株初心者にありがちな失敗談と4つの対策

株失敗

「株式投資に興味はあるけど、失敗しないか不安。」
「失敗して多額の借金を抱えるのが怖い。」と思っている方も多いのではないでしょうか?

まず、最初に言っておきたいことは、
株式投資で失敗しても借金をすることはありません。」という事です。
では、なぜ株で失敗すると借金を抱えるなんてイメージがあるのでしょうか?これは、証券会社から資金や株式を借りて取引をする「信用取引」と呼ばれる上級者向けの取引方法と混同しているからだと思われます。投資資金のみで行う「現物取引」であれば、どんなに失敗しても借金を背負うことは絶対にありません

と言っても、大損をすれば借金をすることに繋がるのではないか?と考える方もいると思います。そもそも、株式投資を始めとする投資は、失っても生活に影響のないお金、「余剰資金」で行うことが大前提なんです。損失のリスクを減らすために株の知識を蓄えても、投資資金自体に生活のリスクが掛かっていては元も子もありません。

このページでは、借金とは無縁で堅実な株式投資を行うための知識や、「何となくで買ってしまう」「損切りができない」などを始めとする、初心者の方にありがちな4つの失敗パターン&対策方法をご紹介します。また、損失が出てしまった時に役立つ、株式投資ならではの節税方法もご紹介します。

失敗が怖くて株式投資を始めようか迷っている方の不安解消だけでなく、すでに株式投資を行っている方にもリスクを減らす手段として役立てていただければと思います。

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株初心者にありがちな4つの失敗パターン

株式投資で失敗しないための対策の前に、まず株初心者の方によくある失敗パターンを確認してみましょう。

【パターン1】企業の調査不足

株価とは、会社の業績はもちろんのこと、その時の評判や投資家の心理など、様々な要因が複雑に絡み合って形成されています。しかし、株初心者の方には、業績・評判など企業に関する要因を考えず、「株価が下落しているから買う」「上昇し始めたから買う」といった、単純な値動きのみで売買を判断してしまう方が少なくありません。

いくつもの要因が影響するチャートを見ているのに、1つの判断材料しか持っていないのでは、もちろん成功する確率は非常に低くなるでしょう。自分が投資しようとしている会社がどのような事業を行っていて、どれくらい利益を挙げられているのか、今までの業績から現在の評判はどうなのかを分析する必要があります。そして、それらを総合的に考えた場合に、現在の株価は割安なのか割高なのかを割り出さなければなりません。

実際の失敗談

社会人になりはじめてボーナスをもらい、まずは一番使いやすそうでネットでも取引が可能なマネックス証券の口座を開きました。最初はちょっと得体がしれずこわかったですが、普通に開設することができました。

そこではじめて最初の株を買ってみました。いきなり大きな金額を出すのは抵抗があったので、様子見ということで某不動産会社の株で130円を100株ほどです。ちょうどチャートが谷の一番下になっていたので、またしばらくしたら上がるだろうと思ったのです。

案の定3か月後には130円で購入した株が140円まで上がり、すぐに約1,000円の収益を得ることができました。友人にその話をすると、損することが多いのにそんなに利益を出せたなんてすごいよ、向いていると言われ気分の良くなった私は、また同じように谷の一番下になっている株を適当に探して某飲食店の株1,500円を100株ほど買いました。

しかし、今回は思うようになかなか株は上がらず、それどころか徐々に下がっていきました。けれどずっと下がり続けることはないだろう、むしろ下がった時にもう一度買っていた方が利益も出るなと思い、追加でさらに1,400円の時に100株買ってしまったのです。

そして、その株はみるみるうちに急降下していき、5年になる今でも結局上がることはなく500円台を推移している状態でいわゆる塩漬けの状態で、自分の浅はかな判断に後悔しています。

