資産を保有しているだけで利益が得られる「インカムゲイン」。株式投資や不動産投資を始めとする様々な資産運用で得られるインカムゲインは、1度投資すれば放置で利益が得られる理想の収益モデルと言えるでしょう。
資産価値の上下に影響されにくい安定的な利益を実現すべく、インカムゲインの特徴やリスク、インカムゲインを得るための様々な運用方法をご紹介します。さらに、大切な利益を守るため、知っている人だけが得をする節税方法もご紹介。
銀行の年利が非常に低い今、大切な資産は「運用することで本当の価値を見出せます」。このページでご紹介する様々なインカムゲイン投資を参考に、あなたの生活サイクルに合った資産の運用方法を是非みつけて下さい。
目次

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インカムゲインとは?
インカムゲインとは、資産を保有しているだけで得らえる利益のことです。例えば、株式投資であれば配当金、FXであればスワップポイント、不動産投資であれば家賃収入などがこのインカムゲインにあたります。
具体的に株式投資を例に説明すると、業績が好調な企業の株を長く持っていれば、その企業の利益に応じた報酬(配当金)を年1、2回もらうことができます。この配当金は業績によって増額・減額されますが、逆に株主が払うなんてことにはなりません。つまり、損失のリスクが非常に低く、資産が減りづらいという特徴を持っています。
損失のリスクを低くした上で、安定した利益を狙えるインカムゲインの特徴から、どちらかというと、堅実な運用目的の投資家に好まれる方法といえます。
インカムゲインが資産を保有し続けることで利益を得る一方、資産価値の変動を利用して売却益を得る方法のことをキャピタルゲインといいます。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、株式や不動産など保有している資産を売却することで得られる利益のことです。このキャピタルゲインは、資産を購入した時より価値が上がったときに売却して、その差額を利益とすることから、売却益・値上がり益とも呼ばれています。
また反対に、資産を売却したことで損失が発生してしまった場合のことを「キャピタルロス」といいます。短期間で大きな利益が期待できることから、多くの投資家がキャピタルゲインを目的に投資をしています。
インカムゲインとキャピタルゲインの違い
キャピタルゲインとインカムゲインの大きな違いは、リスクとリターンです。

インカムゲインは資産を保有している間は安定して利益を得ることができ、価値の上下があまり影響しなことからリスクが少ない投資法です。しかし、その利益は小さく収まってしまうことから、ローリスクローリターンな投資法といえます。

一方、キャピタルゲインは、資産価値が上がれば短期間で大きな利益が得られる可能性もありますが、逆に価値が下がれば損失(キャピタルロス)が出る場合もあるので、ハイリスクハイリターンな投資法といえます。
安定した堅実な資産運用が実現できるインカムゲイン、短期間で大きな利益が期待できるがリスクも大きいキャピタルゲイン。どのような目的を持って投資を始めるかによって、選択すべき投資法は変わってきます。次は、資産を保有するだけでお金がもらえるインカムゲインの魅力をご紹介します。
放置で資産が増えるインカムゲイン生活の魅力
インカムゲインの最大のメリットは、資産価値の上下に影響されにくく、「時間」を味方につけられることです。これは、あらかじめ長期的な運用計画を立てているからこそ得られるメリットです。
長期投資の場合、キャピタルゲインを狙った短期投資とは違って、多少の下落を気にせず保有し続けることで、インカムゲインを得ながら資産価値の回復を待つことができます。時間によって収益が増え、時間によって問題を解決できることから、安定したインカムゲインが実現されていると言えます。
放置で資産が増える
資産価値の上下に一喜一憂することなく、何もせずに安定した利益を得られるということは、金額によれば何もせずに生活できるということになります。
給与所得に次ぐもう1つの収入の柱としてインカムゲインを得る投資をすることで、若くして退職し、配当金だけで生活を送っている投資家も実際にいるので夢の話ではありません。
また、 安定的に小さな利益が入ってくるインカムゲインは、時間が経つにつれ大きな収益となっていき、人生の中盤から後半にかけて非常に大きな力を発揮します。老後の生活のため、家族に残すためなど、将来的なことを考えると、時間を味方につけたインカムゲインがいかに効果的な投資法かが分かると思います。
資産の拡大を加速させる方法【複利】
1度投資したままインカムゲインを受け取ることを単利、受け取ったインカムゲインを再度投資にあてることを複利と呼びます。この複利を行うことで資産の拡大を加速させることが可能です。
例えば、年利5%で100万円を投資すると、1年に1回5万円のインカムゲインが得られます。単利の場合、毎年5万円のインカムゲインが得られ、30年後の資産は250万円に拡大します。
一方、複利の場合、1年目は5万円、2年目は5万2500円、3年目は5万5125円とインカムゲイン自体が増えていき、30年後の資産はなんと432万1942円にまで拡大します。

ちなみに、複利を行った場合の30年目のインカムゲインは20万5806円。毎年5万円の単利とは比べ物にならない金額の利益となりました。
このように、ちょっとした工夫だけで結果的に資産を大きく増やすことができるのも、インカムゲイン投資ならではの魅力と言えるでしょう。
そんなインカムゲインには、一体どのような運用方法が適しているのでしょうか?
