機関投資家とは?注目するべき空売り手口と売買動向

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株式関連のニュースでは度々、「機関投資家」の動きを報じていますが、一体どんな投資家なのか?また、株式市場とどのような関係があるのかご存知でしょうか?

株価の上昇・下落の背景に必ず存在し、
株式市場のトレンドを決めるのは機関投資家」と言っても過言ではありません。

巨額の資金を運用し、個人投資家とは比べものにならない金額の売買を行うことで、株式市場の原動力となっています。つまり、株初心者でも大きな流れに乗れば、利益をあげることが可能です。

このページでは、機関投資家とは?といった基本的な部分はもちろんのこと、株価が暴落する可能性を持った空売りの回避方法や大口・機関投資家の動向を知るための情報をご紹介します。

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機関投資家とは?

機関投資家とは、いわば"大口投資家"と呼ばれる法人投資家のことで、個人投資家の比ではない運用金額の大きさから大型株を好み、損失の許されない状況における厳格な売買ルールのもとで取引を行っています。

東京証券取引所で扱う株式の約80%を保有する「機関投資家」のうち、30%は外国人投資家が保有しているというデータもあり、株式市場の年間売買高の約60%はこの外国人投資家によるものです。

皆さんの中にも「海外投資家(外国人)が○週間ぶりに売り越し、今日の日経平均株価は○○円の下落。」といったニュースを目にしたことがあるのではないでしょうか?

ここでは、機関投資家の定義や個人投資家との大きな2つの違い、日本市場に影響力のある機関投資家一覧をご紹介します。

機関投資家の定義

機関投資家とは、保険会社や金融機関、証券会社など、大量の資金を使って、株式や債券の運用を行う大口投資家のことです。「投資家」というと、個人で取引するイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、機関投資家は、会社や銀行等の金融機関、政府機関など、法人として投資を行っています。

投資部門別株式保有率の年間推移の画像

出典:投資部門別売買状況|日本取引所グループhttps://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/00-02.html

実は、東京証券取引所で扱っている株式の約80%は機関投資家が保有しています。このことから、個人投資家の保有率は20%にも満たず、機関投資家の動きが株式市場に大きな影響を与えることを感じ取っていただけるのではないでしょうか。

一般的に機関投資家は、優良企業の長期的な成長や経済状況をじっくりと調査してから、巨額の資金で何度も買い足すような運用を行います。もちろん、悪材料から明確に下落の予想される株式を見つけた場合には、売り注文を出すこともあります。

機関投資家の正体がわかったところで次は、個人投資家と機関投資家の違いをご紹介します。

個人投資家と機関投資家の大きな2つの違い

運用金額・銘柄選定基準の違い

機関投資家の運用金額は、個人投資家とは比べものにならないような大きな金額です。個人投資家の運用金額が数十万円~数千万円なのに対して、機関投資家は数億円以上の資金を運用しています。

この運用金額の差は銘柄の選定基準にも関係してきます。個人投資家は、運用金額の範囲内であれば小型株から大型株まで購入できますが、機関投資家は、小型株のように時価総額や流動性の低い銘柄をあまり購入せず、大型株を好んで取引します。

小型株へ一度に多くの資金を投入すると、すぐに値上がりし過ぎてしまい、流動性の乏しさからスムーズに注文が約定しません。
そのため、機関投資家は、個人投資家と比べて取引できる銘柄が限られると言えます。

売買ルールの違い

売買ルールについても機関投資家と個人投資家では大きな違いがあります。

個人投資家は、売買ルールの内容や守るかどうかも自分自身で決められ、ルールを決めなくとも自由に売買できます。一方、機関投資家は顧客から預かった資産や所属のファンド・会社の資産など、自分の資産ではないため、その所属が決めた売買ルールに従わなければなりません。

また、決められたルールに反した場合、職を失うこともあります。つまり、機関投資家は、売買ルールに沿った機械的な運用が求められ、個人投資家は売買ルールも自分次第で自由に決められると言えます。