出典:FX失敗談・株失敗談まとめブログ

この失敗談では、「株価が下がっている」という理由だけで購入してしまっていることが失敗の原因となっています。チャートから分析する方法として、短期投資でよく使われる「テクニカル分析」がありますが、これは株価の変動パターンと経験則から分析するもので、この体験談のような単純な値動きだけで判断することとは大きく異なります。

短期投資はリスクも高いことから、初心者の方は中長期投資から始め、投資先の企業価値を分析するファンダメンタル分析を行うことが望ましいのではないでしょうか。

【パターン2】市場や流行だけを見て投資する

「今はスマホの時代、アプリが流行している」「AIが発達して仕事を任せるようになる」などの話題を耳にすると、投資家であればやはり投資対象として気になりますよね?

しかし、「流行している分野だから」という根拠で投資すると痛い目を見るかもしれません。現にアプリ市場は今盛り上がりを見せていますが、流行している分野だからこそ、参入する企業も増えてきます

つまり、成功する企業が増える一方で、失敗・撤退する企業も存在し、もちろん全ての企業が成功するわけではありません。さらに、流行している分野は多くの人が投資対象として見ることから、トレードが活発化し株価の変動が激しくなるというリスクも持っています。

実際の失敗談

100万ほど貯蓄があり、時は不景気の真っただ中だったんで金利も低いままだったし何か投資をしようと思い、考えたのが株式取引でした。

条件は、東証一部、成長産業、100万円以内、今までの取引を見て、どちらかと言えば下がっているという銘柄から探し出して投資しようと考えました。それで見つけたのが株価が500円前後で直近の高値が1,500円、コンピューター関係という、まさに条件を兼ね備えた銘柄でした。

これだと思い、500円指値で買いを出したら2,000株、直ぐ購入出来ました。丁度ダウも株価も下がり幅が大きく、そろそろ反転相場になるだろうと言われていたころでしたのでいつ上がるかとドキドキしながら待っていたら、購入後丁度1か月後に今まで徐々に上がっていて600円迄上がっていたんですが急に株価が下がり始めまして、何事かと思ったらその日のうちに会社更生法を申請し整理ポストに入りあっという間に売り気配のまま値が下がりやっと値段が付いたかと思ったら10円位じゃなかったかなと記憶しています。

出典:FX失敗談・株失敗談まとめブログ

この失敗談では、株価と分野を重視するあまり、会社の経済状況などを分析せずに投資してしまったのではないでしょうか?「分野で決める」のではなく、「分野で絞り込み、企業で決める」ことが大切です。あくまで「企業」に投資することを意識して投資先を見極め、将来に期待できる企業に投資しましょう。

【パターン3】投資した根拠がブレる

投資した根拠が無くなっても、「もしかしたら値上がるかも知れない」という根拠の無い希望で株を持ち続けてしまうことはありませんか?しかし、根拠が無くなったのに保有し続けることは損失のリスクを増やすことになります。

具体的な例では、スティーブジョブズCEOのカリスマ性を根拠に投資している人が多かった「米アップル社」です。健康面を考慮してスティーブジョブズCEOの休職を発表した際、ジョブス氏の休職で投資根拠が崩れ、売却に踏み切った投資家がいた一方、根拠が崩れたにも関わらず、事業は順調に進むだろうと保有し続けた投資家も多数いました。

その結果、米アップル社の株価はその日の終値から7%以上の下落を見せ、多くの投資家が大損する結果になりました。

実際の失敗談

値上がりランキングにのってくる銘柄は値動きが軽く、株価が下がる時もあっという間に下がります。

さっきまでストップ高に向かっていた銘柄のはずなのに、気付いた時には始値を下回る株価にまでガクンと落ち、負けている事も多かったです。負けを認めたくないがために「損切りしなければ、またもう一度ストップ高に向かうかもしれない」と願いを込めて、見て見ぬフリ作戦でいきました(笑)