次は、あなたの生活スタイルに合った方法を見つけるためにも、様々な資産運用の方法をご紹介します。
インカムゲインの種類と特徴
安定した利益をローリスクで狙えるインカムゲインは、これから資産運用を始めてみよう!と考える方にとって、非常に魅力的な投資法に映ったのではないでしょうか?
続いて、インカムゲインにはどのような種類があって、一体どれだけの利益が期待できるのか?見ていきましょう。
インカムゲインは、投資した金額や投資先によって受け取れる利益が大きく違ってきます。この利益の還元率を「利回り」といい、この利回りの大きさが投資先を決める重要なポイントになります。
自分の生活スタイルに合った運用方法で、無理なく高い利回りを実現すべく、多種多様なインカムゲイン投資とその特徴をご紹介します。
株式投資
株式投資におけるインカムゲインのことを配当金と呼びます。
この配当金は、年に1~2回、企業の利益に応じて株主に支払われるもので、企業の業績によっては配当金が増えたり(増配)減ったり(減配)、場合によっては支払われない(無配)ケースもあり、投資先の経営状況によってインカムゲインの受取り方が大きく異なります。
また、企業によって支払われる配当金も大きな違いがあるため、企業ごとの配当金の利回りを見て投資先の株を選ぶ必要があります。
気になる利回りはというと、日本の株式投資の平均利回りは2%ほどと言われています。年利0.001%の銀行が多いことを考えると、普通預金で資産を眠らせておくことがいかにもったいないことか分かります。
そして、「2019年2月18日現在の利回りランキング」はこのようになっています。
順位 | 証券コード | 企業名 | 利回り |
---|---|---|---|
1 | 9904 | ベリテ | 7.82% |
2 | 3459 | サムティ・レジデンシャル投資法人 | 7.36% |
3 | 7480 | スズデン | 7.22% |
4 | 8628 | 松井証券 | 7.15% |
5 | 8963 | インヴィンシブル投資法人 | 7.03% |
6 | 3492 | タカラレーベン不動産投資法人 | 6.80% |
7 | 3451 | トーセイ・リート投資法人 | 6.59% |
8 | 3468 | スターアジア不動産投資法人 | 6.56% |
9 | 3470 | マリモ地方創生リート投資法人 | 6.51% |
10 | 3476 | 投資法人みらい | 6.16% |
しかし、利回りだけを重視するのではなく、安心して長期的に資産を預けられる企業を探すため、各企業の業績にも目を配ることが大切です。
投資信託
投資信託とは、簡単にいえば投資のプロに運用を任せることができる金融商品です。株式投資では、企業の業績を加味して投資先を決めなければならず、初心者の方では少し難しいと感じるかもしれません。
投資信託の場合、ファンドマネージャーと呼ばれる資産運用のプロに手持ちの資金を預け、あらかじめ設定された投資対象や運営方針などのルールに沿って運用してもらいます。そのため、投資の知識や技術を必要とせず、資金を預けるだけでプロが運用する高い利回りが期待できます。
投資信託におけるインカムゲインは、この運用によって得られた成果のことで、分配金と呼ばれています。
投資信託の分配金には、毎年・毎月または数ヵ月ごとに支払われる「分配金支払型」と、分配金を自動的に同じ投資信託に再投資する「分配金再投資型」の2種類があります。先ほどご紹介した、インカムゲインを再度投資にあてる「複利」は、この分配再投資型にあたります。
投資信託によっていくつかのタイプがありますが、全体的に見て平均利回りは高い水準だといえます。マネックス証券が公開する「分配金利回りランキング」によると、上位3銘柄の配当利回りを平均すると「31.18%」にも上り、1位の銘柄は「36.61%」の高利回りを計上しています。※1
※1マネックス証券 分配金利回りランキング(2017年03月01日~2018年02月28日)
また、最近では分配金を毎月受け取れるタイプの「毎月分配型投資信託」が人気を集めていますが、先ほどと同様に、上位3銘柄の配当利回りを平均すると「38.92%」にも上り、1位の銘柄は「52.76%」の超高利回りとなっています。※2
※2スルガ銀行 分配金利回りランキング(毎月分配型 投資信託)
