PER(株価収益率)とは?マイナスPERの危険性と適正な目安・平均値

PERとは

PER(株価収益率)とは、会社の利益を元に現在の株価が”割安”かを判断するための指標です。

株価 ÷ EPS(一株あたり利益)」で求められ、一般的に数値が低いほど良いとされていますが、”PERの低い銘柄は割安だ”と過信してしまうと大きな落とし穴にハマってしまうこともあります。
このページでご紹介している、実際にPERを活用する際の注意点や目安、活用方法を把握して上手く投資判断に取り入れましょう。

また、PERとはどんな指標なのか?といった基本的な部分から、業種ごとの平均、低すぎないPERランキングの見方もご紹介しているので、ぜひご活用ください。

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PER(株価収益率)とは?適正株価を判断する指標

PER(株価収益率)とは、会社の利益から現在の株価が割安であるかを判断するための指標です。お得な状態で放置されている「割安株(バリュー株)」をいち早く見つけるために活用されるため、投資家にとって必須の指標と言っても過言ではありません。

PER(株価収益率)の計算式

PER = 株価 ÷ EPS(一株あたり利益)

PERを投資判断に活用することで、本来の価値よりも高い値段で買ってしまうミスをなくし、逆にお買い得に手に入れることができます。自身の投資にうまく取り入れるためにも、PERの仕組みから深く理解しましょう。

まずはEPS(一株当たり利益)を理解しよう

PERを求めるために必要となる「EPS(一株あたり利益)」とは、会社の純利益を発行済株式数で割ったもので、保有している株式に対して1株あたりいくらの利益が期待できるかを表す指標です。

EPS(一株あたり利益)の計算式

EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数

例えば・・・
純利益30億円の会社が1,000万株発行している場合、
30億円 ÷ 1,000万株 = 300円
つまり、この株は、1株につき300円の利益が期待できるということになります。

そして、EPSが300円の株が4,500円で売られている場合、
この銘柄はEPSの15倍の値段で売られている」ということになり、
この「15倍」という数値が今回の本題である「PER(株価収益率)」です。

PER(株価収益率)の計算方法とは?

PER(株価収益率)を求める計算式「株価 ÷ EPS」を見ても分かる通り、
PERは「現在の株価がEPSの何倍か」を表す指標です。

例えば・・・
A株:EPSが300円、株価が4,500円
B株:EPSが500円、株価が5,000円
どちらの株がよりお買い得か判断するためにPERを求めてみると、
A株:4,500円 ÷ 300円 = 15倍
B株:5,000円 ÷ 500円 = 10倍
つまり、A株はEPSの15倍の価格、B株はEPSの10倍の価格で売られているので、
B株の方がよりお買い得と言えます。

このように、EPSを元に現在の株価が割安どうかを判断することができるため、無駄に高い株価で購入してしまう事態を防ぎ、よりお得に銘柄を手に入れることができるようになります。
しかし、具体的にPERがどれくらいの数値であればお買い得なのでしょうか?次は、業種によって異なるPERの目安についてご紹介します。

PERの目安は?日本株の平均PERは15倍

投資判断にPERを取り入れることでお買い得に株を手に入れられるということをご紹介しましたが、具体的にどれくらいの数値であれば割安と判断できるのでしょうか?

一般的にPERの目安は15倍以下と言われることが多いですが、実はPERの平均値は業種によって大きく異なります。投資先の業種によってPERの目安を変えることで、さらに精度の高い銘柄選定を実現させましょう。

業種によって平均PERは大きく異なる

なぜ業種によってPERの平均値が違うのか?をご説明するためにも、
まずは、2019年1月の業種別PER一覧を見てみましょう。

種別 PER
1.水産・農林業 13.7倍
2.鉱業 33.3倍
3.建設業 9.9倍
4.食料品 18.5倍
5.繊維製品 15.3倍
6.パルプ・紙 37.3倍
7.化学 14.6倍
8.医薬品 23.6倍
9.石油・石炭製品 5.5倍
10.ゴム製品 12.6倍
11.ガラス・土石製品 10.9倍
12.鉄鋼 9.9倍
13.非鉄金属 9.1倍
14.金属製品 11.1倍
15.機械 13.6倍
16.電気機器 19.7倍
17.輸送用機器 11.2倍
18.精密機器 15.4倍
19.その他製品 19.1倍
20.電気・ガス業 14.3倍
21.陸運業 16.8倍
22.海運業 24.7倍
23.空運業 10.1倍
24.倉庫・運輸関連業 13.7倍
25.情報・通信業 23.3倍
26.卸売業 11.9倍
27.小売業 22.4倍
28.銀行業 8.9倍
29.証券、商品先物取引業 8.8倍
30.保険業 13.3倍
31.その他金融業 10.1倍
32.不動産業 10.1倍
33.サービス業 20.9倍

