ファンダメンタル分析のやり方と株取引に役立つオススメツール4選

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析とは、会社の業績や財務状況を元に”企業の価値”を分析する手法です。
ファンダメンタル分析といえば、様々な指標や財務状況などを利用する難しい手法といったイメージがあるかもしれません。しかし、それぞれが何を知るための指標なのかを把握していくことで、次第に自分の知りたい”企業の中身”を透視することができるようになります。

ここでは、ファンダメンタル分析とは?テクニカル分析との違いは?といった基本的な部分はもちろんのこと、ファンダメンタル分析に利用する指標を「企業価値を測る指標」、「割安性を測る指標」に分けてご紹介します。

また、最後にはファンダメンタル分析を効率的に行うため、さらに詳しく分析するためのオススメツールもご紹介しているのでぜひご活用ください。

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ファンダメンタル分析とは

企業の業績や財務状況を元に”企業の価値”を分析する「ファンダメンタル分析」。

主に中長期投資に有効な分析手法で、投資の神様ウォーレン・バフェットや、イングランド銀行を破綻させたと言われるジョージ・ソロスなど、世界的に有名な投資家はいずれもこのファンダメンタル分析を活用して巨額の富を築いています。

ここでは、ファンダメンタル分析とはどういったものなのか?そして、比較されることの多いテクニカル分析との違いについて、株初心者の方でも分かりやすい内容でご紹介します。

ファンダメンタル分析とは?”企業の価値”を見極める手法!

ファンダメンタル分析とは、企業の業績・財務状況・事業方針などをもとに”企業の価値”を分析する手法です。

例えば、「この企業は資金の回転が効率的で売上も成長を続けている。本来なら1,000円まで伸びても良いはずなのに今は500円で売られている。つまり、今購入しておけば将来利益を得ることができるだろう。」
といった風に、”企業の価値”と株価を比較して将来的に伸びる銘柄を探すために利用されます。

ファンダメンタル分析の前提には、
「過大評価・過小評価されている企業でも、最終的には実力に見合った水準へ向かう」
といった考えがあります。
そのため、過大評価されている銘柄を売却、過小評価されている銘柄を購入し、自分の思っている水準へと株価が追いつくのを待つ中長期投資に適している手法です。

しかし、一部ではファンダメンタル分析は無意味といった意見もあります。
このページをご覧になっている方にも、”ファンダメンタル分析”と”テクニカル分析”どちらが優れているのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
この疑問を解決するためにも、次はそれぞれの違いやメリット・デメリットを踏まえて、「ファンダメンタルは本当に無意味なのか?」をご説明します。

ファンダメンタル分析は無意味?テクニカル分析との違い

企業の財務状況などをもとに本質的な価値を導き出すファンダメンタル分析に対して、テクニカル分析は、価格や出来高などのチャートを元に投資家の動きを予測する手法です。

テクニカル分析は、表面的な価格変動で利益を狙うことで、小さな動きでも利益を得ることができ、短期投資によく使われます。つまり、長期的な動きを前提に分析するファンダメンタル分析を短期投資に利用してもあまり効果がなく、ファンダメンタル分析は無意味なのでは?といった意見が生まれます。

何をもとに何を狙って分析するのかを明確に把握することで、ファンダメンタル分析もテクニカル分析も力を発揮すると言えるでしょう。それぞれの手法が得意とするフィールドで闘うことが大切です

また、分析手法を最大限に活用するためには、得られるメリットと気を付けるべきデメリットの把握が不可欠です。メリットを極力活かし、デメリットを把握することでミスを削減しましょう。

ファンダメンタル分析のメリットとデメリット

ここでは、ファンダメンタル分析を身に付けることで得られるメリット、そして気を付けなければならないデメリットをご紹介します。中でも不労所得に関するメリットは、ファンダメンタル分析で安定的な銘柄へ投資しているからこそ得られるメリットと言えます。

ファンダメンタル分析の”メリット”

他の投資家に惑わされない

ファンダメンタル分析は無意味?テクニカル分析との違いでご紹介したように、投資家の動きを予測するテクニカル分析とは違って、ファンダメンタル分析は企業に重点をおいて分析します。

そのため、投資家の思惑による小さな株価変動に惑わされることなく、株価が”本来の価値”へ向かうのを待てばいいだけです。全体的な相場の動きを見ると、テクニカル分析を使う短期投資家によって株価が細かく動き、長いスパンで見ると結果的に長期投資家が分析した価格へ向かう、といった形になります。

