上場廃止になった株はどうなるか?

上場廃止になるとどうなるか?のメイン画像

上場廃止といえば、「会社が倒産して、投資していた人はいきなり大損を被る」といったイメージが強いのではないでしょうか?

しかし、意外にも倒産による上場廃止は少なく、完全子会社化や買収に伴う上場廃止がほとんどです。また、上場廃止になりそうな銘柄は「監理銘柄」として知ることができ、上場廃止が決定した銘柄は「整理銘柄」として一定期間売買することができるので、保有している株がいきなり紙切れになると言うことはなく、上場廃止発表後も売却して手放すことが可能です

このページでは、「上場廃止の基準」や「上場廃止となった株の価値」といった基本的な部分はもちろんのこと、上場廃止株タカタ(7312)のマネーゲームを例に、「上場廃止株を買うのはアリなのか?」までご紹介します。

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上場廃止の基準とは?

上場廃止の理由には大きく3つの種類があり、上場廃止後も会社が存続するパターンが多くあります。ここでは、上場廃止になる理由や基準など、基本的な部分をご説明します。

上場廃止とは

証券取引所に上場している企業は、株式を一般公開しているため投資家が株を自由に売買することができています。この証券取引所を介しての取引を終了することを「上場廃止」と呼び、上場廃止した株は個人間で直接売買しなければならないので、流動性が著しく低下します。

一般的に、上場廃止=倒産というイメージが強いかもしれませんが、企業が自主的に上場廃止を申請する場合もあり、必ずしもマイナスな出来事だとは限りません。次は、上場廃止になる基準と3つの理由をご紹介します。

上場廃止の基準と3つの理由

1.上場廃止基準に該当して上場廃止

1つ目の理由は、証券取引所の定める上場廃止基準に該当して、上場廃止となるパターンです。

証券取引所には、上場を維持するための基準が設けられており、「この取引所で売買できる銘柄は、これら基準を満たしている企業なので安心してください。」という、いわゆるお墨付きの役割を果たしています。この基準を下回った場合、当然その株を売買させるわけにはいかないので上場廃止となります。

東証1部2部 上場廃止基準

株主数 400人未満(猶予期間1年)
流通株式数 2,000単位未満(猶予期間1年)
流通株式時価総額 5億円未満(猶予期間1年)
流通株式比率 5%未満
(所定の書面を提出する場合を除く)(猶予期間なし)
時価総額
  • 10億円未満である場合において、9か月(所定の書面
    を3か月以内に提出しない場合は3か月)以内に10億
    円以上とならないとき
    又は
  • 上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合にお
    いて、3か月以内に当該数値以上とならないとき
債務超過 債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき(原則として連結貸借対照表による)
売買高
  • 最近1年間の月平均売買高が10単位未満
    又は
  • 3か月間売買不成立
有価証券報告書等の提出遅延 監査報告書又は四半期レビュー報告書を添付した有価証券報告書又は四半期報告書を法定提出期限の経過後1か月以内に提出しない場合(有価証券報告書等の提出期限延長の承認を得た場合には、当該承認を得た期間の経過後8日目(休業日を除外する。)までに提出しない場合)
虚偽記載又は不適正意見等
  • 有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合であって、
    直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持するこ
    とが困難であることが明らかであると当取引所が認め
    るとき
    又は
  • 監査報告書又は四半期レビュー報告書に「不適正意
    見」又は「意見の表明をしない」旨等が記載された場
    合であって、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序
    を維持することが困難であることが明らかであると当
    取引所が認めるとき
特設注意市場銘柄等
  • 特設注意市場銘柄の指定要件に該当するにもかかわら
    ず、内部管理体制等について改善の見込みがないと当
    取引所が認める場合
    又は
  • 特設注意市場銘柄に指定されている間に、内部管理体
    制等について改善の見込みがなくなったと当取引所が
    認める場合
    又は
  • 特設注意市場銘柄に指定されたにもかかわらず、内部
    管理体制等について改善がなされなかったと当取引所
    が認める場合
上場契約違反等 上場会社が上場契約に関する重大な違反を行った場合、新規上場申請等に係る宣誓事項について重大な違反を行った場合又は上場契約の当事者でなくなることとなった場合
その他 銀行取引の停止、破産手続 ・再生手続・更生手続、事業活動の停止、不適当な合併等、支配株主との取引の健全性の毀損(第三者割当により支配株主が異動した場合)、株式事務代行機関への不委託、株式の譲渡制限、完全子会社化、指定振替機関における取扱いの対象外、株主の権利の不当な制限、全部取得、株式等売渡請求による取得、反社会的勢力の関与、その他(公益又は投資者保護)