出典:株式投資の失敗や悩みをサポート

この失敗談では、「ストップ高に向かっている」と理由で購入し、予想に反して下がって根拠が無くなったにもかかわらず保有してしまったことが失敗の原因となっています。このように、1つの根拠が無くなった時、その根拠が決め手で投資していた人達が売却し、その人数が多ければ株価の下落に繋がります。自分が何故その企業に投資したかを明確に把握し、根拠が無くなったら売却することを心がけましょう。

【パターン4】損切りができない

損切りとは、自分の購入した株の値段が下がった場合、それ以上損失を拡大させないために、売却して損失を確定することを意味します。

株式投資に失敗する人の多くは、この損切りが徹底できていないことが原因だと言われています。テレビ番組などのメディアでも有名な優待名人桐谷さんも損切りが苦手で、投資先の企業が倒産するまで株を保有していた経験は数知れずと語っており、初心者の方だけでなく、中級者、上級者の方でも失敗の原因になっています。

確かに、損をすると分かっていて株を売却するのは、非常に勇気が必要な行動です。しかし、損失を最小限に抑えて、他の投資先に回せる資金を確保し、投資活動を長く続けられるようにすることが「成功する一番のカギ」ではないでしょうか。

実際の失敗談

せっかく貯めたお金を全額投資して失敗しました。

もう十年も前ですが、3社の株を買い、すぐに資金が1.5倍になりました。
調子に乗って、次に全額を1社に投資したら長期低迷で塩漬け
身動きが取れなくなってしまいました
しばらくして、損失のまま売却し、身をもって損切りの大切さを学びました。
そのときは、損切りなんて言葉も知りませんでしたから、やむにやまれずです。

出典:Yahoo知恵袋

この失敗談では、損切りができずに長期保有する「塩漬け」の状態が続いてしまい、資金が拘束されたことで他の銘柄に投資することができなくなっています。メンタル面の問題になるので、どうしても難しいとは思いますが、損切りラインを徹底して、機械的に損切りをすることに慣れなければなりません。

以上、初心者の方にありがちな4つの失敗パターンをご紹介しましたが、どうすればこのような失敗がなくなるのでしょうか?次は、これらの失敗パターンに沿った対策方法をご紹介します。

株式投資で失敗しない4つの対策

それでは、このような失敗を無くすにはどうすればいいのでしょうか?実は、これらの失敗は投資前の「企業調査」と、投資後の「メンタル」だけで対策できるんです。

【対策1】ファンダメンタルズ分析を行う

ファンダメンタルズ分析とは、財務状況や業績を元に「企業の価値」を分析する方法です。今の株価が企業の価値に見合っているか、今後の成長が期待できるかなどを分析することができ、主に中期・長期の投資で重要視されます。

また、株価の変動パターンを見てこれまでの経験則から分析することをテクニカル分析と呼び、こちらは主に短期での株取引を行うデイトレーダーに重要視される分析方法です。

今回は、投資の神様とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏が特に重要視している「EPS」と「ROE」をご紹介します。

EPS(1株当たりの利益)を使って成長企業・株を見つける

EPS」とは、Earnings Per Shareの略で「1株当たりの利益」を意味し、「その企業が一年間に上げた利益」を「発行している株式総数」で割って算出します。

例)1,000万株の株式を発行している会社が、年間に30億円の利益をあげた場合
30億円(年間の利益)÷ 1,000万株(株式総数)= 300円(EPS・1株当たりの利益)

1株ごとの配当金がEPS以下であれば、きちんと企業の利益の中から分配できているということになり、逆に配当金がEPSより高い場合、充分な利益を得られていないということが読み取れます。また、EPSが順調に増えている企業は安定的に収益をあげることができており、成長中の企業と言えるので、投資先を決めるうえでの重要な指標になります。

ROE(株主資本利益率)から投資効率の良い企業・株を見つける

ROE」とは、Return On Equityの略で「株主資本利益率」を意味し、「その企業が一年間に上げた利益」を「株主資本」で割って算出します。

株主が出資したお金は株主資本(自己資本)と呼ばれます。ROEは、この株主資本に対して企業がどれだけの利益をあげたか、つまり、株主資本がどれだけ効率よく使われているかが分かる指標です。株主目線で言うと、「ROE=投資したときの効率の良さ」ということになり、数字が大きいほど効率は良くなります。

