日経平均株価とは何か?初心者でも分かる!株価の見方や計算方法

日経平均株価とは

日経平均株価とは、日本を代表する株価指標のひとつ。東証1部に上場する大手企業の中から、日本経済新聞社の独自の基準によって225の銘柄が選ばれ、その銘柄の平均株価を計算することで算出されています。

株式投資に触れたことが無い方でも、「日経平均株価が●●年ぶりの◆◆円を突破!」や「円高の影響を受けて日経平均株価は▲▲円まで売込まれる展開。」など、何気ない日常の中でも、この日経平均株価という言葉を耳にする機会は多いはずです。

では、この日経平均株価を構成する225の大手企業は、どのような基準で決められていて、日経平均株価が「上がった」「下がった」は、私たちにどのような影響を与えるのでしょう?

このページでは、日本経済や景気のバロメーターともいえる株価指数「日経平均株価」について、意外と知られていない構成銘柄の決め方や株価の計算方法、影響力の強い主力銘柄など、掘り下げてご紹介していきます。

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日経平均株価は、東証1部に上場する全銘柄から選ばれた、225企業の平均株価。

現在、国内の株式市場に上場する企業は約3600企業、そのうち東証1部に上場する企業は約2000企業に上ります。

日経平均株価を構成する銘柄は、この東証1部に上場する約2000企業の中から、取引が活発で流動性の高い銘柄が選別され、日本の株式市場を代表する225企業が採用されます。

この225銘柄の指定は「日本経済新聞社」によって行われ、定期的・臨時的な見直しがなされて1年に数回程度、銘柄の入替えが行われます。日経平均株価という呼び名に「日経」がつく理由は、日本経済新聞社が225の採用銘柄を選んでいるから(知的財産権を保有している)です。

日経225とは?日経平均株価と同じ意味の呼び名

インターネット上の株情報サイトや経済の情報誌などで「日経225」と表記されているのを目にしたり、かなり簡略されて「225」と呼ばれているのを耳にしたことはないでしょうか?

これらは、日経平均株価と同じ意味をもちます。ちなみに、NHKの報道ニュースでは、民間企業の広告にあたるとして日経平均株価とは言わず、「日経TOPIX」と報道されています。

関連情報

日経225と間違えやすい「日経225先物」とは?

日経平均株価の略称「日経225」と勘違いしてしまいそうな言葉に「日経225先物」という取引方法があります。日経225先物取引とは、日経平均株価(日経225)を投資の対象とした取引のことで、将来の日経平均株価が「上がるか?」「下がるか?」を予想して取引します。

インターネット上の情報には、日経225先物も省略させて「日経225」と表記されてしまうこともあるので、その意味を間違えないようにしましょう。

日経平均株価とTOPIXの違い

日経平均株価と並んで、日本の経済指標の一つとして重要視されているのが「TOPIX(トピックス、東証株価指標)」です。

TOPIXとは、「Tokyo Stock Price Index」を略したもので、東証1部に上場している全ての銘柄を対象に、その時価総額をベースに算出されている株価指標のこと。TOPIXは、東証1部市場の全体を対象とした上で、時価総額の変化を指標にしていることから、日経平均株価よりも「正確に日本の株式市場を反映している。」と見られています。

日経平均株価とTOPIXの違いをまとめると、以下のようになります。

日経平均株価 TOPIX
対象銘柄 225銘柄 東証一部(約2000銘柄)
算出方法 単純平均 加重平均
単位 ポイント
特徴 外需株(自動車や電機、機械や精密機器などの「輸出株」)の動きが見える。 内需株(建設や不動産、金融、通信、外食などの「国内需要の株」)の動きが見える。

日本経済の動向や景気の見通しを知ろうとしたとき、どちらかの片方だけを見ようとするのではなく、日経平均株価とTOPIXの両方を見ることで、外需株と内需株、両方の動向を掴むことができます。

日経平均株価を構成する銘柄の決め方・入れ替えの基準とは?

