「世界同時株安 2018年版」原因・影響は?揺れた日本株式市場の今後とその対策

2018/11/17
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2018年10月10日、アメリカ株式市場の大暴落をきっかけに、中国・上海市場、アジア各地、そしてヨーロッパへと、世界中のマーケットを捲き込んだ大幅な株価下落「世界同時株安」が発生。

各国市場が軒並み大幅下落をみせる連鎖的な株安の流れは、当然、日本の株式市場にも大きな影響を与え、翌11日の日経平均株価は、915円安▲3.9%の大幅安という結果となりました。

世界同時株安の発生から1ヵ月が経過した現在。
改めて世界同時株安の原因とその影響、そして底打ち反発したかに見える日本株の現状と今後について、関口講師の解説を交えてご紹介します。

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NY株式市場"史上3番目の暴落"を引き金とする、世界同時株安、その原因と影響

コラム担当:立川
関口講師、今回のテーマは「世界同時株安」についてです。
ニューヨーク株式市場、史上3番目の暴落といわれる大きな出来事でしたが、 具体的にどんな事が原因となって起こったのでしょうか?
講師:大魔神・関口
NYダウ平均、そして日経平均株価ともに
過熱した中での出来事だったので、その反動も大きいものでしたね。
今回の世界同時株安、いくつかの原因が考えられますが、 「米長期金利の上昇」「米中貿易戦争」「量的緩和政策の弊害」大きくこの3つが引き金になったと考えられます。
この原因と影響を見ていく前に、過去にどのような世界同時株安が起こったのか。まずはおさらいしておきましょう。

過去の歴史からひも解く「世界同時株安とは?」

過去の歴史からひも解く「世界同時株安とは?」

世界同時株安とは、金融危機・信用不安・企業業績の悪化などをきっかけに、世界中の株式市場が一斉に急落する現象。10年前、米国の投資銀行「リーマンブラザーズ証券」の倒産によって起きた"リーマンショック"は、世界の金融市場でも有数の大事件といえます。

ほかにも、2015年8月、中国の投資家が株を買い進める過熱相場のなか、中国の中央銀行が人民元の大幅切り下げに踏み切り、世界の金融市場に大混乱を与えた「チャイナショック」。
翌年1月には、上海総合指数の大幅な下落によって、導入後初のサーキットブレイカー(緊急取引停止措置)が発動。中国市場に対する失望がさらに売りを加速させ、世界同時株安へと発展させた「中国株大暴落」など。

最近だと今年の2月に起きた「VIXショック」。
2月2日に発表された米雇用統計を受け、長期金利の上昇と共に株価は大幅下落。株価の急落をきっかけにVIX指数(恐怖指数)が急騰したことで、NYダウ平均は過去最大の下げ幅を記録しました。

この背景には、VIX指数に連動する金融商品(ETFやETN)の自動取引による売り注文がループし、株価の下落に拍車をかけたとも言われています。
(VIX上昇 → 株売り → 株安 → VIX上昇 → 株売り・・・といった事態となった。)

2月の世界同時株安「VIXショック」を少しだけ詳しく

そもそもVIX指数とは、「ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)」の略称で、アメリカの主要株価指数「S&P500」を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出された指数のこと。

VIX指数(恐怖指数)のチャート画像

一般的に、このVIX指数が高くなるほど相場の先行きが不透明になると見られることから、投資家の恐怖心理を表したバロメーターとしても活用されています。

さて、2月に起きたVIXショック、
世界同時株安を引き起こしたきっかけや原因、その背景を分かりやすくまとめると、このような流れです。

予想を上回る米雇用統計 1月の米雇用統計が発表。非農業部門雇用数の予想を超える上昇、平均労働賃金が上昇。
長期金利の上昇 米10年国債利回りが一時、3.0%を迫る水準まで上昇。米株の売りと債券市場への資金シフトが加速。
VIX指数が急上昇 急激な株価急落によってVIX指数が急上昇。
自動取引が売り注文を加速 VIX指数に連動した金融商品の自動売買による売り注文が続出。さらにVIX指数を上昇させる。
世界同時株安の発生 NY株式市場の大幅下落を発端として、世界的な同時株安が発生。
VIXショック時のNYダウのチャート画像

