドル × 1000回約+4,594.59ドル

では、トレードの「手法」とは何か

ルーレットは勝率が固定されていますが、相場の勝率は一定ではありません。上昇相場、下降相場、レンジ、重要指標の前後など、相場環境によって値動きの性質は変化します。そこで、上記のルーレット②のように、負けたときの損失より勝ったときの利益が大きくなり、繰り返すほど損益がプラス側へ積み上がりやすい場面を探します。その場面を見つけ、同じ条件で取引するためのルールが「手法」であり、身につけるべき重要なトレードスキルの一つです。ただし、手法だけで勝てるわけではありません。資金管理や感情のコントロールなど、学ぶべきことは数多くあります。それらを一つずつ理解し、自分の判断と行動に落とし込むことが大切です。

最後に、この先へ進む前に

トレードとは、勝率とリスクリワードのバランスが取れた場面を見極め、資金を守りながら、同じ条件の取引を十分な回数繰り返すゲームです。

私も始めた頃は、自分が天才トレーダーになり、「カイジ」や「アカギ」の登場人物のように、誰も想像しない勝負を仕掛け、市場参加者を出し抜く姿を思い描いていました。しかし、実際のトレードはその想像とは正反対です。必要なのは、ひらめきに任せた大勝負ではなく、決めたルールを守り、小さな優位性を地道に積み重ねることです。

SNSやYouTubeでは、「数か月で数千万円」「1年で1億円」といった実績を目にします。実際に達成した人もいます。しかし、多くの人が挑戦する中では、短期間に大きな利益を得る人も統計的に現れます。その一時点の結果だけで、数年後も利益を残し、20億円、30億円と資産を築き続けられるかは判断できません。

その華やかな結果だけを夢見て相場へ入ると、過大なリスクを取り、短期間で資金を失って退場する危険があります。この先へ進むなら、まず心に「絶対に大きな損失を出さない」と誓ってください。利益を追うより先に、資金を守る。その覚悟を持って、「トレーダーへの道」へ進んでください。

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