先ほどのトピックでも少し触れましたが、日経平均株価を構成する225の銘柄は定期的な入れ替え、もしくは突発的な理由による不定期の見直しによって、1年間のうちに数回程度の入れ替えが行われます。

例えば、日本を代表する大手家電メーカーの「東芝」。日曜日の人気アニメ「サザエさん」の元スポンサーとしてもお馴染みの企業です。東芝はもともと、日経平均株価を構成する一つの銘柄でしたが、大幅な業績不振に陥ったことが原因して、2017年8月、東証1部から2部への指定替えがされました。

その結果、東芝は日経平均株価の採用メンバーから外されることとなり、新たに「セイコーエプソン」が加わることになりました。

このように、日経平均株価を構成する銘柄は、常に同じ銘柄が固定されているのではなく、そのときの業績や成長性などによって見直しと入れ替えが行われています。それが、「定期見直し」と「臨時入れ替え」です。

チェック!!

日本経済新聞社が作成する「日経平均株価 構成銘柄選定基準」によると、日経平均株価の銘柄の見直し・入れ替えには、

  1. 市場の流動性(取引量)が高いこと
  2. セクター分類のバランスを考慮すること
  3. 臨時の入れ替えでは企業の実態を考慮すること

主に、この3つの基準が重要視されています。

突発的な理由による「臨時入れ替え」

たとえば、債務超過や経営再編による上場廃止、または東証2部への降格があった場合など、その銘柄は日経平均株価の構成から外され、その代わりの銘柄が補充されます。

さきほど「東芝」と「セイコーエプソン」を例に、構成銘柄の入れ替えをご紹介しましたが、これが「臨時入れ替え」です。予期していなかった業績不振が明るみに出てしまい、構成銘柄から除外しなければならない事態が起こったとしても、この臨時入れ替えがあることで225構成銘柄の数が維持されているのです。

臨時入れ替えのタイミングは、原則として除外する理由が発生した日とされています。ただし、倒産など突発的な理由の場合、入れ替えを周知させるために実施期間を置く場合があります。

構成銘柄の分類とバランス「36業種」と「6つのセクター」について

構成銘柄が見直しされるとき、特に重要視されている基準が「セクター間のバランス」です。セクターとは、一言でいうと"分類"という意味です。日経平均株価を構成する225の銘柄は、「36の業種」と「6つのセクター」で分類されています。

6つのセクター 36の業種
技術 医薬品、電気機器、自動車、精密機器、通信
金融 銀行、その他金融、証券、保険
消費 水産、食品、小売業、サービス
素材 鉱業、繊維、パルプ・紙、化学、石油、ゴム、窯業、鉄鋼、非鉄・金属、商社
資本財・その他 建設、機械、造船、輸送用機器、その他製造、不動産
運輸・公共 鉄道・バス、陸運、海運、空運、倉庫、電力、ガス

構成銘柄の見直しがされるときは、単純に"取引が活発で流動性が高い"という理由だけではなく、構成する業種や産業に偏りが出ないようにバランスを考慮した入れ替えが行われています。

これまでに、「東芝」と「セイコーエプソン」の臨時入れ替えをご紹介しましたが、この2つの銘柄はいずれも「技術セクター」の業種は「電気機器」に分類されています。 つまり、同じセクター・業種の中での見直しが検討されることで、市場の流動性とセクター間のバランスが考慮されているのです。

日経225への新メンバー入りは株価にどう影響するのか?

冒頭でお伝えしたように、日経平均株価は日本の経済や景気のバロメーターともいえる重要な指数です。その重要指数を構成していた銘柄が見直され、新たなメンバーが加わるということは、個人投資家はもちろん、国内外の市場関係者が注目する大きなイベントと言えます。

日経平均株価を構成するメンバーに新規採用された場合、その銘柄の株価はどのような動きをするのでしょうか?具体的な例として、2017年10月、定期見直しによって新規採用された「リクルートホールディングス」の株価推移をみていきましょう。