これらの基準をクリアしている企業の株のみ売買できることで、証券取引所を介した取引が安心で信用できるとされています。

2.MBO(経営陣買収)やTOB(株式公開買付)で上場廃止

2つ目の理由は、経営陣が買収する「MBO」や、他社による買収や子会社と合併する「TOB」です。

MBOとは

MBOとは、「Management Buy Out:経営陣買収」のことで、経営陣が自社を買収することを意味します。

取引所に上場すると資金を調達しやすいというメリットがある反面、株主の意見を反映した経営を行わなければなりません。長期投資家の株主は、長いスパンで企業の利益になることを考えますが、中には短期での成果を求める短期投資家の株主も多く存在し、企業とは方針の異なる考えを持つ株主が多いと思い通りに経営することが難しくなります。

そこで、経営陣が自社の株を買い取ることで非上場企業になり、会社のためになる経営を続けるという方法を取るのが「MBO」です。一度非上場企業になることで上場のデメリットを排除した経営を行うことができ、上場基準を満たしていれば再上場することもできます。

TOBとは

TOBとは、「take-over bid:株式公開買付」のことで、他社を吸収する「買収」や子会社と共同経営する「合併」の際に行われます。また、合意の上で行うことを「友好的TOB」、対象企業を乗っ取ろうとすることを「敵対的TOB」と呼びます。

TOBを行う場合、企業は株主に対して「〇〇円」の株価で「〇〇株」の取得を目標に「〇〇日」まで買い付けます。と宣言します。

この時宣言される株価は、その時点の株価よりも高い値段で宣言されることが多く、株主は市場に売却するよりもTOBに応じたほうが得することがほとんどです。また、売買手数料も必要ありません。

では、なぜ普通に株を購入せずに、高めの金額を宣言してまでTOBを行うのか?
証券会社を通して株を大量に購入すると、株価も上昇してしまうことからいくらで買収できるかの目処が立ちません。また、目標株数に達しなかった場合、大量に購入した株式のみが残ってしまいます。しかし、TOBなら一定の株価で大量に購入できる上に、目標株数に達しなければ返却することができるからです。

3.会社が倒産して上場廃止

3つ目の理由は、「会社の倒産」です。
会社の債務が重なり、事業が成り立たなくなった状況を「経営破綻」と呼びます。中でも、銀行から取引を断られるなど特定の状況に陥ったものが「倒産」です。

また、倒産は、会社自体が消滅する破産・解散」と、会社が存続して再建を目指す「民事再生・会社更生」の2つに分けられます。

倒産の種類の画像

上場廃止になると、保有している株はどうなる?再上場の場合は?でもご紹介しますが、これらの理由で上場廃止になると、ほとんどの場合で株が無価値になってしまいます。しかし、いきなり無価値になってしまうのではなく、上場廃止になりそうな銘柄の周知があったり、上場廃止が決定した後も一定期間は売買できるので、売却処分することが可能です。

次は、この「上場廃止になりそうな銘柄」と「上場廃止が決定した銘柄」についてご説明します。

監理銘柄と整理銘柄

ここまで、上場廃止となる理由を3種類ご紹介しました。しかし、何もいきなり上場廃止となるわけではありません。

まず、上場廃止基準に該当しそうな銘柄は、「監理銘柄」に指定され、「この銘柄は、上場廃止になる恐れがあります。」と投資家に知らされます。上場廃止が決定すると「整理銘柄」に分類され、(破産・解散の場合は2週間)の売買猶予期間が与えらた後に上場廃止となります。整理銘柄の期間で投資家は保有銘柄を売却処分することができるので、保有銘柄がいきなり上場廃止といったことは起こりません。