取引手数料が抑えられる

株式取引は、証券会社が仲介するため取引手数料が必要になります。ファンダメンタル分析を使った投資は、必然的に中長期投資になるので取引する回数が少なく、コストを抑えることができます

反対に、短期投資は頻繁に取引する必要があるため手数料が高く、1回の取引における利益も少ないことから「手数料割れ」に注意する必要があります。もちろん、手数料以上の利益を出せれば問題はありませんが、初心者にとって手数料は注意すべきコスト言えるでしょう。

不労所得も夢ではない

長期投資と短期投資の大きな違いとも言えるのが、このメリットです。

短期投資は売買を繰り返して資産を構築するため、不労所得の仕組みを作ることができません。しかし、長期投資であれば銘柄を保有しているだけで配当金による利益を得ることができるため、放置で利益を生み出すことが可能です。

利益を得る手段が売買に限られている短期投資に比べ、配当金という手段も持ち合わせている長期投資は、老後などの将来を考えると大きなメリットと言えるでしょう。

ファンダメンタル分析の”デメリット”

短期的な利益は得られない

ファンダメンタル分析は、企業の将来性へ投資するスタイルであるため、その効果を発揮するには長い時間がかかります

そのため、小さな値動きも利益にできる短期投資とは違って、短い期間で利益を得ることができません。放置で投資ができるというメリットがある一方で、短期的な儲けのチャンスの逃してしまうといったデメリットがあるということを覚えておきましょう。

外部要因による株価下落リスク

充分伸びる可能性がある銘柄でも、政治・景気・国際関係などの外部要因によって株価が下落することも考えられます。また、銘柄を保有する期間が長いほど、外部要因による下落リスクは高まります

しかし、パニックになってすぐに売却してはいけません。
”外部”の要因で株価が下がったということは、企業価値そのものが落ちたわけではないため、逆にお買い得な状況と考えることもできるのです。
よくある「買ったら下がって売ったら上がる」という失敗は、こういった外部要因による下落でのパニック売りも原因の一つと言えるでしょう。

対策としては、下落の原因がこの先も大きな影響を及ぼすのか、はたまた影響は短期的でまた本来の価値へ転換する可能性があるのか、現状だけでなく一呼吸おいて未来を考えることが大切です。

こういった下落リスクを考慮すると、長期間銘柄を保有するにあたって、まず大切な項目が「企業の安定性」でしょう。安心して保有できる安定した銘柄を見つけるためにも、次は、実際にファンダメンタル分析を行うにあたって役立つ様々な指標をご紹介します。

【ファンダメンタル分析のやり方】その1-企業価値を測る指標

ファンダメンタル分析を実践するために、まず重要なことが”企業価値”を測ることです。
投資対象の会社がどれくらい安定しているか、どれくらい可能性を持っているかを測ることで、リスクを減らしつつチャンスを増やすことができます。

企業の”安定性”が見える指標

ファンダメンタル分析において、まず大切な項目が”企業の安定性”です。銘柄を長い期間保有するということは、何かしらの下落要因に巻き込まれる確率も高くなります。そのため、まずは安心して長期保有できる安定的な企業を探しましょう。

自己資本比率

自己資本比率とは、資本調達のうち自己資本がどれくらい占めているかを示す数値です。返済不要の自己資本が占める割合が多いほど安定した経営がしやすく、業績悪化に対する抵抗力・体力の強さが判断できます。

自己資本比率の計算式

自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資本 × 100

自己資本・他人資本とは

会社の資金調達を大きく分類すると、株主から出資してもらった「自己資本」と銀行などから借りた「他人資本」に分類されます。

自己資本は、株主が出資したお金や会社の純資産のことで、会社が自分で調達した資金であるため返済義務がありません。
他人資本は、銀行からの借入金や社債など返済義務があるお金のことで、いわゆる”負債”として扱われます。
そして、自己資本と他人資本を合計した、会社全体のお金が総資本(=総資産)です。

つまり、会社が持つお金の中で、返済義務のない自己資本が多いほど経営が安定しており、返済に充てなければならないお金が少なく済むので、業績が悪化しても抵抗力が強く潰れにくい会社と言えます。

自己資本比率の使い方

自己資本の意味が分かれば、あとは自己資本が占める割合を計算するだけです。
「自己資本 ÷ 総資本(総資産)」で算出された数値が高ければ高いほど良く、潰れにくい会社と言えます。