リクルートHDの株価チャート画像

この画像は、「リクルートホールディングス(6098)」の株価チャートです。 リクルートホールディングスは、『ネット予約はホットペッパーグルメ!』や『結婚するならゼクシィ!』など、印象に残るTVコマーシャルでもお馴染み、企業と個人を結びつける"マッチングプラットフォーム運営"の最大手企業です。

リクルートホールディングスは、2017年9月5日の午後、業種セクター間の銘柄数の過不足調整によって、日経225への新規採用が発表され、定期見直しによる入れ替えは、翌月の10月2日に実施されることになりました。

株価チャートの、ひとつ目の丸印で囲った時期が新規採用が発表されたタイミングです。
これまでの株価推移を大きく飛び越えて、翌日には値を飛ばして株価を急伸させているのが分かります。その後、ふたつ目の丸印で囲った定期入れ替えが実施されて以降、更に株価を急上昇させています。

このように、日経平均株価への新規採用が決まると基本的に株価は大きく上昇します。反対に、入れ替えによって除外されてしまった銘柄は株価を下げることが多くなります。

日経平均構成銘柄の採用が決まると株価はなぜ上がるのか?

さまざまな要因が株価に影響していますが、大きくは以下の3つ。

  1. 日経平均株価に連動したファンド(投資信託)の銘柄入れ替えによるインデックス買い
  2. ファンドの銘柄入れ替えを見越した、投資家の先回り買い
  3. 構成銘柄の新規採用を予想した発表前の思惑買い

後ほどご紹介しますが、私たちの投資先は個別の銘柄だけでなく、日経平均株価の値動きに直接投資ができる「インデックスファンド」という方法があります。このインデックスファンドを運用しているのが「投資信託」や「ファンド」と呼ばれる機関投資家です。

日経平均株価を構成する銘柄が見直された場合、この機関投資家が運用していた銘柄も入れ替える必要があり、新たに採用された銘柄を改めて買わざるを得ない状態になる(インデックス買い)のです。個人の買い注文とは比較ならない規模のインデックス買いが発生するため、新規採用銘柄の株価は急上昇するのです。

日経平均株価の値動きに投資する「インデックスファンド」とは?

インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIXといった「指数(インデックス)」の動きに、価格が連動するように設計されたファンド(投資信託)のことです。

例えば、「日経225インデックスファンド」という投資信託がありますが、これは、日経平均株価の動きに連動するように225の構成銘柄が組み込まれ、プロのファンドマネージャーによって運用されます。そのため、日経平均株価と近い値動きをします。

この日経225インデックスファンドに投資するということは、簡単にいってしまうと「日経平均株価の構成銘柄すべてに投資する」のと同じ意味をもち、個別の株を買うのとは全く違った投資効果が期待できます。こうしたインデックスファンドを利用した投資法を「インデックス投資」といいます。

日経平均株価の変動に大きく影響する主力銘柄とは?

これまで紹介したように、日経平均株価は日本を代表する225の大手企業の平均株価によって計算されています。では、日経平均株価の「上がった」or「下がった」は、225構成銘柄の株価が仲良く均等に動いたのでしょうか?

日経平均株価を構成する銘柄の中には、指数に強い影響力をもつ銘柄と、そうでない銘柄とがあります。この日経平均株価への影響力を「寄与度(きよど)」と言います。

実は、この寄与度の高い企業の株価が、日経平均株価を動かしていると言っても過言ではないのです。では、この寄与度の高い銘柄はどんな企業なのか?日経平均寄与度ランキングを使って見ていきましょう。

日経平均寄付度ランキング

このランキングは、日経平均株価の変動幅に対して、強い影響力を持つ(寄与度の高い)10社を順位付けしたものです。(2018年3月2日時点の終値)

