権利確定日・権利落ち日とは?カレンダーを使った簡単な調べ方

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株主優待や配当金目的の投資を行う場合、必ず目にする言葉が「権利確定日」です。権利確定日とは、株主として株主名簿に記載される日です。株主名簿に記載されることで優待・配当を受け取る権利が確定するので、権利確定日と呼びます

他にも、権利付き最終日権利落ち日は、優待・配当金を受け取る権利を得るために重要な日になります。このページでは、権利付き最終日・権利落ち日・権利確定日の解説に加え、これらに関係する値動きを利用した売買タイミングをご紹介します。

また、よく「タダで株主優待がもらえる」と紹介される「クロス取引」ですが、実はタダでは無いうえに思わぬ損をする落とし穴も潜んでいるので、その注意点と対策方法もご紹介!

売却益を狙う一般的な株式投資とは一味違った「優待を楽しむための投資」を低リスクで行えるようお役立てください。

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権利確定日と権利付き最終日・権利落ち日

配当金や株主優待を目的に投資する場合、「権利確定日」や「権利付き最終日」という言葉を目にすると思います。名前が似ていて少しややこしいと思うかもしれませんが、これらを覚えていないと思いがけない損をすることもあるので是非覚えてください。

権利確定日とは

権利確定日とは、株主として株主名簿に記載される日で、株主名簿に記載されることで配当金や株主優待を受け取る権利を得ることができます。多くの場合、各企業の決算月末日が権利確定日に該当します。

しかし、権利確定日に株主名簿に記載されるためには、次にご紹介する「権利付き最終日」に株を保有している必要があります

権利付き最終日・権利落ち日とは

権利付き最終日に株を保有していることが、権利確定日に株主名簿に記載される条件で、「権利付き最終日は、権利確定日の3営業日前」です。

つまり、権利付き最終日にさえ株を持っていれば、優待や配当を受ける権利が得られるので、翌日には売ってしまっても大丈夫です。この株を売っても大丈夫な日を「権利落ち日」と呼び、権利付き最終日に株を買って、権利落ち日に株を売っても優待や配当を受け取ることができます。

「権利付き最終日は、権利確定日の3営業日前」ですが、祝日や土日を挟む場合少し戸惑うかもしれません。次は、実際の取引で失敗しないよう、具体的に権利確定日・権利付き最終日のパターンを確認してみましょう。

「権利付き最終日・権利落ち日・権利確定日のパターン」をカレンダーで解説

実際に権利確定日・権利付き最終日を確認しようとすると、祝日や土日を挟んだ場合少し戸惑うかもしれません。しかし、「3営業日前は、休日をカウントせず3日前」と考えればややこしく感じることもありません。

平日パターン
権利付き最終日から権利確定日が平日続きのパターンです。

                                                                                                                                                                    
27日28日
権利付き最終日
29日
権利落ち日
30日31日
権利確定日
1日(翌月)2日

土日や祝日を挟むパターン
権利付き最終日から権利確定日の間に土日や祝日の両方を挟むパターンです。土日や祝日は営業日にカウントしません

20日 21日 22日 23日 24日 25日
権利付き最終日
26日
27日 28日
権利落ち日
29日 30日
(祝日)
31日
権利確定日
1日(翌月) 2日

月末が土日のパターン
権権利確定日である月末が土日のパターンです。この場合、権利確定日が繰り上げとなり、金曜日が権利確定日となります。

24日 25日 26日
権利付き最終日
27日
権利落ち日
28日 29日
権利確定日
30日
31日 1日(翌月) 2日 3日 4日 5日 6日

12月は要注意!大晦日は休業日
大晦日は取引所が休業日なので、12月は31日が平日でも権利確定日が繰り上げされます。

26日 27日
権利付き最終日
28日
権利落ち日
29日 30日
権利確定日
31日
(大晦日)
1日(翌月)