例)株主資本10億円の会社が、年間に2億円の利益をあげた場合
2億円(年間の利益)÷ 10億円(株主資本)= 20%(ROE・株主資本利益率)

日本の株式市場を牽引している海外投資家たちは、このROEを特に重視しており、基本的に8%以上の企業に対して投資をすることが多いそうです。ファンダメンタル分析には、EPSやROEの他にも企業の価値を分析する指標があり、組み合わせて使うことで更に信憑性の高い分析を行うことができます。

しかし、東証一部に上場する企業だけでも2,000を超える中、全ての企業を分析するのは難しいと思います。そこで便利なのが、次にご紹介する「テーマ株」です。

【対策2】あくまで「企業」に投資する

投資は、言うまでもなく「企業」対して行うものです。しかし、流行や話題に流されて思わず「分野」に投資してしまう人も少なくはありません。

数ある企業の中から投資対象を見つけるのは、非常に骨の折れる作業かと思います。そこで便利なのが、現在の流行や話題に関連した銘柄を集めた「テーマ株」です。

例えば、世界中で大ブームを巻き起こしたポケモンGOを例にとると、任天堂はもちろんのこと、大阪でポケモンEXPOジムを運営するサノヤスHD、任天堂とスマホアプリの共同開発を行うDeNAなどが「ポケモンGO関連銘柄」として注目を浴びました。

このように、流行している事柄から連想される企業で絞り込む「テーマ株」や「関連銘柄」ですが、流行に沿っていれば良い訳ではありません。流行や分野は、あくまで企業を絞り込むための手段であり、投資先の決め手は企業の中身でならなくてはいけません

興味のある事業や自分の得意な分野、流行っている事柄などで企業を絞り込み、最終的には、先ほどご紹介したファンダメンタル分析により企業の中身で投資先を決めることが重要です。

そして、投資の決め手となったその根拠が無くなった時、株価が上がる明確な根拠が無い限りは売却することで損失のリスクを減らすことができます。

【対策3】根拠が無くなったら売却する

投資先を決める根拠は、投資家自身や投資先の企業、分野によって様々だと思います。ほとんどの場合、企業の業績や評判、将来性が根拠となって投資をすることから、それを損なう悪材料が発表されれば、ほとんどの投資家が売却に踏み切るでしょう。

1つの根拠が無くなった時、その根拠が決め手で投資していた人が売却し、その人数が多ければ株価の下落に影響します。つまり、根拠が無くなったのに保有し続けることは、損失のリスクを増やすことになるのです。

しかし、根拠が無くなった際に株価が下がっていると、
「経営者が休職したとしても事業はうまくいくはず。」
「予想と違った値動きでも、少し待てば予想通りに軌道修正するかもしれない。」
といった、根拠の無い希望から保有し続けてしまうことも少なくはありません。

根拠の無い投資はギャンブルと同じです。自分が投資をした根拠が本当に続いているのか、購入時の決め手を今一度思い浮かべ、根拠の無い希望にすり替わっていないかを明確に把握する必要があります。

しかし、いくら根拠が続いていても、他の要因により株価が下落することもあると思います。自分の保有する株が下落した場合、「損切り」を上手く活用することで損失を最小限に抑え、投資活動を長く続けることが大切になります。

【対策4】損切りラインを徹底する

前述したように、損切りとは、自分の購入した株の値段が下がった場合、それ以上損失を拡大させないために売却し、損失を確定することを意味します。

この損切りがうまくできない理由の多くは、先ほどご紹介したような「保有していたらまた回復するかもしれない」という根拠の無い希望です。しかし、考えてみてください。さらに下がるかもしれない所にお金を預けて回復を待つより、一旦損失を確定してもっと可能性がある投資先への資金を増やす方が効率的ではありませんか?