順位 企業名 証券コード 株価 前日比 寄与度
1 ファーストリテ 9983 40,980円 -1,100(-2.61%) -40.82
2 ソフトバンク 9984 8,485円 -312(-3.55%) -34.72
3 ファナック 6954 26,395円 -605(-2.24%) -22.45
4 ダイキン 6367 11,775円 -355(-2.93%) -13.17
5 東京エレク 8035 20,460円 -350(-1.68%) -12.99
6 中外製薬 4519 5,120円 -330(-6.06%) -12.24
7 京セラ 6971 6,067円 -156(-2.51%) -11.58
8 KDDI 9433 2,556.0円 -50.5(-1.94%) -11.25
9 ホンダ 7267 3,686 -145(-3.78%) -10.76
10 日東電工 6988 8,505円 -279(-3.18%) -10.35
日経平均株価 21,181.64(-542.83) 値上がり銘柄:3 値下がり銘柄:222 変わらず:0

この日の日経平均株価は、前日の米国株市場が急落したことを受けて、寄り付きから広い範囲の銘柄が売り込まれる展開になり、終値は前日比542円83銭安い21,181円64銭と急落しました。

さて、日経平均株価が前日と比べて542円83銭安く取引を終えたわけですが、この542円83銭という株価の下落は、225の銘柄すべてが均等に値を下げたわけではありません。

この寄与度ランキングで見ると、上位の3銘柄「ファーストリテ」「ソフトバンク」「ファナック」の株価が下落したことが、日経平均株価の急落に大きく影響していることが分かります。

では具体的に、寄与度の高い銘柄「ファーストリテイリング」の株価と日経平均株価の動きを比べて、その影響力の高さを見ていきましょう。

日経平均株価と寄付度の高い銘柄の株価を比較

ファーストリテイリングは、カジュアル衣料の「ユニクロ(UNIQLO)」ブランドを中心に、世界で衣料の生産・販売を手掛ける日本発のアパレルグループです。そして、日経平均株価に最も大きな影響を与えているのが、このファーストリテイリングです。

日経平均株価とファーストリテの株価チャート比較画像

日経平均株価とファーストリテイリングの株価を比較すると、上昇・下落幅はファーストリテイリングの方が大きく見えるものの、ほぼ日経平均株価と似たような動きが見られます。

また、ファーストリテイリングの日経平均株価に対する寄与度は「-40.82(7.51%)」と極めて高く、続く「ソフトバンク」「ファナック」の3社の寄与度を合計すると、「-97.99(18.0%)」にも上ります。つまり、日経平均株価はこの3社が動かしていると言っても決してオーバーではないのです。

もし仮に、日経平均株価は今後上がっていくのか?それとも下がっていくのか?といった疑問に直面したとき、日経平均株価に対する影響力を示す寄与度ランキングを見たうえで、上位企業の業績や株価を掘り下げて調べてみると良いでしょう。適切な答えを導き出すヒントが見えてくるかも知れません。

日経平均株価の計算方法

次に、日経平均株価はどのような計算方法で算出されているのか?掘り下げていきます。
基本的な考え方としては、「日経平均株価を構成する225銘柄の平均株価」で間違いがありません。

しかし、日経平均構成銘柄の株価を単純に平均化したものではありません。
日経平均株価の計算は、株価を額面50円相当(みなし額面)に換算した上で合計し、その合計を「除数」で割ることで算出されます。

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日経平均株価の計算方法
日経平均株価 = みなし額面で調整された225銘柄の株価の合計 ÷ 除数

株価は、売り買いの注文状況のほかにも、株式分割や併合、採用銘柄の入れ替えなどによって価格は上下します。そのため、株価を合計して225で割る単純平均では、時系列にした時に不都合が生じるのです。

日経平均株価は、こうした特殊な株価の変化を調整することで、指数の連続性を保てるように計算されています。その調整方法が「みなし額面による調整」と「除数の調整」です。

みなし額面による調整

現在は廃止されましたが、株式には「額面」と呼ばれる価格の基準がありました。この額面とは、会社がはじめて株式を発行したときの1株あたりの値段のことを指します。

この額面には、20円、50円、500円、50,000円の4種類があり、当時はこの額面が株券に記載されていました。この額面制度は、時代が流れていくにつれて不都合な点が目立つようになり、2001年10月の商法改正で廃止されることになります。

しかし額面制度が廃止された後も、株価の形式は古いタイプの額面(50円、500円、5万円など)が引き続き反映されていることから、それぞれの銘柄によって株価の水準が大きく違ってきてしまいます。

そこで、この株価水準のゆがみを調整するために、古い額面制度を引き継いだ「みなし額面」が使われるようになります。225の構成銘柄すべてに、仮の額面(みなし額面)を設定した上で、一律「額面50円」に揃えることで株価の水準を調整したわけです。

チェック!!