PERの高い業種

種別 PER
6.パルプ・紙 37.30倍
2.鉱業 33.30倍
8.医薬品 23.60倍
25.情報・通信業 23.30倍
4.食料品 18.50倍
18.精密機器 15.40倍

食料品や医薬品、情報・通信といった、生活に必要不可欠な業種のPERが高いことが分かると思います。このような、今の生活に欠かせない事業を手掛ける銘柄を「ディフェンシブ銘柄」と呼び、景気が悪くなっても利益が落ち込みにくいため、リスクが低く多くの投資家が保有するためPERも高くなっています。

紙・パルプや精密機器もPERが高くなっていますが、これらはディフェンシブ銘柄とは対象的に、景気による影響が大きい「景気過敏銘柄」と呼びます。中でも精密機器は、将来的に安定した市場拡大が見込まれる医療機器メーカーが期待されていることから、業界平均を大きく押し上げています。

鉱業に関しては、わかりやすくご説明するため、次の「PERの低い業種」と共にご説明します。

PERの低い業種

種別 PER
12.鉄鋼 9.90倍
13.非鉄金属 9.10倍
9.石油・石炭製品 5.50倍

PERの低い業種としては、石油・石炭製品や鉄鋼、非鉄金属などの市況関連銘柄が目立ちます。市況関連銘柄の特徴として、業績がピークに近い局面(利益が通常よりも膨れ上がっている状況)では、その後のピークアウト(限界がきて利益が下がること)を見込んで株価が下がり始めるといった特徴があります。

PERの低い石油・石炭製品や鉄鋼、非鉄金属は、現在業績が回復傾向にあるため、そろそろピークが近いのではないか?との思惑で株価が下落し、PERも低くなっています。市況関連銘柄で唯一PERの高い鉱業は、現在業績が低い水準にあるため、同じ原理で株価・PERが高くなっています。

つまり、市況関連銘柄に関しては、PERが低いから割安、PERが高いから割高という考え自体が通用しないため、固定概念を持ったまま投資しないよう注意が必要です。

割安株の目安はPER15倍以下

ここまで、業種によってPERの平均値が異なるということをご説明してきました。
業種によって目安を変える柔軟な視点を持つことが最善の策ですが、それを踏まえて、あえてPERの目安を答えるならば15倍以下が目安と言えるでしょう。

日本株の平均PER、つまり、全業種の平均PERが15倍であることから、この15倍よりも低ければ割安と判断することもできますが、どうしても業種別で比較できない場合や、日本株を全体的に見る際の目安とするのが良いのではないでしょうか。

しかし、一口に15倍以下といっても、PERが低すぎたりマイナスである場合は危険な銘柄とも言えるので注意が必要です。

マイナスPERは割安か?低すぎる銘柄には要注意

PERは、指標的には低いほど割安性が増し、お買い得な状態と判断できます。
しかし、PERが高い銘柄は期待されていて多く買われており、低い銘柄はあまり買われていないということから、PERが低すぎる銘柄は逆に危険な銘柄とも言えます。

ここでは、PERが低すぎたりマイナスである銘柄の危険性についてご紹介します。PERが低い銘柄=お買い得といった固定概念を持たないよう注意しましょう。

PERがマイナスになる理由

最初に結論から言うと、PERがマイナスになる理由は、利益がマイナス(業績が赤字)であることです。

PERを求める計算式「株価 ÷ EPS」にマイナスが付くとPERもマイナスになりますが、株価が0円以下になることはありません。そして、EPSの計算式「純利益÷発行済株式数」を見てみると、発行済株式数も0株以下になることはないので、PERがマイナスになる原因は必然的に純利益が原因となります。