次は、日本市場に影響を与える機関投資家一覧をご紹介します。

日本市場へ影響を与える機関投資家一覧

販売高に占める合計及び事故・委託別比率(株取引数量は外国人投資家が最も多い)の画像

出典:調査レポート|日本取引所グループhttps://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/examination/01.html

日本市場へ大きな影響を与える機関投資家は、実は外国人投資家です。

機関投資家の定義で、機関投資家が保有している株式は約80%と述べましたが、そのうち30%ほどは外国人投資家が保有していて、年間の売買高も約60%以上が外国人投資家による取引というデータもあります。

日本株に影響力のある機関投資家は以下の通りです。

ヘッジファンド 機関投資家や富裕層から資金を集めて金融商品への投資を行う投資ファンド。
短期・長期に限らず相場の状況に合わせた柔軟な運用方法からハイリスク・ハイリターンで利益率を高めた投資も行う。
一般には公開されない「私募ファンド」と呼ばれている。ハンガリーのソロス・ファンド・マネジメント、アメリカのルネッサンス・テクノロジーズが有名。
政府系ファンド 各国の政府が自国の資産運用として設立した投資ファンド。
石油や天然ガスなどの豊富な天然資源を持つ国が多くあり、貿易黒字から出た国家資産を資金として、財政維持や国の将来に向けて運用している。
中東、中国、ロシア、シンガポールなどが運用規模も大きく有名。
ファンド 不特定多数の個人投資家から資金を集めて投資信託を行う企業。
ヘッジファンドとは違い、主にリスクを抑えた中長期の安定した運用方法が多い。
一般に広く公開する「公募ファンド」と呼ばれている。
アメリカのゴールドマンサックス証券、イギリスのフィデリティ証券などが有名。
年金基金 国の年金機構も投資を行う団体の1つ。
年金運用を目的に投資を行っているため、基本的には超長期の運用方法
アメリカは世界で最も年金基金数が多く、中でも運用資産が大きい「カリフォルニア州職員退職年金基金」や「ニューヨーク州教職員退職年金」が有名。

次は、損失を避けるために注意が必要な機関投資家の空売り手口についてご紹介します。

機関投資家の空売り手口に注意!損失を避けるためには?

巨額の資金を動かせる機関投資家がもしも、自分の保有している銘柄を空売りしていたら、下落するかもしれないと不安になるものです。

では、運用規模で勝てない個人投資家は、機関投資家のなすがままになってしまうのでしょうか?ここでは、機関投資家が空売りをする理由から、どの銘柄が空売りされているかの確認方法や機関投資家の売買銘柄を保有していた場合の対処法をご説明します。

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空売りとは?

空売りとは、手元にない株式を「信用取引」などを利用して「証券会社から借りて売る」ことを言います。株価がこれから下がると予想した時に空売りを行い、下落したところで買い戻して利益を得るものです。


例)

  1. 株価1,000円で100株空売りして売買代金が10万円が発生
  2. 下落後の株価500円で100株買い戻して売買代金5万円を支払い
  3. 手元に残った差額の5万円が利益

機関投資家が空売りをする理由

機関投資家が空売りをする理由はシンプルに、空売りで利益を出せるからです。

機関投資家は空売りを行う際、株価が下落した時にどのくらいの人が損切をするか考えています。金融工学の発達している現在、厳格な売買ルールのもとで取引している機関投資家からすれば、人間がどの程度の含み損になれば、どれくらい損切りする人がいるのかはとても計算しやすいものです。

ましてや、信用取引ではロスカットさせてしまえば強制的に売らせることができ、長期間の含み損は、売りたくなる心理が働くため、売り需要が読みやすいと言えます。

一方、買い需要は読みづらく、株価の上昇に伴い「そろそろ下落するかもしれない」という心理が働き、予期せぬ相場環境の悪化などの不確定要素が強いです。このように、人間の心理や信用取引の仕組み的にも株式を買わせるよりも、売らせる方が簡単に利益が出せると言えます。

次は、実際に機関投資家の空売り後に下落した銘柄「ワコム(6727)」をご紹介します。

空売り後に下落した銘柄「ワコム(6727)」

職業として株式投資を行う機関投資家による空売りは、市場にどれほどの影響があるのでしょうか?実際に有名な機関投資家である「ゴールドマン・サックス証券」の空売り後に下落した銘柄「ワコム(6727)」を見てみましょう。