●株価水準を調整する計算方法
株価 × (50円 × みなし額面) = 換算した株価

日経平均株価を計算するときには、この換算した株価を合計させて平均値を算出します。構成銘柄のみなし額面については、日経平均プロフィルから確認することができます。

除数の修正

日経平均株価の計算方法、最後は「除数の修正」です。
これまでにご紹介したように、日経平均株価を構成する銘柄は定期的、または臨時での入れ替えが行われていて、基本的には新規採用が決まると株価は大きく上昇し、除外される銘柄は株価を下げます。

この構成銘柄の入れ替え発表によって、株価を大きく上昇させた銘柄が、そのまま日経平均株価に組み込まれてしまうとどうなるでしょう?当然、日経平均株価の入れ替えのタイミングで、差額分がプラスであれば上昇するはずです。

このように、株の取引による市況の変化とは違い、指数としてイレギュラーの誤差を修正するために使われるのが「除数」です。構成銘柄の入れ替えを例に見ていきましょう。

日経平均株価の計算方法(入れ替え前)

もし仮に、日経平均株価を構成する銘柄がA社、B社、C社の3銘柄だとして、このときの日経平均株価の計算方法は、3社の株価を合計して単純に除数の3で割れば出ます。

ここで、「A社」が除外されて新たに「D社」が採用されたとします。

日経平均株価の計算方法(入れ替え後)

先ほどと同じように、3社の株価を合計して単純に除数の3で割ったとすると、、、

銘柄の入れ替えが行われただけで、日経平均株価は200円も上昇してしまいます。これだと、市場の価格変動を反映できれおらず、指数だけを見れば「値を大きく上げた!」と勘違いをしてしまう人が出てきてしまいます。

この誤差を無くして、指数の連続性を維持するために「除数」を修正します。

日経平均株価の計算方法(除数の修正)

まず、入れ替えが実施される前と後、それぞれの合計株価の比率を出します。この比率に、元の除数をかけることで修正します。この場合の比率は「1.333…」、元の除数は「3」なので、修正された除数は「4」になります。

株価の合計と修正後の除数で割ると、指数の連続性を維持した平均株価を出すことができます。

この除数についても、先ほど紹介した「日経平均プロフィル(日時サマリーなど)」から確認できますので、詳しく知りたい方はコチラも参照してみてください。

日経平均株価の基本的な見方

これまで、日経平均株価という指数がどのような物なのか?その構成銘柄や指数の計算方法などをご紹介してきましたが、次は「日経平均株価の見方」について掘り下げていきます。

一言で「日経平均株価の見方」といっても、日経平均株価のチャートをどのように見るのか?といった、単純なことではなく「株価の価値」と「世界な視点」に着目した見方をご紹介していきます。

日経平均株価の「高い・低い」と「割高・割安」の違い

みなさんは「日経平均株価が高い」という言葉にどんなイメージを持ちますか?

多くの方は、過去につけた株価よりも現在の株価の方が高い。といった「株価の高低」が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか?株式投資の世界ではさらにもう一つ、「株価の価値」という見方もします。

株価の高低 過去の株価推移と現在の株価を比べて「高い水準なのか?」「低い水準なのか?」といった、高低の違いに着目した見方。
株価の価値 現在の株価が過去の水準と比べて「割高なのか?」「割安なのか?」といった、価値の違いに着目した見方。株には割安・割高を測る「PER(株価収益率)」という指標があります。この倍率が小さいと割安、大きいと割高と判断されています。

ちなみに、2番目にご紹介した株価の価値を測る「PER」という指標は、日経平均株価だけでなく、企業の成長性も測ることができるポピュラーな分析方法です。下の画像が、日経平均株価の推移とPERを表したチャートです。