MBOやTOBによる上場廃止の場合、証券取引所の判断ではなく企業の発表により上場廃止が決定するので監理銘柄を経由せずに整理銘柄に分類されます

2017年上場廃止銘柄一覧

上場廃止日 銘柄名 市場 上場廃止理由
2017/12/29 技研興業 第二部 完全子会社化
2017/12/27 ダンロップスポーツ 第一部 合併
2017/12/25 曽田香料 JQS 株式の併合
2017/12/18 ゲンキー 第一部 完全子会社化
2017/11/28 山下医科器械 第一部 完全子会社化
2017/10/27 メガネスーパー JQS 完全子会社化
2017/09/27 日本無線 第一部 完全子会社化
2017/09/27 パナホーム 第一部 株式の併合
2017/09/11 郷鉄工所 第二部 有価証券報告書提出遅延
2017/09/07 大林道路 第一部 株式の併合
2017/08/10 USEN JQS 株式の併合
2017/07/27 データリンクス JQS 完全子会社化
2017/07/27 日本コロムビア 第一部 完全子会社化
2017/07/27 TASAKI 第一部 合併
2017/07/27 タカタ 第一部 民事再生手続き
2017/07/24 日立工機 第一部 株式の併合
2017/07/06 丸栄 第一部 株式等売渡請求による取得
2017/06/28 ベスト電器 第一部 完全子会社化
2017/06/02 住友不動産販売 第一部 株式等売渡請求による取得
2017/05/29 フード・プラネット 第二部 内部管理体制等について改善がなされなかった
2017/05/29 三浦印刷 第二部 株式等売渡請求による取得
2017/05/08 カルソニックカンセイ 第一部 株式等売渡請求による取得
2017/05/02 ニッコウトラベル 第二部 株式等売渡請求による取得
2017/05/01 バンク・オブ・アメリカ・コーポレーション 第一部 申請による上場廃止
2017/04/28 高木証券 第二部 株式等売渡請求による取得
2017/04/26 攝津製油 第二部 完全子会社化
2017/04/26 イハラケミカル工業 第一部 合併
2017/03/29 コカ・コーライーストジャパン 第一部 完全子会社化
2017/03/29 東燃ゼネラル石油 第一部 完全子会社化
2017/03/28 T&Cメディカルサイエンス JQG JASDAQ業績基準該当及び債務超過
2017/03/23 アコーディア・ゴルフ 第一部 株式の併合
2017/03/22 パナソニック デバイスSUNX 第一部 完全子会社化
2017/02/24 インテア・ホールディングス マザーズ 完全子会社化
2017/02/10 アデランス 第一部 株式の併合
2017/02/06 日本デジタル研究所 第一部 株式等売渡請求による取得
2017/01/30 エイチアンドエフ JQS 株式等売渡請求による取得
2017/01/24 ミツミ電機 第一部 完全子会社化
2017/01/20 マネースクウェアHD 第一部 株式の併合
2017/01/16 SOMPOケアメッセージ JQS 株式等売渡請求による取得
2017/01/16 ダルトン JQS 株式の併合

2017年上場廃止株40銘柄のうち、倒産による上場廃止はわずか1銘柄。この結果から、一般的にイメージの強い「上場廃止=倒産」というのが間違いということが見て取れます。

次は、自分の保有している銘柄が上場廃止となった場合、持っている株はどうなるのか?また、再上場するまで持っていれば売買できるのか?についてご紹介します。

上場廃止になると、保有している株はどうなる?再上場の場合は?

上場廃止になった株は紙切れに・・・というのが一般的なイメージだと思います。

しかし、会社が存続する場合は指定価格で買い取ってもらえたり、再上場した際に古い株も売買できたりするパターンもあり、必ずしも無価値になるとは限りません。

もちろん、上場廃止が発表された時点で手放すのが賢明ですが、忘れていて保有したままだった。という万一の場合に備えて覚えておきたい知識です。

上場廃止後の株の価値は?

上場廃止基準に該当した株は、価値が残る

上場廃止基準に該当した会社は、もちろん上場廃止となります。しかし、これは証券取引所から退場させられるようなイメージなので、会社自体は存続します。

つまり、保有している株式は価値を持ち、株主権限も継続するので優待や配当金を得ることも可能です。しかし、取引所を介して取引できないことから、個人間で売買する必要があり、流動性が低く売却が非常に難しくなります。よっぽどの理由がない限り「整理銘柄」の段階で売却してしまうのが賢明です。

MBOやTOBによって上場廃止した株は、株が交換されることも

こちらも、会社自体は存続するので株の価値は残ります
時価より高い値段で買い取ってくれることや、売却手数料がかからないことから、TOBに応じて企業へ売却するのが賢明です。しかし、手続きが手間だと感じる方は市場へ売却するのも一つの手でしょう。

もちろん上場廃止後も保有し続けることはできますが、こちらも取引所を介して取引ができないため流動性が低くなってしまい、これといったメリットはありません。他社による買収の場合、買収元の親企業の株式に交換されることもあります