投資信託のタイプによっては、少額の資金で超高利回りが期待できると思ってしまいがちです。しかし、投資信託には「元本が保証されない」というリスクと「手数料が割高」というデメリットもあります。分配金利回りが高いということはそれだけのリスクも孕んでいるという事を理解して、長期的な運用でトータルでプラス収支が狙えるように投資信託を絞り込むことが重要です。
ETF(上場投資信託)
ETFとは、Exchange Traded Fundの略で上場している投資信託を意味します。投資信託が上場しているため、株式投資と同じように、証券取引所が開いている時間ならいつでもリアルタイムな値段で売買ができます。
そのため、投資信託でありながら株式投資のメリットも合わせもつことから、インカムゲインだけでなくキャピタルゲインも狙うことができます。
ETFは幅広い指数に連動するように設計されていて、連動する指数は株式だけではありません。債券、不動産(REIT)、通貨、コモディティなど、様々な種類があります。例えば、日経平均株価に連動するETFの場合、日経平均株価を構成する225すべての銘柄に投資をするのと同じ効果が期待でき、またリスクを分散させることもできるのです。
こうした幅広いETFの投資対象に、配当金や金利があれば「分配金」をもらうことができます。ETFにおけるインカムゲインはこの分配金にあたります。
この分配金を受け取るには、株式投資の配当金と同じように、分配金の権利確定日までETFを保有しておく必要があります。東京証券取引所が公開している「東証公式ETF・ETNガイドブック」によると、1月と7月を権利確定月と設定している銘柄が多いようです。
また、東証に上場するETFのうち、配当金が受け取れるのは177銘柄。その平均利回りは2.33%とされています。一方、なかでも配当利回りが高いとされているのが、不動産(REIT)と債券指数に連動するETFで、その平均利回りは3.49%にも上ります。※3
投資信託と株式投資の両方のメリットを秘めることから、インカムゲインだけでなくキャピタルゲインも狙えるETF。株式投資と同じように、価格変動のリスクや取引が成立しないケースもありますが、取引や運用の手間を割ける方であれば、低コストでリスクも分散できるETFはおすすめです。
FX
ご存知かもしれませんが、FX取引とは、通貨同士の交換を利用する投資法です。日本円とアメリカドルを交換する場合、2018年3月現在であれば1ドル105円のレートで交換されます。
FXと言えば、1ドル105円で買って108円の時に売る、といった風な差額を利益とするキャピタルゲインが有名だと思いますが、実はFXにもインカムゲインが存在します。
FXでのインカムゲインは、スワップポイントと呼ばれるものです。各国の通貨には年利が設定されており、安い年利の通貨で高い年利の通貨を買うことで、インカムゲインが得られます。例えば、年利0.1%の日本円で年利4%のドルを買うと年利3.9%のスワップポイントが得られます。
また、実際の資金の数倍を扱えるレバレッジという方法をとれば、この年利を飛躍的に向上させることが可能です。例えば100万円を投資して、1ドル100円でレバレッジ10倍の10万ドル(1000万円)購入した場合、39万円のインカムゲインが得られます。100万円の投資で1000万円分のインカムゲインが得られるので、年利も10倍の39%となります。
しかし、インカムゲインよりも相場変動によって生じる損益の方が大きいことから、レバレッジをかけた際には利益だけでなく損失も同じだけ増えることに注意が必要です。スワップポイントだけに目を奪われず、安定して長期運用できる通貨かどうか購入前に見極める必要があります。
不動産投資
不動産投資のインカムゲインは、マンションやアパートのオーナーになることで得られる家賃収入を指します。
家賃収入の魅力は、家賃は頻繁に変動するものではないこと、賃貸で2年間以上の契約が取れることから、安定したインカムゲインが期待できることです。また、利回りをある程度コントロールできることも特徴の一つです。例えば、家賃を上げたり、修繕費などの経費を減らすことで利回りを上げることができます。
立地・物件の状況・利回りなど難しい部分は多いですが、1度安定するとインカムゲインの中でも特に心強い副収入になる資産運用です。
個人向け国債
国債とは、いわゆる国の借金のことで、国債を発行することで、投資家からお金を借りています。借金なのでもちろん金利が発生し、個人向け国債の金利は最低0.05%と決められています。