日経平均株価の推移とPER比較チャート画像

緑色の折れ線グラフが日経平均株価の推移赤色が日経平均PER(割高or割安)の倍率を表しています。この日経平均PERは、過去の実績や欧米市場と比較して、14倍~16倍が適正水準とされていて、「14倍を下回ると割安」、「16倍を上回ると割高」と見られています。

オレンジの枠で囲った2013年の始めと赤枠の2017年の終わりを比べてみると、日経平均株価と日経平均PERの推移が入れ替わり、2017年の後半に入ると大きく値を上げているのが分かります。

この理由をざっくりと言ってしまうと、当時は割高とみられていた日経平均株価でしたが、最近では割安とみられる水準までPERが下がり、これを評価した投資家たちに買われている。と見ることができます。

この時、「世界的に見て日本株は割安だ!」と評価して、日経平均株価を引き上げるほど買い入れているのが「外国人投資家」です。では、外国人投資家は一体どのような指数をみて日本株を評価しているのでしょう?それが、次にご紹介する「ドル建て日経平均株価」です。

世界視点で見る「ドル建て日経平均株価」

日経平均株価の動きになぜ外国人投資家が強く影響しているのか?それは、日本株の約7割は外国人投資家によって売買されているからです。

外国人投資家の動向や日経平均株価への影響などは、改めて別のページにてまとめますが、ここでは、日経平均株価の値動きは外国人投資家の売買動向が強く影響している。ということだけ覚えておいてください。

さて、外国人投資家は日本の株式市場をどのような指標で見ているのでしょう?
当然、私たちと同じく、日経平均株価をはじめとする全体指標を参考にします。ただし、海外から日本株を売買する前提では、日本円での株価ではなく自国の通貨(分かりやすくドルとします。)に換算した株価をみて評価しているのです。

日経平均株価と日経平均ドル建て比較チャート

上記の画像が、日経平均株価と日経平均ドル建ての比較チャートです。
円建てとドル建て、2つの日経平均株価を比べたとき、同じ株価指標でも「心理的な節目の位置」がまったく違い、「為替相場の状況」によって違った見方ができてしまうのです。

そのため、日経平均株価の動向を評価する「年初来高値を更新!」や「節目の●●円を突破!!」といったニュース報道が流れたとしても、海外の投資家から見ると、実はそれほど評価されていなかった。というケースも十分にあるのです。

いかがだったでしょうか?
一言で「日経平均株価の見方」といっても、影響力の高い外国人投資家の視点や、株価の推移だけでなく、今の価値に着目するなど、さまざまな見方ができるのです。

今回は、「日経平均PER」と「ドル建て日経平均株価」をご紹介しましたが、他にもたくさんの見方や評価の仕方があります。詳しくは別のページにまとめて行きますので、そちらも併せて参照してみてください。

日経平均株価が「上がる」or「下がる」はどう影響するのか?

2018年1月、日経平均株価はバブル崩壊後の高値を超えて、一時2万4,000円台まで回復しました。およそ26年ぶりの快挙です。

当時、日経平均株価が高値を更新するたび、この快挙をたたえるニュース速報が流れていたので、投資経験がないという方でも、少しはこのニュースに興味を示したのではないでしょうか?中には「日本の景気が良くなってきた!」と、漠然とした印象を持った方も多いはずです。

そもそも、日経平均株価が「上がった」、または「下がった」は、私たちの生活にどのように影響するのでしょうか?この素朴な疑問について「投資家」と「企業」、そして「お給料」を使って説明していきます。

投資家への影響

ニッセイ日経225インデックスファンドの株価チャート

この画像は、日経平均株価の値動きに連動するタイプの投資信託「ニッセイ日経225インデックスファンド」の株価チャートです。

ひとつ目の丸印は、2012年12月、安倍政権が誕生して「アベノミクス」が始動したタイミングです。このアベノミクスが始動してから、日経平均株価はグングンと値を上げ続け、2017年の12月末には2万2000円台まで回復。5年の歳月をかけて2倍以上の値上がりを見せました。