2月5日のNYダウは、1,175ドル安と過去最大の下げ幅を記録し、翌2月6日の日経平均株価は1,071円安と急落、3日間の下げ幅は1,800円を超えました。

そして10月、今年2度目となる世界同時株安が発生。
2月のVIXショックを踏まえて、10月の世界同時株安は何が原因だったのか?その背景と影響を振り返っていきます。

今年2度目となる10月の世界同時株安、一体なにが原因?背景と影響

10月に起こった今年2度目の世界同時株安、きっかけは2月と同じ米国株の大幅下落です。
米国株の大幅下落の背景には、さまざまな原因が考えられていますが、主な下落要因は「米長期金利の上昇」「米中貿易戦争」、そして「量的緩和政策の弊害」の大きく3つが上げられます。

1. 米国債の利回り急騰、長期金利の上昇

一つはVIXショック時と同じく、米長期金利の上昇です。
良好な米景気指標の発表やFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)のタカ派的な発言によって、利上げペースが加速するとの観測が強まり「米10年国債利回り」が一時3.2%台まで急上昇。

金利の上昇は、企業の資金調達コストの増加や業績に悪影響になると見られるため、投資家は株を売却して預金や債券市場へとシフトさせます。米長期金利の上昇が、10月の世界同時株安の直接的なきっかけになったと言えるでしょう。

2. 米中貿易摩擦の長期・深刻化

二つは、米中貿易摩擦の深刻化・長期化は避けられないとの見方によって、中国の景気減速が意識されていること。
中国国家統計局が発表した10月の生産者物価指数(PPI)の上昇率は、4ヵ月連続で鈍化。トランプ政権の対中高関税政策による、中国経済の圧迫が浮彫になったと言えます。

また、世界最大の経済大国と世界2位の経済大国の衝突は「米国優勢・中国不利」という見方が強い。そのため、米国の消費者物価の上昇圧力の強まりから、米長期金利の上昇 ⇒ 米国株急落といった、世界同時株安のきっかけを十分孕んでいた言えるのです。

3. 量的緩和政策(過剰流動性)の弊害

三つは、長期にわたる量的緩和政策の弊害です。
2008年のリーマンショック以降、世界中の中央銀行は景気後退の打開策として「金利引き下げ」と「量的緩和政策」を続けてきました。10月の世界同時株安は、この過剰流動性の逆流が見え始めたともいえます。

FRB(米連邦準備理事会)は、昨年10月から量的緩和で買い入れた債券の保有額を減少させ、市場から資金を引きあげる「バランスシート縮小」を始めています。過剰流動性によって引き上げられた株価は、当然、引締めがあれば資金の流れを悪くし逆流の可能性を強めます。

今回の世界同時株安の直接的な原因とは言えませんが、バランスシート縮小による金利上昇、金融緩和の弊害が表面化し始めたとも考えられます。

世界同時株安の飛び火を受けて、日本株の今後はどうなる?底打ち反発はいつなのか?

10月の世界同時株安から1ヵ月が経過した現在、
注目された「米中間選挙」を市場想定通りに通過し、落ち着きを取戻しつつある日本の株式市場。年末へ向けて日本株の今後はどうなるのか?世界的な同時株安のリスクは軽減されたのか?

コラム担当:立川
市場参加者の多くが、日本株の今後について気にしているはずです。
10月末までの大幅下落を経て、やや落ち着きを取り戻しつつあるように見えます。
どのようにお考えですか?
講師:大魔神・関口
確かに落ち着きを取り戻したように見えますが、
世界同時株安の原因となった、長期金利の上昇傾向や米中貿易摩擦など、 大きな変化が見られないうちは、予断を許さない状況と言えるでしょう。
とくに、「VIX指数(日経VI)」「米国の債券市場」など重要指数の動向には注目しておきましょう。

【追記】
世界のマーケットはまたもや米国株安「アップルショック」に大きく揺れた。
12日のNY株式市場は新型iPhoneの販売不振が懸念されアップル株が急落、ダウ平均株価は602ドル安と大幅に続落した。13日の東京市場においても、米国株の急落を受けてリスク回避の売りが先行し、一時700円を超える展開も見られた。


全体相場のトレンド・局面は今、どこにあるのか?

