仕手株とは?狙われやすい銘柄の特徴と見つけ方

仕手株

仕手株」とは、莫大な資金力を持つ仕手筋」が利益を得るために利用する株です。この仕手株はそもそも、仕手筋が儲かるように仕組まれた出来レースなので、一般投資家の心理を揺さぶる値動きを演じながら買いを集め、やがて仕手筋が売り抜けた後に大暴落を起こします。

仕手株は、軽い気持ちで手を出してしまうと大損のリスクを孕む危険な銘柄です。
絶対に手を出さないでください。

このページでは、仕手株・仕手筋とは?といった基本的な部分はもちろんのこと、仕手株の手口や仕手筋に狙われやすい銘柄もご紹介するので、仕手株に巻き込まれないようにするためにも、是非一読ください。

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仕手株とは?

仕手株という言葉をご存知でしょうか?企業の業績に関係無く株価が急変動する株を意味し、これは仕手筋と呼ばれる人達によって意図的に作られます。仕手株についての知識なく投資を始めてしまうと、思いもよらぬ大損をかぶってしまうこともあるので注意が必要です。

仕手株・仕手筋とは?

前述したように、莫大な資金力を持つ「仕手筋」と呼ばれる人たちが、利益を得るために利用する株が「仕手株」です。普通、株価は企業の業績や事業などの材料に伴って上下しますが、仕手株は仕手筋が大量に株を購入することで、企業の業績とは無関係に株価が急変動します

莫大な資金を武器に株価だけでなく投資家心理まで操り、株価が高騰したところで大量に保有している株を一気に売るので、株価は暴落します。最初から株価が上がる理由・材料がないことから、もちろん株価が再度上がることはありません。

このように、投資とは程遠い行為で最初から投資家の資金を食い物にすることを目的としていることから、一見儲けられそうに見えても仕手株には手を出さないことが最善策です。

最強の仕手筋 誠備グループ「加藤 暠(かとう あきら)」とは?

加藤 暠(かとう あきら)とは、「兜町最強の仕手筋」とまで言われた仕手筋です。

1980年代、医師や社長、政治家など約800人もの大物資産家が所属する「誠備グループ」を結成しました。当時のグループ資金は500億円とも言われており、数々の低位株を急騰させました。さらに、「個人投資家主体の市場へ変えよう」と訴えることで多くの賛同者が集まり、一時は4,000~5,000人もの会員が所属していました。

1981年2月、所得税法違反で東京地検特捜部に逮捕されますが、地検の本当の目的は顧客名や関係者を吐かせることだったと言われています。誰もが厳しい取調べで吐いてしまうだろうと思っていましたが、加藤は断固として顧客名を明かしませんでした。加藤の顧客には、大物政治家・大物経済人・大物ヤクザ・著名スポーツ選手・著名芸能人などがいたとされ、加藤が口を開けば全員が失脚したであろうと言われています。

その後「般若の会」を結成。少しでも介入の噂があれば「K氏銘柄」「加藤銘柄」と呼ばれ、株価は急上昇をみせました。最終的には、化学メーカーである「新日本理化」の株価を不正につり上げたとして金融商品取引法違反の疑いで起訴されましたが、公判中に病死し、公訴棄却となりました。

次は、実際に加藤 暠が仕掛けたと言われている仕手株「ルック(8029)」を元に、仕手株のチャートをご紹介します。

こんなチャートは要注意!過去に仕手株となった銘柄一覧

仕手株がどういったものか分かったところで、実際に仕手筋に狙われてしまった銘柄のチャートを見てみましょう。一見、波に乗れば儲かるのでは?と思うかもしれませんが、その逆も然りということを忘れてはいけません。リスク削減に注力した根拠ある投資を心がけましょう。

仕手株の代表「ルック(8029)」

仕手株ルックチャート画像

2002年7月、ルックの株価は1,000円から徐々に上昇。2003年を超えた辺りから一気に急騰し、株価は1年で10倍、10,000円となっています。その後、仕手筋が売り抜けたルックの株価は、半年で5分の1まで下落しています。