さまざまなパターンをご紹介しましたがいかがでしょうか?「3営業日前は、休日をカウントせず3日前」を意識すれば勘違いで失敗することもありません。しかし、最後にご紹介した12月は注意が必要です。

次では、2018年の各月の権利確定日・権利付き最終日を一覧でまとめています。

【2018年版】権利付き最終日・権利落ち日・権利確定日一覧

ここでは、2018年の権利確定日・権利付き最終日を記載しています。月ごとに一目で確認できるので、是非お役立てください。

2018年 権利付き最終日 権利付き落ち日 権利確定日
1月 26日(金) 29日(月) 31日(水)
2月 23日(金) 26日(月) 28日(水)
3月 27日(火) 28日(水) 30日(金)
4月 24日(火) 25日(水) 27日(金)
5月 28日(月) 29日(火) 31日(木)
6月 26日(火) 27日(水) 29日(金)
7月 26日(木) 27日(金) 31日(火)
8月 28日(火) 29日(水) 31日(金)
9月 25日(火) 26日(水) 28日(金)
10月 26日(金) 29日(月) 31日(水)
11月 27日(火) 28日(水) 30日(金)
12月 25日(火) 26日(水) 28日(金)

権利付き最終日と権利落ち日の株価変動を利用した「買うタイミング」と「売るタイミング」

これまでにご紹介した権利確定日・権利付き最終日の知識を踏まえると、「権利付き最終日に株を保有していればいい」という印象を受けると思います。優待・配当金を得るためにはそれでいいのですが、どうせ投資するならコストを少なく有利に進めたいですよね?

株主優待のある銘柄の基本的な値動きとして、権利付き最終日には、株主優待を目当てに購入する投資家が増え、権利落ち日には、株主権利を得た投資家が株を手放すことから、「権利付き最終日は株価が上昇しやすく、権利落ち日には下落しやすい」という傾向があります。

つまり、権利付き最終日付近に銘柄を購入してしまうと、本来より高値で掴んでしまうことが多く、実質損をしてしまっている投資家も少なくありません。優待目的でも売却益目的でも、この値動きを利用して効率的でリスクの少ない方法で投資しましょう。

株主優待・配当金目的の場合

一番簡単な方法は、株価が下落しやすい権利落ち日に購入し、次の株主優待を受け取ることです。この場合、中間配当があれば半年、期末のみの配当であれば1年間株を保有する必要があり、利益を得るまでの期間が長いというデメリットがあります。しかし、材料やニュースを考えずに比較的簡単に安い値段で購入することができるので、初心者の方でも実践しやすい方法です。

保有期間を短くすることで他の投資対象へ回す資金を増やしたいという場合は、少なくとも権利付き最終日の2ヶ月前くらいに購入しておくことで、高値で掴んでしまうリスクを削減できます。また、悪材料などで株価が値下がったタイミングで購入することで利回りの高い投資が実現できますが、取り返しのつく悪材料なのか、再び株価が戻る可能性があるのか注意が必要です。

売却益目的の場合

売却益目的の場合、同じように権利付き最終日の2ヶ月前に購入しておいて、権利付き最終日付近の株価上昇タイミングで売るという方法があります。

また、逆に売りから入る方法として、株価が上昇している権利付き最終日に空売りし、権利落ち日の下落したタイミングで買い戻すという方法もあります。しかし、信用取引はリスクの高い上級者向けの取引となるので注意が必要です。

株主優待を安く手に入れる方法、値動きを利用した売却益をご紹介しましたが、いくら安く株主優待を手に入れても、権利落ち日の株価下落で損をしてしまうリスクは潜んでいます。そこで、次は「株価の下落リスクを回避して、株主優待をローリスクで受け取る方法」をご紹介します。