下の画像は、3年間の日経平均株価(週足)チャートです。
2016年の9月から続く上昇トレンドは、2度の世界同時株安の影響を受けてやや停滞気味。一時的な反発も見られましたが、やはり米国株の下落に引っ張られている印象です。
(RSIの水準からすると、2月までが過熱しすぎた相場だったとも見えます。)

二度の世界同時株安を受けた後の日経平均株価のチャート画像

引き続き、海外情勢を見守りつつ、慎重な取組みをしていくべきでしょう。
注目は、11月末に予定される米中首脳会談。長引く貿易摩擦が"緩和"へと進めば、年末へ向けて株価を持ち直す可能性も十分考えられるでしょう。

さて、ここまではあくまで全体相場の話です。 全体相場が落ち込みを見せるときに決まって、ニュース報道や経済情報サイトでは、ネガティブなコメントが目立ち、市場には悲壮感が漂うものです。
ただし、個別銘柄に目を向けてみるとその印象は大きく変わります。

下落局面でもやっぱりあった!これから上がる銘柄たち

世界同時株安の影響を受け、全体相場(仮に日経平均株価)が大きく下落したとき、少し見方を変えてみると、逆行高を演じている銘柄に気づくことができます。

講義の中では度々お伝えしていますが、
全体相場が下落局面にあるとき、市場にネガティブな情報が溢れるときなど、、、

実は、これから上がる銘柄を見つけやすい時だったりします。

ソースネクスト(4344)

ソースネクスト(4344)のチャート画像

明石家サンマさんを起用したテレビCMが話題のソースネクスト(4344)。新型の次世代通訳期「ポケトークW」が、「第13回札幌国際短編映画祭」のコミュニケーションツールに採用されたと発表。

全体相場が急落するなか逆行高を演じ、連日の上場来高値を更新。そして、このポケトーク事業と連携する企業、ネオス(3627)も連動して株価を一段高へと急騰させます。

ネオス(3627)

ネオス(3627)のチャート画像

この他にも、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催へ向けて、政府が推進する「キャッシュレス化」。
もはや国策テーマともいえる「キャッシュレス決済関連株」に分類される、インテリジェントウェイブ(4847)、サインポスト(3996)も同時期に大きく株価を急伸させました。 ちなみに、先ほどご紹介したネオス(3627)もキャッシュレス決済関連株に分類される銘柄です。

このように、全体相場が落ち込みを見せる中で、逆行高を演じる銘柄は非常に見つけやすく、多くの場合、何かしらの要因を含んでいるケースが多い。その一つが「株式テーマ」です。

全体相場のトレンド局面に応じた上がる銘柄の見つけ方や、一つの要因から関連性を見つけるポイントなどについて、動画セミナーや別のコラムで改めてご紹介します。

まとめ

過去の歴史を踏まえ、今年2度目となる10月の世界同時株安の原因や影響、そして今後どうなるのか?ご紹介してきました。

米長期金利の上昇、米中貿易摩擦の影響など、今回の世界同時株安を発生させたいくつか考えられる原因がありますが、現状、いずれも問題の解決にはいたっていません。今後を左右する一つのポイントは11月の米中首脳会談での"米中貿易摩擦の行方"といえるでしょう。

そしてもう一つ、「今は株式市場に手を出すべきではない。
市場に悲壮感が漂う下落局面にある時ほど、これから上がる株は見つけやすいものです。なぜなら、逆行高を演じる個別の銘柄は特に目立つからです。
過熱相場にある局面ほど慎重な姿勢で、ネガティブな雰囲気が漂う局面だからこそ、一つのチャンスを見つける冷静で姿勢と確率の高い判断を。

講師のご紹介

関口 忠之(大魔神)

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コメント
20代の頃、株価分析ソフトの開発に携わったことがきっかけで株式投資の世界へ。自らもプロの投資家として資産運用を続ける傍らで、一般投資家向けの講演会や投資スクールの講師を勤める。現在は、投資セミナーや勉強会などを通じて「個人投資家の育成」をライフワークとして幅広く活躍中。

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