年末年始の株価傾向は?株式市場のお正月「ご祝儀相場」でお年玉銘柄のチャンス!

年末年始の株価傾向は?株式市場のお正月「ご祝儀相場」でお年玉銘柄のチャンス!

年末年始は株価が上がりやすい。そんな話を聞いたことはありませんか?
「なぜか、株価が同じタイミングで決まった動きをすること」をアノマリーと呼び、年末年始に株価が上がりやすいというこの話も「掉尾の一振(とうびのいっしん)」というアノマリーとして毎年注目されます。

しかし、年末年始の株価の動きはアノマリーの中でも説明が付きやすく、根拠を紐解いてみるとどのような銘柄が年末年始に上昇しやすいのかが見えてきます。

このページでは、『なぜ年末年始は株価が上がりやすいのか?』といった仮説にはじまり、『どのくらいの確率で株価は上昇するのか?』アノマリーを利用したオススメ銘柄の特徴もご紹介します。

年末年始は株価が上がる!?その理由とは?

『年末年始は株価が上がりやすい』なんて話をよく耳にしますが、これは本当のことなのでしょうか?

株式市場では、くわしい理由は分からないけどなぜか決まった動きをするという事例が多く、これを「アノマリー」と呼びます。まず、年末年始に株価が上がりやすいと言われる大きな理由として、年末年始のアノマリー「掉尾の一振」が起こる根拠をご紹介します。

株式市場の年末年始「大納会」と「大発会」

株式投資の世界では、1年間で最後の取引日を「大納会」、最初の取引日を「大発会」と呼び、本来の年末年始と同じく、1年を通して一番盛り上がるイベントです。

特に、2002年以降の大納会は、その年のキーパーソンが東京証券取引所に招待され、立ち会い終了の鐘を鳴らすイベントが恒例となっているほか、その場で打った生そばが来場者に振る舞われます。また、大納会・大発会に向けて株価も上昇することが多く、相場でもある意味イベントと言える盛り上がりを見せます。

次の大納会・大発会の日程は、

  • 大納会 2020年12月30日(水)
  • 大発会 2021年1月4日(月)

となっており、取引時間は共に通常通り予定されています。

大納会・大発会に向けて全体相場が上昇を見せた場合、株式投資界隈で有名な「掉尾の一振」の根拠を知っていれば、今年最後の相場を有利に乗りこなすことができるでしょう。次は、この「アノマリー」についてご説明します。

株式投資における「アノマリー」とは?

アノマリーとは、ありえない・説明できない事象のことを意味します。
つまり、株式投資におけるアノマリーは「なぜか、株価が同じタイミングで決まった動きをすること」を指します。

例えば、サザエさんの視聴率が高いと株価が下がる「サザエさん効果」というアノマリーがあります。根拠としては、

サザエさんの視聴率が高い

多くの人が家にいる

外でお金を使わずに過ごしている

景気が冷えている(相場が軟調)

というものが有名で、いわば株式投資界隈の都市伝説のようなものになっています。

年末年始に株価が上昇しやすいという「掉尾の一振」にも有名な根拠があり、多くの人がその根拠を元に投資することから、案外アノマリー通りの動きをすることが多く見られます。
多くの人が参考にしているからその通りに動きやすいという点では、経験則を元にしたテクニカル分析手法と類似するので、たかが都市伝説と侮ってはいけません。

年末年始に株価が上昇「掉尾の一振」と「ご祝儀相場」

掉尾の一振(とうびのいっしん)」とは、掉尾=終わり際に勢いに乗ること、一振=振り切る・取り払うことから、最後の取引日「大納会」に向けて株価が上昇やすい現象のこと表しています。

それでは、年末年始に株価が上がりやすい「掉尾の一振」の根拠を株価の流れに沿ってご説明します。

STEP1.12月中旬に株価が下落

年末に向けて株価が上昇する準備段階として、まずクリスマス前に株価が下落します。このタイミングで株が売られる理由は主に2つ挙げられます。

1つ目は、海外投資家がクリスマス休暇に入るため、休暇中の悪材料・株価下落を懸念して株を売ることです。海外投資家は、現在日本株の売買比率を6割以上も占めており、日本株を牽引している存在です。つまり、非常に多くの株が売られるとともに、日本人が日本株式市場の主役になる期間でもあります。