権利落ち日の株価下落リスクを回避!空売りを使ってお得に株主優待を受け取る方法

優待を受け取る権利は得たものの、権利落ち日の株価下落で売却損・含み損でマイナスになってしまっては元も子もありませんよね。

ここでは、株価下落のリスクを回避し、ローリスクで株主優待を受け取れる取引方法とその注意点をご紹介します。

「クロス取引(つなぎ売り)」のやり方

クロス取引(つなぎ売り)」は、現物買いと同時に空売りすることで、株価が下落した時の差分を相殺する取引方法です。空売りとは、証券会社から株を借りて売った後、株価が下落した時に買い戻すことで利益を得る取引方法です。逆に株価が上昇すると損失が発生します。

例えば、株価1,000円で100株購入し、権利落ち日に900円で売却したとします。この場合、株主優待と配当金を受け取る権利は得たものの、1万円の売却損が発生してしまいます。

現物買い10,000円・現物売り9,000円で1,000円の損失通常取引の例の画像

これがクロス取引の場合、株価1,000円の段階で100株購入すると同時に、100株の空売りも行います。すると、権利落ち日に株価が900円に下落しても、現物取引で1万円の損失、空売りで1万円の利益となるので、株価下落に伴う損失を相殺することができます。これにより、株価変動によって損するリスクを回避しつつ株主優待を受け取る権利が得られます。

クロス取引(現物取引と信用取引を同時に行い損益を0円にする)の画像

しかし、一見タダで株主優待を受け取れるように思えますが、株取引には手数料などのコストがかかるので注意が必要です。

思わぬ落とし穴!「クロス取引」に掛かるコストと対策

一見、タダで株主優待を受け取れるように見える「クロス取引」ですが、実は手数料や金利など様々なコストを考慮しなければ思わぬ損をしてしまう可能性もあります。ここでは、クロス取引に掛かるコストとそれらを削減する対策をご紹介します。

取引手数料(売買手数料)

株取引は証券会社が仲介するため取引手数料が発生します。1回1回の取引手数料を見ると安く見えますが、株主優待で得られる利益と比較して収支の割合を考えると無視できるコストではありません。また、取引する銘柄が複数あったり、優待銘柄を毎月狙うとなれば手数料の額も大きくなります。

この対策として、手数料の安い証券会社を選ぶことが挙げられます。証券会社によって手数料の強みが違うので、自分の投資スタイルに合った証券会社を利用するためにも、こちらのネット証券手数料比較をご参照ください。

株のレンタル料「貸株料」

クロス取引に用いる空売りには、株を借りることに対する金利貸株料」が発生し、証券会社から株を借りた日数分の費用を払う必要があります。

先ほどと同じく、貸株料の安い証券会社を選ぶことでコストを減らすことができますが、クロス取引の場合保有する期間は短く、証券会社による違いもそこまでないので、取引手数料との兼ね合いで決めるのがよいでしょう。以下が主なネット証券の貸株料比較になります。

証券会社 賃貸料(年利)
楽天証券 1.10%
GMO証券 1.10%
ライブスター証券 1.10%
SBI証券 1.15%
岡三オンライン証券 2.00%
  • 貸株料の計算方法

貸株料は年利で表され、日割り計算で適用されます。また、土日や祝日などの休業日もカウントされるのでご注意ください。

例)貸株料が1.10%の証券会社で30万円の株を空売りをした時の5日間のコスト
30万円 × 1.10% ÷ 365日 × 5日 = 約45円となります。

配当金を支払う?「配当落調整金」

普通、株を保有した状態で権利付き最終日を迎えると配当金を受け取る権利が得られます。しかし、買建玉を保有している人(信用取引で株を買ってまだ未決済の人)は、配当金を受け取る権利が得られません。

このような、株を買ったのに配当金が得られない状態を調整するのが「配当落調整金」で、これは売建玉を保有している人(信用取引で株を空売りしてまだ未決済の人)が支払います

配当落ち調整金のパターン

権利付き最終日から権利落ち日にかけて、

  • 現物株を保有していた人:通常通り配当金を受け取る。
  • 買建玉を保有していた人:配当金の代わりに「配当落調整金」を受け取る。
  • 売建玉を保有していた人:「配当落調整金」を支払う。