そして、ふたつ目の丸印は現在の株価です。

もし、アベノミクス相場が始まった2012年の12月頃、このインデックスファンドを買っていたとすると、たった5年間で資産を2倍以上に増やすことができたのです。

今回は、日経平均株価と近い動きをする「インデックスファンド」を例にしましたが、日経平均を構成する個別銘柄(特に寄与度の高い銘柄)でも同じことが言えます。

短期間の運用で資産を大きく増やすチャンスがある!という視点でみると、日経平均株価の「上がった」「下がった」に一番影響を受けるのは投資家かも知れません。

企業への影響

企業は、事業活動を続けていくために株を発行して、出資者を募って資金調達を行います。この資金調達に影響してくるのが株価です。

投資家は、株価が上がっている(これから上がる)企業に投資をしようと考えるので、企業側はより多くの出資者を集めるために、新しい商品を開発したり事業を拡大するために優秀な人材を雇ったりと、企業を成長させていくための努力をします。

このように、企業の成長性と株価には深い関係があります。これは日経平均株価についても同じです。当時、日経平均株価がアベノミクス相場の勢いに乗って、ドンドン値を上げていったとき、構成する225企業の株価も概ね大きく値を上げています。

日本を代表するトップ企業たちの元に、国内外の膨大な資金が向かうので、この潤沢な資金を使って企業を大きく成長させることにつながり、さらには、日本経済や景気を向上させるになるのです。

お給料への影響

最後に、私たちのお給料への影響について。
日経平均株価の「上がった」or「下がった」ということに、もっとも影響が薄いのがこの「お給料」かも知れません。

日経平均株価は、バブル崩壊後の高値を突破し、2017年の12月末には2万2000円台まで回復しました。これは、日本経済の景気が回復していることを意味しますが、これを「お給料が増えた」として実感している家庭は少ないはずです。

現金給与総額の推移

この画像は、厚生労働省が発表する「労働統計調査」をもとに、日本経済新聞社が取りまとめた現金給与総額の推移です。全体を通してみると少しずつ回復しているように見えますが、日経平均株価の推移とは全く違う動きをしています。

日本経済の景気が少しずつ回復の兆しを見せ、企業の業績がより良くなってきたとしても、一般家庭のお給料に影響するまでにはまだ遠い。という事が言えます。

日経平均株価の「上がった」or「下がった」の影響を知るために、「投資家」「企業」「お給料」の3つを使ってご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

私たち一般消費者の目線で、「日経平均株価が上がると何かいいことがあるのか?」と考えると、短期の投資でも大きな儲けのチャンスがある「投資家」が一番得をするのかも知れませんね。

まとめ

日経平均株価は、日本の株式市場を代表する225の大手企業の株価によって算出される株価指数のことです。国内経済を支える大手企業の株価をベースとしていることから、日経平均株価の値動きは、日本の経済や景気のバロメーターとして見ることもできます。

日経平均株価とは?」という疑問について、ご紹介したことを簡単にまとめると、

  • 日経平均株価は、東証1部の上場企業から選ばれた225銘柄の平均株価で算出される。
  • 日経225の構成銘柄は、「定期見直し」と「臨時入れ替え」によって入れ替わる。
  • 日経225に新規採用されると、基本的に株価は上昇して、除外されると下がる。
  • 日経平均構成銘柄の中には、強い影響力をもつ銘柄とそうでない銘柄がある。
  • 日経平均株価の計算方法は、「みなし額面」に換算した株価の合計を「除数」で割る。
  • 日経平均株価は、「高低」「価値」「海外の視点」と様々な見方ができる。
  • 日経平均株価の値動きに影響を受けやすいのは「投資家」と「企業」。

と、いうことです。

何気ない日常の中でも耳にする機会の多い「日経平均株価」という言葉。意外と知らなかったことも多かったのではないでしょうか。この日経平均株価をより詳しく知るために、是非他の記事も参考にしてみてください。