このように、ものすごい勢いで急騰し、更にスピードを増して急落するのが仕手株のチャートです。仕手筋がわざと株価を急騰させることで投資家の目に止まり、何も知らない人が購入、または仕手と分かって購入する人もいるでしょう。しかし、急騰の終わりは仕手筋だけが知っています。仕手筋が自分のタイミングで売り抜けると、その後は急落あるのみ。株価は適正価格まで下がります。

まだ上がるかもしれない」と思って一旦高値で掴んでしまうと、一瞬で資産を失うことになります。うまくいけば儲かるのは事実ですが、仕手筋が儲かるように仕組まれている出来レースに飛び込むのは、非常にリスクが高く危険です。急騰銘柄を見つけた際には、まず材料・理由を確認しましょう。そして、万一自分の保有している銘柄が仕手株となった場合は、直ちに売却することを心がけてください。

過去の仕手株一覧

ここでは、過去に仕手筋に狙われて急騰した銘柄をご紹介します。1度仕手株となった銘柄は、再度狙われることも多いので、これらの銘柄にはご注意ください。また、下記の銘柄が全てではなく、他にも仕手株は存在すると思われるので、ご了承ください。

ルック
(8029)
RISE
(8836)
新日本理化
(4406)
佐世保重工業
(上場廃止)
ナイガイ
(8013)
トーヨーカネツ
(6369)
日本バルカー
(7995)
シー・ヴイ・エス・ベイエリア
(2687)
石川製作所
(6208)
五洋インテックス
(7519)
オカダアイヨン
(6294)
三井鉱山(3315)
(現:日本コークス工業)
エア・ウォーター
(4088)
A&AM
(5391)
ユニチカ
(3103)
エス・バイ・エル
(1919)
東邦亜鉛
(5707)
三晃金属工業
(1972)
エスコム
(3779)
オメガ・プロジェクト(6819)
(現:伊豆シャボテンリゾート)
鬼怒川ゴム工業
(上場廃止)
北川鉄工所
(6317)
日特建設
(1929)
保土谷化学工業
(4112)
プレス工業
(7246)
油研工業
(6393)
リズム時計工業
(7769)
ナラサキ産業
(8085)
東海アルミ箔
(上場廃止)
テラボウ
(上場廃止)
東都水産
(8038)
日本カーバイド工業
(4064)
合同製鐵
(5410)
共栄タンカー
(9130)
中山製鋼所
(5408)
東海観光(9704)
(現在:アゴーラHG)
キムラタン
(8107)
市川毛織(3513)
(現:イチカワ)
真柄建設
(上場廃止)
富士紡績(3104)
(現:富士紡HD)
佐田建設
(1826)
岩崎電気通信
(上場廃止)
黒崎播磨
(5352)
日本配合飼料(2060)
(現:フィードワン)

これが仕手筋の手口!巻き込まれないための仕手株情報

ここまでにご紹介してきた仕手株は、一体どのような仕組みで仕掛けられているのでしょう?ここでは、仕手株の手口・仕組みをご紹介します。

1.まず、誰にも気付かれないように数ヶ月かけ、少しづつ安値で株を買い集める。これを「玉集め」と呼びます。

2.目標株数を集め終わったら、次は人目につくように大きく買い続ける。この時、自分が保有している銘柄をわざと売りに出し、それを再度買い上げることで出来高も急増させる。これを「玉転がし」と呼びます。