ワコム(6727)の株価チャート画像

ワコムは、世界シェアが首位のペンタブレットを主軸に、他社製PCやモバイル端末向けの電子ペンシステムを手掛けている企業です。この企業は、2014年5月と2015年3月にゴールドマンサックス証券によって空売りされ、いずれもその後に株価が下落しました。

この当時、ネガティブな材料がないのに株価が低調だったワコムへの空売りは、個人投資家の買いでは当然支えきれず、下落を更に加速させる要因となりました。このことから、運用金額・銘柄選定基準の違いでも述べたように、巨額の運用資金からなる機関投資家の空売りは、株価に大きな影響を与えます。

機関投資家は、優れた人脈や情報網から充分な下調べを行い、独自の根拠持ったうえで資金をつぎ込むため、機関投資家の空売りには注意が必要です。

しかし、注意するといっても具体的にはどうすれば良いのでしょうか?次は、機関投資家の空売り銘柄を確認できる情報をご紹介します。

機関投資家の空売り銘柄を確認できる情報

機関投資家の空売り銘柄は、日本取引所グループの「空売り残高に関する情報」で確認できます。このサイトでは、空売りされている銘柄・空売りしている投資家・空売りされた年月日・空売り残高数量を見れば、いつ誰がどの銘柄を、どのぐらい空売りしたかが1日単位での確認が可能です。

注意点としては、「有価証券の取引き等の規制に関する内閣命令」に基づき空売り残高割合が0.5%以上の銘柄のみ記載されているため、全銘柄の空売り残高が載っているわけではないことです。

また、上記のサイトだと1日単位でしか空売り残高を見られませんが、「karauri.net - 空売り残高情報を検索」で気になる銘柄を検索すると、銘柄単位で空売り残高の履歴を確認できます。

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空売り残高とは?

「空売り残高」とは、空売りされた株式のうち、まだ買い戻されていない株式のことです。

空売り残高が多く積み上げられている株式は、市場参加者にこれから下落する可能性が高いと思われていることになります。しかし、空売りをしたら決済時に必ず買い戻す必要があるため、空売り残高の増加は、未来の買い需要増加に繋がるとも言えます。

では、情報を確認したうえで、自分の保有する銘柄が空売りされていたらどうすれば良いのでしょうか?次は、機関投資家の空売り銘柄を保有していた場合の対処法をご紹介します。

空売り銘柄を保有していた場合

機関投資家の空売り銘柄を保有していた場合、ある程度の含み損を予想した長期取引でなければ、売却して手放すべきです。

株式市場のプロである機関投資家が空売りを仕掛けてくる以上は、利益を出す根拠があり、運用金額で勝る相手に正面から勝負しても負ける可能性が高いと言えるからです。また、手放すといっても即座に売却するのではなく、なるべく含み益が大きいまたは、含み損が少ない時を待って売却します。

しかし、信用買い残高が多く積みあがっている銘柄は、特に注意が必要です。下落に耐えていた投資家の損切などから、売りが売りを呼ぶ相場になり、株価の大幅な下落が起こる可能性があります。

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信用買い残高とは?

「信用買い残高」とは「信用買い(証券会社からお金を借りて株式を購入すること)」で購入した株式のうち、まだ売却されていない株式のことです。

空売り残高とは逆に、信用買い残高が積みあがっている株式は、市場参加者にこれから上昇すると見られています。

信用買いも空売りと同様に、決済時に必ず売却する必要があるため、信用買い残高の増加は、未来の売り需要が増加に繋がるとも言えます。

もし、株式市場への影響力が大きい機関投資家を味方にできるとしたら、それほど心強いことはありませんよね。次は、大口・機関投資家の動向を知るために役立つ情報3選をご紹介します。

大口・機関投資家の動向を知るために役立つ情報3選

株式市場において、最大の買い需要となり、大きな影響を与えるのは、大口・機関投資家の動向です。

厳格な売買ルールのもと、しっかり下調べを行った機関投資家の売買動向が確認できれば、個人投資家の取引に役立てることができます。ここでは、機関投資家の動向を確認するメリットや、実際に機関投資家の保有している銘柄、売買の優勢度を確認できる情報をご紹介します。