2つ目は、個人・機関投資家がポジション整理をすることです。
正月三が日は、平日であっても取引所が休みになります。そのため、三が日の間に保有株の悪材料が出る可能性を懸念し、多くの投資家がリスクを削減するためにポジション整理を行います。また、利益と損失を相殺する「損益通算」という節税方法を活用するために、含み損が出ている塩漬け株などを売却し、利益に対する税金を減らす目的でポジション整理を行う個人投資家も多いでしょう。

STEP2.年末にかけて株価が上がる

海外投資家がクリスマス休暇に入ることで、株式市場は取引量の少ない閑散相場となります。そんな中、機関投資家が運用する株の評価額を上げるために買う「お化粧買い(ドレッシング買い)」や個人投資家の「押し目買い」など、買い需要だけが残って株価が押し上げられます。

STEP3.年始にも株価上昇「ご祝儀相場」

さらに、1年で最初の取引日「大発会」には、願掛けや景気づけの意味を込めた買いも多く、これを「ご祝儀相場」と呼びます。また、投資家がリスク回避のために売却した銘柄を再度買い戻す動きもあり、年始には株価がもうひと押しされる可能性も考えられます。

以上の3ステップにより、「掉尾の一振」が起こると考えられています。と言っても、これらは絶対ではなくあくまで仮説です。1つの可能性・投資の糸口として考えるのが良いでしょう。
そして、このアノマリーに沿って投資した場合、どれくらいの勝率が期待できるのでしょうか?次は、過去の株価傾向から年末年始の勝率を見てみましょう。

年末年始の株価傾向から勝率を見てみよう

年末年始に株価が上昇する大きな理由に「アノマリー」とされながらも、実はしっかりとした根拠が隠れているのにご理解頂けたと思います。しかし、実際どれくらいの確率で少々しているのでしょうか?

後付けの理由が多く存在するアノマリーですが、年末年始の株価の動きに関してはかなりシッカリとした根拠が整っていると考えられます。もちろん、あくまで過去の傾向と仮説なので100%とは言い切れませんが、過去15年間、日経平均株価の年末年始の動向を見てみると、非常に高い勝率が期待できることが分かります。

年末年始の株価傾向(過去15年間)
大納会(終値) 大発会(翌年終値) 騰落率
2003 10,676円 10,825円 1.38%
2004 11,488円 11,517円 0.25%
2005 16,111円 16,361円 1.53%
2006 17,225円 17,353円 0.74%
2007 15,307円 14,691円 -4.19%
2008 8,859円 9,043円 2.03%
2009 10,546円 10,654円 1.01%
2010 10,228円 10,398円 1.63%
2011 8,455円 8,560円 1.23%
2012 10,395円 10,688円 2.74%
2013 16,291円 15,908円 -2.41%
2014 17,450円 17,408円 -0.24%
2015 19,033円 18,450円 -3.16%
2016 19,114円 19,594円 2.45%
2017 22,764円 23,506円 3.16%

過去15年間の日経平均を基にすると、大納会から大発会の動きでは、73%の確率でプラスとなっていることが分かりました。

ついでに、海外投資家がクリスマス休暇に入る12月24日(休業日の場合は前営業日)から大発会までの騰落率も調べてみましょう。

クリスマスから年始の株価傾向(過去15年間)
12月24日または前営業日
(終値)
大発会(翌年終値) 騰落率
2003 10,371円 10,825円 4.19%
2004 11,365円 11,517円 1.32%
2005 15,941円 16,361円 2.57%
2006 17,104円 17,353円 1.43%
2007 15,257円 14,691円 -3.85%
2008 8,517円 9,043円 5.82%
2009 10,536円 10,654円 1.11%
2010 10,279円 10,398円 1.14%
2011 8,395円 8,560円 1.93%
2012 9,940円 10,688円 7.00%
2013 15,889円 15,908円 0.12%
2014 17,854円 17,408円 -2.56%
2015 18,789円 18,450円 -1.84%
2016 19,427円 19,594円
2017 22,902円 23,506円

海外投資家がクリスマス休暇に入る12月24日から大発会の動きでは、先程を上回る80%の確率でプラスになることが分かりました。

アノマリーとは言え、非常に高い勝率であることから今でも充分に有効な投資戦略と言えるでしょう。そして、この「掉尾の一振」を利用した投資には、一体どんな銘柄が適しているのでしょうか?次は、年末年始に株価が上がりやすい銘柄の特徴をご紹介します。

年末年始に株価が上がりやすい「お年玉銘柄」の特徴は?