安定性の高い企業の目安としては、自己資本比率50%以上の優秀企業が好ましいでしょう。

自己資本比率の目安
理想企業 70%以上
優秀企業 40~69%
普通企業 20~39%
改善の余地あり 0~19%
欠損企業 0%未満

流動比率

流動比率とは、流動資産(1年以内に現金化できる資産)が、流動負債(1年以内に返済すべき負債)をどれだけ上回っているかを表す指標で、会社の短期的な安全性を判断することができます。

流動比率の計算式

流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

流動比率の使い方

会社の規模や業種にもよりますが、一般的に流動比率が120%以上あれば充分な支払能力があると言えます。

逆に、流動比率が100%未満である場合は、単純に返済に充てる資産が負債よりも少ないことを表し、支払能力に不安があると言えるでしょう。

有利子負債依存度

有利子負債依存度とは、企業がどれだけ有利子負債に頼って経営しているかを表す指数です。

有利子負債依存度の計算式

有利子負債依存度(%) = 有利子負債 ÷ 総資産 × 100

有利子負債とは

有利子負債とは、その名の通り「利子」の「有る」負債のことで、いわゆる借金を意味します。

資金を借りて大きく事業を伸ばすことはもちろん大切ですが、有利子負債に頼りすぎてしまうと将来的に流出する資金が増えてしまいます。
また、利子というのは無駄な支出といっても過言ではありません。本来なら事業に回せたはずの資金が利子の支払いに取られることで、企業の成長を鈍化させることに繋がります。

有利子負債依存度の使い方

有利子負債依存度は、一般的に50%付近になると返済や利払いで経営が圧迫され始めると言われています。

もちろん、不動産事業などを手掛けている企業は投資規模も大きくなるため、業種によって水準は様々です。不動産事業以外にも、鉄道事業などを手掛ける企業も有利子負債依存度が高くなる傾向にあります。
そのため、大まかな目安として50%未満が好ましいと言えるでしょう。

企業の”収益性”が見える指標

いくら安定的な企業でも、今後の成長が期待できなければ株価も伸びません。企業の安定性を把握できたら、次は収益性に着目しましょう。

売上高総利益率

売上高総利益率とは、売上高と売上総利益の比率で、その企業が手掛ける商品の強さや付加価値を見ることができます。

売上高総利益率の計算式

売上高総利益率(%) = 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

売上総利益とは

売上総利益とは、商品を販売して得た売上高から原価を差し引いたものです。いわゆる企業の儲けの大元で、ここから社員の給料や諸経費などが支払われます。

売上総利益イメージ画像

売上総利益の割合が高いということは、原価に比べてそれだけ商品に付加価値が付いていることを表します。高付加価値の商品を販売できている企業というのは、その市場において競争力が高いと言えるでしょう。

売上高総利益率の使い方

全業種で見た売上高総利益率の平均は約25%と言われています。

しかし、多くの会社では売上高総利益率の高い付加価値商品だけでなく、同時に小さな利益で多く販売する薄利多売商品も手掛けていることが多くあります。
また、いわゆるブランドとして高付加価値の商品を販売するよりも、安くたくさん販売する方が適している場合もあることから、業種や会社の戦略によって水準は大きく変わります。

判断・比較する際は、会社の販売戦略を把握し、同業他社と比較しましょう。

EPS(一株当たり利益)

EPS(一株あたり利益)とは、会社の純利益を発行済株式数で割ったもので、保有している株式に対して1株あたりいくらの利益が期待できるかを表す指標です。

EPS(一株あたり利益)の計算式

EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数

EPSの使い方

EPSを使う際は、年間の増加率に着目します。
会社の利益が伸びる、または株価が下がるとEPSが増加するため、安定した株価でEPSが年々増加している銘柄というのは、売上・利益が順調に増加しているということになります。

目安としては、3年以上連続で上昇している銘柄が望ましいでしょう。毎年安定して収益を伸ばしている銘柄であれば、安心して長期保有できます。逆に、毎年上下を繰り返している銘柄は安定性がなく、いつか大きく下がる可能性を秘めていると言えるので、注意が必要です。

また、このような長期的な上昇が期待できる銘柄は、そもそも売ろうと思う投資家が少ないため下落しにくく、仮に下がった場合でもお買い得な状況と捉えられて下値が支えられるので、株価も安定的で長期保有に適しています。

ROE(自己資本利益率)