倒産によって上場廃止した株は、価値がゼロになることが多い

倒産による上場廃止では、イメージ通り株が紙くずになる場合がほとんどです。倒産が決まった銘柄は、「整理銘柄」へと分類され、株価は0円へと近づいていきます。

まず、会社自体が消滅してしまう「破産・解散」の場合です。
株主には、「余財産分配請求権」という権利があり、破産会社の所有する土地などの財産をすべて売却し負債を返済した後、資産が残っていれば株主に分配されます。しかし、ほとんどの破産会社が債務超過であることから基本的に1円も期待はできません。

次に、「民事再生・会社更生」の場合です。
民事再生法や会社更生法などのいわゆる倒産法を適用した場合、新たに投資をしてもらうことで再スタートの資金に充てます。その際、既存の株主の保有する株式を「100%減資」するか、少しだけ(多くの場合1%)残す「99%減資」があります。

ほとんどの場合は100%減資となり、株式は無価値になってしまいます。しかし、99%減資の場合「再上場の可能性をがあるかも」という考えを持った投資家が購入するため、株価は価値を持ちます。しかし、そもそも100%減資にならないことが珍しいことから、期待して保有することはリスクが高いと言えるでしょう。

さらに、「損をする」という以外のデメリットとして、「売却しなければ損失として認められない」ことが挙げられます。100%減資の決定や破産手続きの開始など、株の無価値が決定した際に、特定口座で管理していた場合、損益通算は可能ですが、繰越控除は不可能となります。さらに、一般口座で管理していた場合、損益通算も繰越控除も不可能となるので注意が必要です。

倒産による上場廃止が決定した場合、なるべく早く売却することで損失を最小限に抑え、その損失を節税に使うことが一番だと思われます。

再上場した場合、古い株はどうなる?

上場廃止した株を長年保有していて、仮に再上場を果たせば、保有していた株で再度売買できるのでしょうか?仮に上場廃止間際の1円で購入して、再上場の際に売却すれば儲かるのでしょうか?

ほとんどの場合、これらを実現するのは難しいと言えるでしょう。JAL(日本航空)が再上場を果たした際も、既存の株は100%減資で無価値になり、新株を発行しての再上場でした。つまり、今までの古い株とは全くの別物なので、もちろん売買はできません。

仮に99%減資だった場合、既存の株を売買することができるようになりますが、99%減資というだけでもめずらしいのに、更に再上場する可能性もクリアしなければならないというのは現実的ではありません。

繰り返しになりますが、早めの売却で損失を最小限に抑えることが一番です。「資金が減る」と「資金が無くなる」の差は、まさに雲泥の差と言えるでしょう。

上場廃止でわかるBPSを重視した投資の強み

BPSとは、「1株あたり純資産」のことで、倒産によって上場廃止した株は、価値がゼロになることが多いでもご紹介した、会社が破産した際に「余財産分配請求権」に基づいて分配される利益がどれくらいかを表す指標です。このことから、解散したときの価値「解散価値」とも呼ばれます。

「BPS(1株あたり純資産) = 純資産 ÷ 発行済株式総数」
で求めることができ、値が大きいほど良い(解散時の分配金が高い)と言えます。

しかし、本来は、実際に破産したときの分配金を期待してこの指標を見るのではなく、「現在の状況で解散となれば、1株につきこれくらいの分配金が貰える」という一つの目安として株価に反映されます。

BPSが小さいと債務超過に転落する可能性が高く、マイナスであればすでに債務超過ということになります。つまり、BPSが高い銘柄であれば破産の可能性が限りなく低く、仮に予期せぬ出来事で破産することになっても、分配金が貰えます。また、BPSの高さから株価が急激に下がりにくいため余裕を持って売却処分できるということも考えられます。

と言っても、BPSが高い状態の銘柄は、破産どころか多くの投資家が購入するので、基本的には平均的な値に収束します。もし、BPSの高い銘柄を見つけた場合、それはお得な状態で放置されている株かもしれないので、他の指標と合わせて詳しく調べてみるべきだと言えるでしょう。

BPSを重視することで、本来の価値より株価が安い「割安株(バリュー株)」を見つける目安となり、株が無価値になる可能性も抑えられるので、最悪の事態すらも想定した堅実な投資ができると思います。

上場廃止の影響で株価暴落。相場はマネーゲームに

上場廃止が決定すると、もちろん株価は暴落します。そして、暴落後の低い株価では需給のみでの売買が繰り返され、理由のない株価の乱高下で相場はマネーゲームと化すことがあります。