3.株価の上昇に気づいた投資家が、上昇トレンドに乗ろうと株を買い始める。

4.投資家たちが株を買うことで更に株価が上昇。値上がりランキングなどに掲載され、買いが買いを呼ぶ状態に。

5.意図的に売りを多くしたり、大量に買いを入れて投資家心理を揺さぶり、一時的に株価を下落させるようにする。これを「振い落とし」と呼びます。

6.玉転がしと振い落としなどを交互に行い、他の投資家が高値で株を買う状況を作り出す株価が上昇したら一気に売り注文を出し、高値で売り切ることで莫大な利益を得る

7.大きな売り注文に押され、株価は一気に下落。元々株価が上昇する理由・材料がないので、株価は元の適正価格まで下がる一方。

このように、最初から最後まで仕手筋の思い通りの相場が演じられており、儲けた投資家も損した投資家も、結局は仕手筋の手のひらで踊っているに過ぎません。繰り返しになりますが、このような出来レースに参加するのはリスクが高く危険です。株初心者はもちろんのこと、投資経験がある方でも仕手株には手を出さないのが一番です。

次は、仕手株に巻き込まれないためにも、仕手筋に狙われやすい株、仕手株の特徴をご紹介します。

標的になりやすい銘柄とは?仕手株の特徴と見つけ方

極論を言うと、仕手筋に狙われやすい銘柄は最初から手を付けなければ被害にあうことはありません。ここでは、仕手株になりやすい銘柄の条件をご紹介します。

仕手株になりやすい銘柄の4つの条件

株価の安い銘柄

俗に言う低位株・ボロ株は、仕手筋に狙われやすい株で、100円以下の銘柄は特に注意が必要です。

仕手筋は、時間をかけて大量の株を買い集める「玉集め」を行います。株価の高い銘柄よりも株価の安い「低位株・ボロ株」の方が集めやすいことから、狙われやすい理由の一つになります。

低位株・ボロ株について、詳しくは「【2018年版】おすすめ低位株ランキング&優良ボロ株スクリーニング方法」をご覧ください。

発行済株式数・時価総額が小さい銘柄

発行済株式数が6,000万株未満の「小型株」が特に狙われやすいです。また、小型株でなくても、時価総額(発行済株式数×株価)が小さい銘柄も標的となりえます。

発行済株式数や時価総額が小さいと、仕手筋が持つ資金の範囲内で株価操作を行いやすいことから、狙われやすい理由の一つになります。

出来高の少ない銘柄

出来高が少ないということは、その株を取引する人が少なく流動性に乏しいことを意味します。つまり、仕手筋が行う一つ一つの仕掛けに敏感に反応するため、仕手筋の思い通りに反映されやすいことから、狙われる理由の一つとなります。

信用取引ができる銘柄

信用取引とは、自分の資産の3.3倍までの資金を扱うことができる上に、証券会社から株を借りて売却し、あとで買い戻して返却するという「空売り」という取引方法が使えます。

空売りのできる銘柄であれば、空売りの買い戻しによって株価が上昇する「踏み上げ相場」を利用することができます。

  • 踏み上げ相場期待の信用買いが増える → 株価が上昇 → 仕手筋が売り抜ける
  • 空売りした人が我慢できずに買い戻す → 株価が上昇 → 仕手筋が売り抜ける
  • 仕手筋が空売り → 仕手筋が売り抜ける → 株価が暴落 → 買い戻す

といった風に、仕手筋が利益を得るパターンを増やすことができ、仕掛ける作戦の幅も広がることから、狙われる理由の一つとなります。

仕手株の可能性が高い銘柄の特徴

ここまでご覧になった皆さんは、もう説明なく特徴を理解できるのではないでしょうか?

仕手株の特徴
  • 材料もなく株価が上昇
  • 理由もなく出来高が増加
  • 急に値上がりランキング上位に

このように、株価の上昇・出来高の増加に理由がない場合は、仕手株の可能性が非常に高いので、まず手を出さない。すでに保有している銘柄の場合は、すぐに売却する。目の前の利益に目が眩んで一度手を出してしまうと、深い落とし穴にハマってしまうかもしれません。とにかく手を引いて逃げることが最善の策です。

今回ご紹介した内容で、仕手株の恐ろしさ・危険度をお伝えできればと思います。株式投資において、成功への近道はリスク削減です。繰り返しになりますが、仕手株には手を出さず、根拠のある堅実な投資を心がけましょう。