機関投資家の動向を確認するメリット

機関投資家の動向を確認するメリットは、プロが選定した銘柄を自分の売買に活かせることです。

機関投資家の定義で述べたように、投資のプロである機関投資家は、充分な下調べ・厳格な売買ルールから、リスクとリターンを考え抜いた信用度の高い取引を行っています。また、巨額の運用資金によって、市場のトレンドを作り出す引き金的な役割も担っています。

つまり、機関投資家の動向を確認することで、資金力や情報力で負ける個人投資家であっても、大口投資家を味方につけ、株式投資で利益をあげるための近道になります。

海外機関投資家の株式売買動向を知る「投資部門別売買状況」

投資部門別売買状況の画像

出典:投資部門別売買状況|日本取引所グループhttps://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/

投資部門別売買状況」は投資家別の売買動向を知るための情報です。週間・月間・年間で買いと売りの取引株数と金額の合計を見て、投資家がどのくらい取引を行っているのか、売買の活発度がわかります。

法人・個人・海外投資家・証券会社の売買動向が公開されていますが、特に影響力の大きい海外投資家に注目して見てみましょう。上記の画像を見ると、9月18日~9月21日から9月25日~9月28日にかけて、売買合計が減少しているため、前週よりも市場が落ち着いてきていると判断できます。

日本株の年間売買代金のうち、60%以上を占める海外投資家の動向は、株式市場全体の動きを掴むためにも抑えておきたい情報の1つです。

業種ごとの資金流入の度合いを表す「業種別ランキング」

株マップの業種別ランキング(2018/10/11)の画像

出典:業種別指数ランキング < 市場分析 | 株マップhttps://jp.kabumap.com/servlets/kabumap/Action?SRC=marketIndustry/base

業種別ランキングは、どこの業種が買われているか、どの業種に資金が流れているかを知るための情報です。各証券会社が提供しているツールやサイトから入手でき、証券会社によって多少の違いはありますが、業種ごとに当日・週間・月間などの騰落率や騰落幅がわかります。

資金の集まっている業種がわかれば、買われている要因を見つけやすくなります。しかし、買われている業種がどこかだけでは、どの銘柄を買えば良いかが明確になりません。

次は、機関投資家が保有している株式がわかる「大量保有報告書」をご紹介します。

機関投資家の注目している株式がわかる「大量保有報告書」

株式発行総数の5%以上を保有している投資家情報を開示する大量保有報告書の画像

出典:大量保有報告書データベース - M&A Onlinehttps://maonline.jp/pro/shareholding_reports

大量保有報告書」は、株式を大量保有している投資家を公開する開示制度のことです。金融商品取引法には、上場企業の株式を5%を超えて保有した者は、5営業日以内に大量保有報告書を提出しなければならないという「5%ルール」が存在します。

また、提出後に保有割合が1%以上増減した場合や保有目的の変更された場合などには、5営業日以内に変更報告書を提出しなければなりません。運用金額の大きい機関投資家は、この大量保有報告書に記載されることが多いです。

上記サイトでは、大量保有されているか知りたい企業名または保有者名で検索でき、開示された日にちや保有割合を知ることができます。大量保有された日にちやその後の値動き、機関投資家が保有している理由を調査することで、株価上昇が期待できる銘柄かどうか判断する重要な情報の1つになります。

まとめ

機関投資家とは?といった基本的なところから、空売り手口による損失の避け方や機関投資家の動向を知るための情報をご紹介してきましたがいかがでしたか?

個人投資家が株式投資で利益を出し続けるためには、大きな流れに乗ることが重要です。株式市場に対して、多大な影響力を持つ機関投資家の動向を把握することで個人投資家の取引に利用できます。

機関投資家が保有している銘柄・空売りした銘柄を見たときに、その裏にどんな材料が潜んでいるのか?機関投資家の動向を追いながら、自分でも調査を行うことでこれからの株式投資に活かして行きましょう。

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