ROE(自己資本利益率)とは、株主が出資した自己資本を使ってどれくらい利益をあげられているかを測る指標です。つまり、株主側としてはROEを使うことで投資効率を知ることができます。

ROE(自己資本利益率)の計算式

ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

ROE(自己資本利益率)の使い方

ROEの目安としては10~20%で優良企業、投資対象としては8%以上が好ましいと言われています。

注意点として、ROEだけを参考にしてしまうと大きな落とし穴が待ち受けています
例えば・・・
A社:総資本100億円、自己資本70億円、当期純利益4億円
B社:総資本100億円、自己資本20億円、当期純利益4億円
自己資本の額だけが違う2社を比べてみると、
A社:4億円 ÷ 70億円 = 約5.7%
B社:4億円 ÷ 20億円 = 約20%
このように、B社の方が圧倒的に高くROE20%の優良企業に見えますよね。

しかし、資本比率に着目してみると、
A社は70%で理想企業、B社は20%でギリギリ普通企業と言える値となっています。

つまり、A社は地盤が強く安定しているが、事業の効率が悪く新しい投資先を探すべき
B社は効率よく稼げているが、借入金が多く一旦業績が悪化すると潰れやすい
と考えられ、B社は長期投資を行うには危険な株と言えます。

このように、ROEは自己資本比率に依存するため、まずは潰れにくい会社かどうかを見極めることが大切です。

企業の安定性・収益性が分析できたら、次はいかにお得に購入するかに着目します。
本来の価値よりも安く買うほど利幅も大きくなるので、割安性を図る指標を使ってお買い得な状態の銘柄を探しましょう。

企業価値を測る指標まとめ
役割 目安
安定性 自己資本比率 資本調達のうち自己資本がどれくらい占めているか 50%以上
流動比率 流動資産が流動負債をどれだけ上回っているか 120%以上
有利子負債依存度 どれだけ有利子負債に頼って経営しているか 50%未満
収益性 売上高総利益率 企業が手掛ける商品の強さや付加価値 平均約25%
EPS 売上・利益が順調に増加しているかどうか 3年以上連続で上昇
ROE 自己資本を使ってどれくらい利益をあげられているか 8%以上

【ファンダメンタル分析のやり方】その2-割安性を測る指標

企業価値が充分であると判断した場合、次に大切なのが”割安性”です。
いくら期待できる企業でも、高すぎる値段で購入してしまっては意味がありません。お買い得な株価で購入することで、株価が上昇したときの利益を増やし、下落したときの損失を減らしましょう。

企業の”収益”から割安性を見る「PER(株価収益率)」

PER(株価収益率)とは、会社の利益から現在の株価が割安かどうかを判断する指標で、お買い得な銘柄を探すための基本的な指標と言えます。

PER(株価収益率)の計算式

PER = 株価 ÷ EPS(一株あたり利益)

PER(株価収益率)の使い方

計算式を見て分かるように、PERは「現在の株価がEPSの何倍か」を表します。”収益性”でみた本来の価値と、今の株価を比較してお買い得かどうかを判断します。

例えば・・・
A株:EPSが300円、株価が4,500円
B株:EPSが500円、株価が5,000円
どちらの株がよりお買い得か判断するためにPERを求めてみると、
A株:4,500円 ÷ 300円 = 15倍
B株:5,000円 ÷ 500円 = 10倍
つまり、A株はEPSの15倍の価格、B株はEPSの10倍の価格で売られているので、
B株の方がよりお買い得と言えます。

業種によって違いはあるものの、日本株のPERは約15倍が平均とされており、PER15倍以下であれば割安と言えるでしょう。
しかし、PERが低すぎる銘柄というのは、お買い得でも買われない理由が隠れているとも考えられます。PERが低すぎる銘柄への投資は避け、財務状況や他の指標と合わせて参考にしてください。

企業の”資産”から割安性を見る「PBR(株価純資産倍率)」

PBR(株価純資産倍率)

PBR(株価純資産倍率)とは、会社の資産から現在の株価が割安かどうかを判断する指標で、PER同様割安性を測るには欠かせない指標と言えるでしょう。
PERが「”これから期待できる利益”からお買い得かどうか」を判断するのに対して、
PBRは「”これまで築いてきた資産”からお買い得かどうか」を判断します。

PBR(株価純資産倍率)の計算式

PBR = 株価 ÷ BPS(一株あたり純資産)