損切りをうまくできるようにするには、
「儲けたい・損をしたくない」から「元本を守る」へ視点を切り替える必要があります。

これを実現するためのルールが、「資産の2%に当たる損失が出たら損切り」を徹底することです。これを機械的に行うことで損失の大きさを回復できる範囲で抑え、投資活動の寿命を長くすることができます。根拠として、下の表をご覧ください。

損失 回復に必要な利益
5% 5.3%
10% 11.1%
15% 17.5%
20% 25.0%
30% 42.9%
50% 100%
60% 150%
90% 900%

5%の損失であれば、残った資金で5.3%の利益を得ることで元本は回復します。しかし、20%、50%と増えていくとどうでしょう。損失が増えるほど回復に必要な利益は飛躍的に増加しており、これほどの利益を簡単にあげて損失を取り戻せるなら、最初から大儲けできているはずです。

現実的に見て資産の5%以内の損失で収めることが前提となり、中でも損切りは2%前後が理想とされています。損失を出さないことよりも、投資活動を長く続けるための視点に切り替えて、うまく損切りと付き合っていきましょう。

以上、初心者にありがちな失敗パターンへの対策をご紹介しましたが、いくら対策を行っても一切失敗無く投資活動を進めるのは難しいかもしれません。
しかし、実は、株式投資は「余剰資金」で「現物取引」を行えば、どんなに大きな失敗をしても借金を背負うリスクがないというのをご存知でしょうか?

株式投資はどんなに失敗しても借金は抱えない

よく、株で失敗した人が多額の借金を抱えてしまうなんてことを耳にすると思います。しかし、株価は株の「価格」です。価格が0円以下になることはないので、仮に100万円で買って0円で売っても、損失は最大100万円です。つまり、本来、株取引はいくら失敗・大損しても投資した資金以上の損失を被ることは無いんです。

では、なぜ株で失敗した人が借金を抱えるというイメージが広がっているのでしょうか。
一番は、証券会社から資金、または株式を借りて取引をする「信用取引」という取引方法と混同している人が多いからだと思われます。また、失っても生活に影響のない「余剰資金」のみで投資を行わなかった人が、間接的に株の失敗で借金が必要になるケースがあるからなんです。

投資は余剰資金で行う

余剰資金とは、簡単に言うと当分使う予定がなく、仮に無くなっても生活には影響しない資金です。

資金は、一般的に「生活費」「生活防衛費」「余剰資金」の3つに分けられます。

生活費 生活するための資金で基本的に1ヶ月分を指す。そもそもの生活ができなくなるため、絶対に失ってはいけない資金。
生活防衛費 急な出費や、収入が無くなった時のことを考えて蓄えておく資金。一般的に生活費の3ヶ月~半年分と言われているが、中には100万円と決めている人など、人によって様々。
余剰資金 仮に無くなっても生活には影響しない資金。特に、使う予定が5年以上先の資金が投資に向いているとされており、5年以内に使う予定のある資金はローリスクな運用が適切と言われてる。

株式投資は失敗しても0円以下にはなりません。しかし、生活費や生活防衛費を使った投資で失敗してしまうと、株のためではなく生活のために借金をしなければならなくなったり、自宅や自動車などの資産を売ることになる可能性もあります無駄な焦りを誘発することなく、堅実に冷静な判断ができるという面でも、投資には余剰資金が適切と考えられます。

信用取引は借金と同義

自己資金のみで行う取引を現物取引と呼ぶ一方、証券会社から資金や株式を借りて、自己資金以上の額で行う取引を信用取引と呼びます。信用取引は、最大で自己資金の3.3倍の額を取引で扱うことができ、大きな利益が期待できる一方、損失も大きくなるリスクを背負った上級者向けの取引方法です。