個人向け国債には、変動10年・固定5年・固定3年の3種類があり、変動は金利が変動するもの、固定は金利が変わらないものになります。それぞれ満期の10年・5年・3年で元本が返って来ることになります。
2019年2月現在、募集中の国債は、
変動10年:利率0.05%
固定5年:利率0.05%
固定3年:利率0.05%
と、全て最低金利となっているので、大きなリターンは期待できません。
日本が経済破綻すれば元本が返って来ないということもありますが、その場合銀行などの方が先に潰れてしまうことを考えると、定期預金よりも安全で金利が高い投資方法になります。リスクが少ない分リターンも少ないですが、定期預金から一歩前進といった形で初心者の方には始めやすいのではないでしょうか。
定期預金
皆さんが日常的に利用している預金の利子もインカムゲインと言えます。いつでも自由に引き出せる普通預金の金利が0.001%なのに対して、決められた期間引き出せない契約の定期預金は0.01%となっています。
「預金」というだけあって投資・運用といえるほどのリターンは無く、資産を眠らせておくにはもったいないと言えるでしょうこの低金利が原因で、効率的な資産運用を探している人も多いのではないでしょうか?
様々な投資方法をご紹介してきましたが、何もメリットばかりではありません。安定的と言われるインカムゲインですが、少なからずリスクも存在します。安定的なインカムゲインを実現させるためにも、次はリスクについてご紹介します。
インカムゲインのリスク
安定が大きなメリットとなるインカムゲインですが、投資である以上もちろんリスクも存在します。しかし、リスクはあらかじめ注意することで回避できたり、最小限に抑えることが可能です。
資産価値の下落
資産の価値は常に変動しており、これが購入額より価値が下がってしまうと、実質損失を被っていることと同じ状況になってしまいます。これはインカムゲインのリスクというよりは、投資自体のリスクと言えるでしょう。
しかし、インカムゲインはあらかじめ長期投資を目的としていることから、多少の下落は気にせず保有することが一般的です。キャピタルゲインを狙って短期投資をしている場合は、損失を膨らまさないために損切りするのが一般的ですが、長期投資は「時間」を味方につけることで、インカムゲインを得ながら資産価値の回復を待つことができます。
元本割れに気付きにくい
元本割れとは、投資にあてた資金を減らしてしまうことを指します。元本割れに気付きにくいというリスクは、主に毎月分配型の投資信託で発生します。
毎月分配金が得られる魅力的な投資信託ですが、分配金以上の収益が得られなかった場合、私たちの元本から分配金として払い戻しされます。毎月分配金を得られていても安心はできず、実は元本が減っていた、ほとんど無くなっていたというケースもあり得ます。
運用収益からの分配金を普通分配金、元本からの払い戻しを特別分配金と呼びます。分配されたインカムゲインがどちらなのが、毎月注意して確認することが必要です。
実質収益が見えにくい
これは、特に不動産投資において注意すべき点です。毎月家賃収入を得ていても、設備の修理・修復などの経費や、何らかの問題で突発的な支出が発生することもあります。これらの支出を計算していないと、思っていた利回りを達成できていなかったり、逆にマイナスになってしまっているケースも考えられます。
また、家賃滞納で未収の場合も、あるべき収入として計算をしなければいけません。もちろん、後で滞納家賃が入金されたときは賃貸料として計上しなくてよく、逆に回収不可能になった場合は損失として計上します。
収益と支出が同じタイミングとは限らない以上、自分で収支管理を徹底する必要があります。また、管理さえしていれば支出の見直しなどで改善できる問題です。
インカムゲインの税金
インカムゲインも収入である以上、もちろん税金を納める必要があります。しかし、給与とは異なる収入であるインカムゲインにおいて、税金のルールはどうなっているのでしょうか?
株式投資やFX取引をはじめ、不動産投資や投資信託など、さまざまな資産運用にかかるインカムゲインの税金をまとめてご紹介します。また、税金面で得する人・損する人が分かれるインカムゲインを使った節税方法は、是非頭の隅に置いておきたい情報です。
資産を保有するだけで税金はかかるのか?