BPS(一株あたり純資産)とは

PBRを求めるために必要となる「BPS(一株あたり純資産)」とは、会社の純資産を発行済株式数で割ったもので、保有している株式に対して1株あたりいくらの資産が含まれているかを表す指標です。

この純資産とは、文字通り負債などが含まれていない純粋な資産で、会社が解散する場合に保有する株式数に応じて株主に還元されるものでもあります。そのため、BPSは会社の解散価値とも呼ばれています。

BPS(一株あたり純資産)の計算式

BPS = 純資産 ÷ 発行済株式数

例えば・・・
純資産350億円の会社が1000万株発行している場合、
350億円 ÷ 1000万株 = 3,500円
つまり、この株は、1株につき3,500円の解散価値があるということになります。

PBR(株価純資産倍率)の使い方

PBRは「現在の資産がBPSの何倍か」を表し、”資産”でみた本来の価値と今の株価を比較してお買い得かどうかを判断します。

例えば・・・
A株:BPSが3,500円、株価が4,500円
B株:BPSが5,500円、株価が5,000円
どちらの株がよりお買い得か判断するためにPBRを求めてみると、
A株:4,500円 ÷ 3,500円 = 約1.3倍
B株:5,000円 ÷ 5,500円 = 約0.9倍
つまり、A株はBPSの1.3倍の価格、B株はBPSの0.9倍の価格で売られているので、
B株の方がよりお買い得と言えます。

PBRの目安は、1倍以下で割安、1倍で定価、1倍以上で普通と考えられます。
解散価値に付加価値が上乗せされている状態が一般的であるため、PBR1倍以上=割高ではなく、あくまでそれが普通と言えるでしょう。

逆に、PBRが低すぎる場合は、赤字が続いており将来的に資産から補填される可能性があるなど、なにかしらの不安材料があるかもしれません。先程ご紹介したPERと同様、1つの指標で判断するのではなく、財務状況や他の指標と合わせて参考にしましょう。

しかし、これらの指標を企業ごとに計算するには膨大な時間がかかってしまい、本来得られたはずの利益を逃してしまう可能性もあります。
次は、ファンダメンタル分析の時短やより詳しく分析するために役立つ便利なツールをご紹介します。

ファンダメンタル分析を有利に!おすすめツール4選

ここでは、ファンダメンタル分析をもっと具体的に、もっと分析しやすくしてくれるオススメのツールをご紹介します。特に、最初にご紹介する「会社四季報」は、ほとんどの投資家が読んでいる”株式投資のバイブル”のようなものです。
ファンダメンタル分析の精度を向上させるためにもぜひご活用ください。

上場企業のすべてが詰まった「会社四季報」

会社四季報とは、全上場企業の情報が詰まった、いわゆる”会社辞典”です。
個人投資家はもちろんのこと、証券会社や投資・金融関係のプロも利用している株式投資のバイブルとして高シェアを誇っています。

会社四季報で分かるコト
業種 会社の基本情報、何をやっている会社なのか
社名・事業内容等
記事 業績について書かれた業績記事、株価材料について書かれた材料記事で業績予想の根拠
業績 四季報の記者が全社取材して立てた業績予想
業績修正変化記号 前号からどれくらい利益が伸びたかを矢印で記載
配当 配当の実績と予想の実額
株主 会社を所有している人は誰か
役員・連結会社 経営を委託されているのは誰か
財務 自己資本比率やROEなど、財務状況を判断する指標
資本異動・格付け 専門の信用格付会社による企業の安全性判断
株価チャート 過去の安値・高値から今の水準がどの位置なのかを確認
株価指標 PERやPBRなど、割安性を判断する指標

このように、全上場企業の中身が丸見えな会社四季報は、シェア率75%と他の類似誌を圧倒しています。この高シェア率、実は投資家たちにもメリットがあります
株式投資とは、他の人が投資しそうな会社を探すことが大切。つまり、多くの人が会社四季報を参考にしているということは、会社四季報で見た注目銘柄は、多くの投資家が確実に目を光らせると言えるでしょう。

会社四季報の発行は、春号(3月)、夏号(6月)、秋号(9月)、新春号(12月)の年4回。特に、6月発行の夏号は新しい期の業績が記載されるため、特に投資家の関心が高い号です。株式投資を有利に運ぶためにも、ぜひご活用ください。