現物取引と信用取引画像

現物取引の場合、100万円の自己資金で株価が半分になると損失額は50万円です。しかし、仮に100万円の自己資金で3倍の信用取引を行うと、300万円が扱える代わりに株価が半分になったときの損失額は150万円。損失額が払えない場合、50万円分の借金をしなくてはなりません。

また、株式投資の信用取引では、証券会社から株式を借りて「売り」から始める取引方法も存在します。これは、株価が高いときに株式を借りて売り、安くなった時に買い戻して返却する「空売り」と呼ばれる方法です。

不景気、下げ相場での利益が狙えるというメリットがありますが、株価が下落すれば利益が出るという性質上、空売りの損失額は無限に増える恐れがあります。価格の上限は無く、下限は0円というのは、現物取引にとってはメリットですが、空売りに関しては大きなデメリットとなります。

信用取引は、大きな利益を得られる可能性がある一方、損失額ももちろん大きくなり、非常にリスクの高い取引方法です。そのリスクを上手くコントロールして自分の利益に繋げることで、少ない資金で大きな収益が期待できます。

余剰資金での現物取引を心がければ借金をすることはありません。
しかし、損失を出さずに毎年プラス収支で終えることは難しいかもしれません。もし、マイナスで一年を終えた場合は確定申告を行い、損失を活用した節税方法で無駄な支出を減らし、大切な利益を守りましょう。

株で損失が出たら確定申告で節税

毎年プラス収支で終わらせることがもちろん一番ですが、1年を通して損失が残ることもあると思います。その場合、翌年の投資を有利にするために、そして今回の損失を無駄にしないためにも、その損失を節税に使うことをお勧めします。

節税することで払わなくてはならなかった税金が節約できる、つまりその分利益を得られることと同じ意味を持ちます。

損益通算

株取引での利益をキャピタルゲイン、損失をキャピタルロス、配当での利益をインカムゲインと呼びます。これらの利益と損失を相殺することで、税金の払い過ぎを防ぐ方法が損益通算です。

・キャピタルロス+キャピタルゲイン
まず、キャピタルゲインとキャピタルロスのどちらもが存在するとき。これは、口座を2つ以上持っている時に起こりうることです。口座Aで50万円の利益、口座Bで50万円の損失が出た場合、本来は50万円に対して税金がかかります。しかし、損益通算を行ってこれらを相殺することで、実質の利益は0円となるので税金はかかりません

損益通算イメージ画像1

・キャピタルロス+インカムゲイン

また、インカムゲインで損失を相殺することも可能です。配当金でのインカムゲインが30万円の年に20万円のキャピタルロスが出たとします。この場合、本来は配当所得の30万円に税金がかかりますが、20万円の損失で相殺することで、10万円の利益に対しての税金で済むようになります。

損益通算イメージ画像2

本来:30万円×20.315%=60,945円
相殺した場合:10万円×20.315%=20,315円
となり、払いすぎた税金40,630円が返ってきます

繰越控除

損益通算を行ってもなお損失が残る場合、繰越控除を行うことで3年間その損失を繰り越すことができます。

繰越控除画像

上図のように、3年間その損失を保有するという形で繰り越すことで利益が差し引かれ、
税金を無くすことが可能です。

税金を減らす事=利益を増やす事。これを思えばいかに節税が大切か分かると思います。面倒くさいから少し多めの税金を払ってもいいとは思わず、しっかり節税して利益を増やしましょう。

まとめ

今回、初心者にありがちな4つの失敗パターンとその対策方法をご紹介しましたが、これらの対策を意識して投資活動を進めれば、同じ失敗パターンを犯すことは少なくなる、または、失敗しても対応できるのではないでしょうか。

中長期投資におけるファンダメンタル分析は、初歩的で必須とされながらも覚えることが多いですが、企業価値を分析せずに投資をしてしまうと、買い時や売り時を的確に判断することも難しくなってきます。基本的な部分から実践し、損切りラインを徹底して堅実な投資を目指しましょう。

大切な運用資産を守りながら、長く投資活動を続けていくことで、掴めるチャンスも増えると思います。