PERは数値が低いほど良い、という知識だけ持っていると、マイナスPERはものすごく割安なのではないか?と考えてしまうかもしれません。しかし、PERがマイナスになる理由が赤字ということを知れば、もちろん手を出すには危険な銘柄であることが分かると思います。

マイナスPERの銘柄が危険だということは、それに近い1倍2倍の銘柄も、もちろん注意すべき銘柄と言えます。次は、PERが低すぎる銘柄についてご説明します。

PERが低すぎる銘柄は要注意

PERが低すぎる銘柄、具体的な目安としては5倍以下で放置されている銘柄は、注意が必要です。

PERが低いということは、業績に比べてやすい株価で放置されているということであるため、一見お得な銘柄かも?と思いがちですが、購入後に実際に株価が上昇しなければ意味がありません。
極端にPERが低い銘柄は、現状では株価が上がる見込みがない(業績に何かしらの不安がある)ため、長い間ここまで低いPERで放置されているということなので、手を出すにはリスクが高い銘柄と言えます。

逆に、低PERで優良な銘柄の場合、投資家たちが気付くとすぐに買われてPERが平均的な水準へと上昇します。つまり、低PER銘柄への投資が成功させるには、相場が気づく前の段階で投資する他ないのです。

相場が気づく前に優良な低PER銘柄を見つけるためにも、次にご紹介する方法でPERが低すぎない範囲の銘柄を把握しておきたいところです。

【PERの見方】適正低PERランキング

PERの使い方、注意点がわかったところで、次は実際に銘柄のPERを確認してみましょう。ここでは、PERを確認する手順、そして低すぎないPERをランキング化した「適正低PERランキング」をご紹介します。

【PERの見方】予想PERと実績PERとは?

定番のPER確認方法といえば、「Yahoo!ファイナンス」での検索です。
まず、Yahoo!ファイナンスでPERを知りたい銘柄を検索します。今回は例として任天堂を検索してみましょう。

PERの見方1画像

出典:Yahoo!ファイナンス

その後、銘柄情報の画面で下にスクロールし、「参考指標」の欄を確認するだけでその銘柄のPERを知ることができます。
やはり、任天堂は人気が高くPERも21倍と高くなっており、これから先も業績の向上が見込めると判断する投資家が多いことを表しています。

PERの見方2画像

出典:Yahoo!ファイナンス

ちなみに、このPER(会社予想)というのは、各会社が決算と共に発表する来季の業績予想を元にしたPERということです。
予想PERと対になる指標として、実績PERがあり、これは会社が発表した業績を元に算出したPERです。

株式投資は将来性を加味して投資するものなので、古い情報ではなく未来の情報を元にしたほうがメリットが高いことから、ほとんどのサイトでは予想PERが記載されています。

また、会社辞典として多くの投資家に活用されている「会社四季報」では、全上場企業の情報が確認でき、PERをはじめとする多くの指標が確認できます。ファンダメンタル分析には欠かせない”株式投資のバイブル”と言えるでしょう。

”適正”低PERランキング

銘柄別にPERを確認する他に、PERから銘柄を探す方法もご紹介します。
ただPERの低い銘柄を探すのではなく、危険とされるPER5倍以下の銘柄を省いて探すことで無駄なリスクを削減しましょう。

まず、「株マップ.com」にアクセスし、「銘柄探し」から「簡易スクリーニング」をクリックします。

低PERランキングの見方1画像

出典:株マップ.com

その後、PERの「表示」にチェックを入れ、最小値と最大値を入力します。
また、数値を入力しなくても「自動範囲設定」にて、”平均以下・以上”や”少し低め・高め”が設定できます。

低PERランキングの見方2画像

出典:株マップ.com

PER以外の指標も入力することで、更に精度の高い銘柄選定を実現することができるので、是非ご活用ください。
特に、ROEや自己資本比率は、会社の安心度が分かる指標であるため、一緒に入力しておきたいところです。

まとめ

ここまで、PERとはどんな指標なのか?といった基本的な部分から、実際にPERを活用する際の注意点・目安、確認方法までご紹介してきました。

繰り返しになりますが、”PERの低い銘柄は割安”という固定概念を持って投資すると、思わぬ落とし穴にハマってしまうことがあります。
PERだけを過信するのではなく、他の指標と共に活用することで、安心して投資できる銘柄を探しましょう。

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