企業の健康診断「貸借対照表」

貸借対照表画像

貸借対照表とは、その会社が持つ資産、負っている負債、それらの差額である純資産を一覧表にしたもので、ひと目で会社の財務状況が確認できることから、”企業の健康診断”と比喩されます。
また、左側の資産の部と右側の負債・資産の部が釣り合うように作られていることから、別名バランスシートとも呼ばれます。

また、表面的に見ると資産・負債・純資産を確認するだけのように見えますが、視点を変えて見るとどのように資金を調達し、どのように運用しているのかを表す資料でもあります

貸借対照表イメージ画像

企業の成績表「損益計算書」

損益計算書画像

損益計算書とは、会社の一定期間における損益を表した計算書です。
「一定期間」の業績を表したものであることから、”企業の通知表”と比喩されます。

この損益計算書は、過去のデータと比較することで、企業分析の精度を向上させます
会社がどれくらい稼いで、どれくらい使って、いくら残っているのかを期間ごとに照らし合わせることで、業績が上下する原因などを探ることができます。

実際のお金の流れが分かる「キャッシュフロー計算書」

キャッシュフロー計算書の一例
項目 金額
税金等調整前当期純利益 ×××
減価償却費 ×××
棚卸資産の減少額 ×××
   営業活動によるキャッシュフロー合計 ×××
有価証券の取得による支出 △×××
有価証券の売却による収入 ×××
有形固定資産の取得による支出 △×××
有形固定資産の売却による収入 ×××
   投資活動によるキャッシュフロー合計 ×××
借入金の返済による支出 △×××
   財務活動によるキャッシュフロー合計 △×××
現金及び現金同等物の増減額 ×××
現金及び現金同等物の期首残高 ×××
現金及び現金同等物の期末残高 ×××

キャッシュフロー計算書とは、実際のお金の流れを可視化した資料で、私たちで言う家計簿のようなものです。

営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローとは、その会社の主軸となる事業が生み出す資金を表す項目です。ここがマイナスの場合、メイン事業が資金を削っていることとなり、規模の収縮、在庫圧縮を行うべき状況と言えます。

投資活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフローとは、設備や事業への投資による資金の流れを表す項目です。プラスであれば資産を売却して現金を得ており、逆にマイナスであれば資産を購入したということが分かります。
一見利益を得ているように見えても、投資活動によるキャッシュフローを確認してみたら資産を売却していた、ということもあるので注意が必要です。

財務活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフローとは、銀行からの借り入れや株式の発行など、資金調達に関する項目です。
営業活動によるキャッシュフローがプラスで、なおかつ財務活動によるキャッシュフローがマイナスの場合、きちんと事業で充分な利益を得て返済に充てられているということが分かります。逆に、この項目がプラスの場合は資金不足により融資や出資を受ける必要があったことを示します。

会計上の利益=手元の現金ではないため、損益計算書で利益が出ているように見えても、支払のタイミングによっては実は赤字だったということもあり得ます。
何にいくら使って何でいくら得たのかをキャッシュフローで確認し、会社の資金状態・流れを把握することで黒字倒産の危険性にいち早く気づくことが大切です。

まとめ

ここまで、ファンダメンタル分析とはどういった手法なのか?テクニカル分析との違いは?といった基本的な部分から、実際に分析する際に使う指標やツールをご紹介しました。

最後に、”第5のツール”とも言える「相場のリズム」についてご紹介しようと思います。
ファンダメンタル分析と合わせて活用することで、更に投資を有利に運ぶことができるでしょう。

相場には大きく分けて5つの局面があり、その5つの局面を繰り返して”相場のリズム”を形成しています。

一つの例として、
下降トレンドの後は、一定期間もみ合い相場が続き、
その後、上値抵抗線を抜けると上昇トレンドへ転換する可能性が高い

という傾向があり、絶好の買いタイミングとも言える局面です。

この下降トレンドに引っ張られて保有銘柄が下落しても焦ってはいけません。
記事中でもご説明したように、実際にその銘柄の企業価値が落ちたわけではないからです。つまり、しっかりファンダメンタル分析を行って見つけた銘柄であれば、このタイミングはいわゆるお買い得な状況と考えることができます。
あとは全体相場が上昇トレンドへと転換し、株価が本来の水準へと戻るのを待つだけです。

このように、ファンダメンタル分析を使って銘柄を選定し、相場のリズムを使って流れを把握することで、自分の勝ちやすいときにだけ勝負する”勝率の高い投資”を実現することができます。「いかにお買い得に購入するか」が大切な株式投資において、非常に有効な組み合わせと言えます。

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