都市伝説のようなイメージが持たれる「アノマリー」ですが、ここまで勝率が高いと投資家としては見逃せないチャンスともいえます。『この機会にアノマリーを利用した投資にチャレンジしてみよう!』と思った場合、どのような銘柄に注目すべきでしょうか?

掉尾の一振はアノマリーの中でも特に再現率が高く、これを利用した投資は今でも充分に有効と言えます。実際に投資をする場合には、やはりアノマリーの根拠に準じた銘柄がオススメといえます。これまでにご紹介した「年末年始アノマリー」の根拠と傾向をふまえて、年末年始に上昇しやすい銘柄の特徴をご紹介します。

大型・優良銘柄

クリスマス前に株価が下がる理由の一つに、海外投資家がクリスマス休暇に入るという理由がありました。これに加え、海外投資家は年末に査定を控えているため、含み益の大きな銘柄を決済している可能性が高いということが考えられます。

つまり、含み損がある銘柄・下落リスクの高い銘柄・含み益の大きな銘柄を年末に売却します。多くの銘柄を売却した状態で年始を迎えた海外投資家は、もちろん年始に多くの銘柄を買い戻すでしょう。

このことから、海外投資家の好む大型・優良銘柄が、年始に買われやすく株価が上昇しやすいと考えられます。

新興市場銘柄

投資資金が少額な個人投資家のメインとなる市場が新興市場です。
そして、海外投資家がいないことで大型株があまり動かない年末は、新興市場がさらに活発になります。年末のポジション調整により多くの銘柄が売られているため上値が軽く、活気づいた新興市場銘柄は株価が上昇しやすいと言えるでしょう。

また、大発会で急騰した銘柄は、その年のテーマ株になりやすいとも言われています。
水面下で注目されているテーマである場合や、年始に注目を浴びることで記憶に残り、新たなテーマの材料と結びつきやすいという理由が考えられます。

2016年にはブロックチェーンやビットコイン関連銘柄、2017年にはIoTやEV関連銘柄が大発会に急騰し、その年のテーマ株を飾りました。年始で注目された銘柄は、1年を通して頭の隅に置いておきたいところです。

優待銘柄・高利回り銘柄

年間120万円までの投資金額に限って利益が非課税になるNISA口座をご存知でしょうか?このNISAの非課税枠は年始に更新されるため、NISAを利用している投資家が銘柄を購入する事が増えます。

NISAを使っていて年始にスタートダッシュを決める投資家は、普段あまり投資に時間を割けないサラリーマンが多いのではないか?との理由から、長期投資向けの優待銘柄高利回り銘柄が多く取引される可能性が考えられます。

鉄鋼・鉱業銘柄

業種別騰落率画像

出典:SBI証券

過去15年間における12月・1月の業種別騰落率を見てみると、どの業種も11月を上回るパフォーマンスを出していることが分かります。逆に、年末年始に大きく上昇した株価が徐々に下がることから、1月末はほとんどの業種が下落しています。

過去の傾向を見ると、鉄鋼・鉱業銘柄の上昇率が高く、年末にかけて上がる株を探す場合は、この2業種が安定して勝率が高いと言えるでしょう。

また、為替の観点から見ると、12月は米国企業の決算が集中しており、ドル需要が高まってドル高(=円安)になりやすい傾向にあります。つまり、円安の恩恵を受けやすい機械・電気機器・精密機器や自動車関連の銘柄も狙い目と言えます。

まとめ

年末年始に株価が上昇しやすいというアノマリー「掉尾の一振
都市伝説のようなイメージが持たれるアノマリーですが、株価上昇の背景には、海外投資家のクリスマス休暇やポジション整理、機関投資家のお化粧買い、個人投資家の節税など、様々な要因が重なっていることがが分かりました。

また、過去15年間における年末年始の株価推移を見ても、その勝率は70%以上と非常に再現性が高いことが分かりました。今でも有効な投資戦略の一つとして、年末年始はアノマリーを利用した「お年玉銘柄」で利益を上げたいところです。