配当金は20.315%の税金を引いた金額(配当金の79.685%)を受け取るのに対し、「配当落調整金」は非課税なので配当金の100%を受け取ることができます。つまり、売建玉を保有していた人は、配当金の100%を支払わなければなりません。

クロス取引は、現物株と売建玉を保有した状態なので、「配当金(79.685%)」を受け取って「配当落調整金(100%)」を支払うことになります。

配当金が50円の株を100株クロス取引したとすると、

  • 配当金:50円 × 100株 × 79.685% = 3,984円(1円未満切り捨て)
  • 配当落調整金:50円 × 100株 ×100% = 5,000円
  • 収支:3,984円 - 5,000円 = -1,016円

となり、1,016円のコストがかかります。

この対策として、確定申告で損益通算をすることで、配当金と配当落調整金を相殺する方法があります。損益通算とは、株式取引での利益と損失を合計し、税金の払い過ぎを防ぐ方法です。

損失(配当落ち調整金)‐5,000円と利益(配当金)+3,984円を相殺して税金がかからないようにする損益通算の画像

損失に税金はかからないので、このように配当金と配当落調整金を相殺することで、無駄に払った税金が還付されます。つまり、先ほど払った1,016円のコストが返って来るので実質コストゼロにすることができます。「特定口座(源泉徴収有り)」を使っていればこの計算を自動でやってくれるので便利でしょう

【要注意】「逆日歩(ぎゃくひぶ)」

空売りは、証券会社から株を借りて売却する取引方法です。よって、多くの投資家が同じ銘柄を空売りした場合、証券会社が貸し出す株が不足することがあります。この時に発生する金利が「逆日歩(ぎゃくひぶ)」です。

過去には1株あたり1,000円以上の逆日歩が発生した事例もあり、この時100株借りていた場合10万円もの逆日歩を払うことになってしまいます。このような思わぬ損をしないための対策は、「一般信用取引」でクロス取引を行うことです。

信用取引には、「制度信用取引」と「一般信用取引」があり、「一般信用取引」では逆日歩が発生する心配がありません

制度信用取引 一般信用取引
対象銘柄 証券取引所によって選定された「制度信用銘柄」が対象 証券会社によって選定された銘柄が対象
返済期限 6ヶ月以内 数日~無期限
信用買い 可能 可能
信用売り
(空売り)
「貸借銘柄」のみ可能 一部の証券会社で可能
逆日歩 発生する 発生しない

このように、制度信用取引のルールは証券取引所によって制定されているため、返済期限が6ヶ月で逆日歩が発生します。一方、一般信用取引の場合は、証券会社の自由なので逆日歩は発生せず、期限も様々です。

また、制度信用取引でクロス取引を行う場合にできる対策は、優待ランキングなどに載っている人気銘柄ではクロス取引を行わないことです。証券会社が貸し出す株が不足しなければ、逆日歩は発生しません。雑誌や株サイトで紹介された銘柄は多くの投資家に注目され、人気銘柄となるので注意が必要です。

一見、タダで優待が受け取れてノーリスクに見える「クロス取引」ですが、掘り下げてみると実は様々なコスト・リスクが存在します。しかし、最終的にプラス収支となるよう、クロス取引に掛かるコストと株主優待を比較してから投資すれば、手数料分で優待が受け取れてローリスクな取引方法なので、是非活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

権利確定日とは何か?といった基本的な部分から、実際の取引に使えるテクニックまでご紹介してきました。

権利確定日や権利付き最終日は少しややこしい部分もありますが、優待や配当金を目的とした投資だけでなく、値動きを利用すれば売却益を得る事にも役立つので、是非頭の隅に置いておきたい情報です。

権利確定日・権利付き最終日を把握して、一般的な短期投資・長期投資とは一味違った「優待を楽しむための投資」も試してみてはいかがでしょうか。