ここでは、実際にマネーゲーム化した上場廃止株「タカタ(7312)」を例に、当時のチャートを見てみましょう。また、そのような相場に参加する危険性もご説明します。

マネーゲーム化した上場廃止銘柄「タカタ(7312)」

タカタは、エアバッグやチャイルドシートの製造を手掛けていた企業で、世界2位のシェアを誇っていました。

2008年以降、エアバッグの重要部品とされるインフレーター関連の不具合が相次いで判明し、米国とマレーシアでは破裂したインフレーターの金属片により死亡事故も起きました。これにより、2015年最大顧客であるホンダが、今後の新型車にタカタ製インフレーターを使わない方針を表明し、それに続くようにマツダや富士重工業(現SUBARU)も同じ内容を表明しました。

2017年6月26日、タカタは民事再生法を申請、倒産が発表されました。エアバッグのリコール対象となる搭載車は世界で1億台以上、費用は総額1兆円とされており、製造業では戦後最大の倒産となりました。それでは、当時のチャートを参考にマネーゲームの様子を見て見てみましょう。

上場廃止銘柄「タカタ(7312)」のチャート画像

6月15日の時点で、日経新聞がこのことを報道していたことから、484円だった株価はすでに160円まで下落していました。そして、26日の正式発表により、翌日にはストップ安比例配分で110円まで下落。7月6日には17円となりました。

タカタ株を保有していた人の売りが落ち着いたところで、株価は7日の安値15円から反発。7日終値は26円で前日比53%高、10日終値36円で39%高、11日終値45円で25%高、12日ストップ高の75円で67%高、13日ストップ高の105円で40%高と連日急騰しました。

そして、14日は高値153円をつけた後、終値82円で22%安に。これ以降株価は低迷し、7月26日終値18円で上場廃止となりました。

7日から14日の7日間で10倍以上の急上昇を見せたタカタ株。最終的に紙切れになると分かっている株だからこそ、このような「マネーゲーム」が目立ちます。

一見すると、「上場廃止が決まった株でも儲けるチャンスがある」と考える人もいるかもしれません。次は、このようなマネーゲームに参加するのはアリなのか?について考察します。

上場廃止が決まった株を買うのはアリ?

マネーゲームとは、企業の業績やニュースに関係なく、投資家同士で煽り合って売買を繰り返す「ギャンブル」です。まだ上がる、もう少し上がる、という予想で購入されて株価が上昇しますが、ひとたび落ちれば取り返すことはできません。

「もう少し高い値段で売れる」と思った人が株を購入・売却し、さらにもっと高く売れると思った人が購入します。これが繰り返され、最終的にババを引いた人が大損するチキンレースがマネーゲームです。

結論を言うと、「投資」をしようと思っている人は手を出さないのが賢明です。
数日という短期間で資産を10倍にも増やすチャンスだと思うかもしれませんが、同じスピードで資産が減る可能性もはらんでいます。さらに、ファンダメンタルが通用しないマネーゲームでは、その確率は非常に大きいと言えるでしょう。

インターネットを通じて株式投資に興味を持つきっかけとして、「1年で資産10倍になった!」といった大きな利益を得た話がよく転がっており、実際の投資を知ると少しギャップを感じるかもしれません。多くの人が目にする株の成功談は、このようなマネーゲームに1回成功しただけの場合が多く、他人が真似すれば高確率で損失を被ることになるでしょう。

リターンに目が眩んで一攫千金を狙う「ギャンブル」に手を出すのではなく、リスクを重んじて着実に資産を増やす「投資」を目標にしましょう。

まとめ

ここまで、上場廃止の基準や理由、上場廃止後の株について、注意すべきマネーゲームの動きをご紹介しました。マイナスイメージの強い上場廃止ですが、倒産や上場廃止基準に該当することは意外にも少なく、買収や子会社化が多いことがおわかりいただけたと思います。

上場廃止になりそうな銘柄は「監理銘柄」として知ることができ、上場廃止が決定しても「整理銘柄」として1ヶ月間(破産・解散の場合は2週間)売買することができます。保有している銘柄が上場廃止となっても焦ること無く、早めに売却して損失を最小限に抑えるのが無難でしょう。

再上場や99%減資の可能性など、整理銘柄にも希望はありますが、大損のリスクをはらんだ僅かな希望にかけるのではなく、別の投資先へ資金を移動させることで精神的にも資産的にも余裕を持った投資ができると思います。