結論から言うと、株式・FX・投資信託などの投資は、保有しているだけで税金はかからず、
配当などのインカムゲインや売却した際のキャピタルゲインにのみ、課税対象となります。
しかし、不動産を保有している場合は、毎年「固定資産税」と「都市計画税」が課税され、
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1.4%
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 0.3%
となっています。固定資産税評価額とは、不動産関連の税金を算出する際に基準となる価格で、3年ごとに市町村長が決定しています。目安としては、国土交通省が定める土地の公的価格や家屋の時価の約70%となります。
保有してるだけで税金がかかるのは不動産投資だけでしたが、インカムゲイン自体には全ての運用方法で税金が必要となってきます。
資産運用ごとのインカムゲイン課税
株式投資やFX、投資信託や不動産など、多くの運用方法が存在する中、例外なく全てのインカムゲインが税金を払う必要があります。
結論から言うと、不動産投資以外は一律20.315%となります。
内訳は、15.315%(所得税)+5%(住民税)=20.315%
2013年(平成25年)1月1日からの25年間、税額に2.1%を上乗する復興特別税を含みます。
そして、不動産投資の場合は、家賃収入を給与所得と合算し、その金額によって税率が異なります。以下が総所得金額ごとの復興特別税を含む税率です。
総所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5.105% | 0円 |
195~330万円 | 10.21% | 97,500円 |
330~695万円 | 20.42% | 427,500円 |
695~900万円 | 23.483% | 636,000円 |
900~1,800万円 | 33.693% | 1,536,000円 |
1,800~4,000万円 | 40.84% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45.945% | 4,796,000円 |
以上がインカムゲインにかかる税金になります。しかし、せっかくの利益を税金で減らされるのは少しもったいないですよね。次は、利益を最大限にするためにも、インカムゲインを使った節税方法もご紹介しようと思います。
インカムゲインを使った節税方法
税金を減らすことで利益を増やす。安定的な収益を目的とするインカムゲインにとって、節税は非常に大きな効果を発揮します。ここでは、知っている人だけ得する、インカムゲインならではの節税方法をご紹介します。
税金が返ってくる?【配当控除】
皆さんご存知の通り、配当金は企業が出した利益から分配されています。つまり、配当金から税金を徴収すると、すでに企業が法人税を払っている利益に対して、もう1度課税することになり、これは二重課税となってしまいます。
その調整のため、所得税や住民税から一定額を還元してくれる「配当控除」という制度が存在します。
配当控除の対象となるインカムゲイン
- 国内株式の配当金
- 国内上場株式投資信託の分配金
- 国内優先出資証券の配当金
二重課税かどうかが問題なので、法人税のかからない外国株式やFXには配当控除を使うことはできません。
具体的にどうやって、どのくらい節税できるのでしょうか?
配当控除の適用は、確定申告で配当金を他の所得と合算し、「総合課税」にすることで適用されます。これを自分で申告した人のみ税金が返ってくるので、まさに知っているだけで得する情報ですね。
そして、
総所得金額1000万円以下の部分に対し、所得税は配当所得の10%、住民税は2.8%
総所得金額1000万円を超えた分に対し、所得税は配当所得の5%、住民税は1.4%
が返金されます。
【例】課税所得金額250万円の人が配当金5万円を受け取った場合
・申告をしていない人(配当控除無し)
株式の利益に対する税金は一律20.315%の課税なので、
5万円 × 20.315% = 10,157円の税金を払う必要があります。
・申告をした人(配当控除有り)
所得250万円の人の所得税は10.21%なので、
5万円 × 20.21%(所得税+住民税)= 10,105円の税金を払う必要があります。
そこから、配当控除により所得税10%と住民税2.8%が返ってくるので、
5万円 × 10% = 5,000円(所得税)
5万円 × 2.8% = 1,400円(住民税)
合計6,400円返ってくることになり、
払う税金は、3,705円となります。
損失を活用!【損益通算】
損益通算とは、利益と損失を相殺することで税金の払い過ぎを防ぐ方法です。キャピタルゲイン(売却益)を狙った投資をしている方がキャピタルロス(売却損)を出してしまった際に使える節税方法です。
損失で相殺するので、株式投資・投資信託・FX取引といった、キャピタルロスの発生する運用方法しか利用できません。
【例】配当金でのインカムゲインが30万円の年に20万円のキャピタルロスが出た場合。
本来は配当所得の30万円に税金がかかりますが、20万円の損失で相殺することで、10万円の利益に対しての税金で済むようになります。

本来:30万円×20.315%=60,945円
相殺した場合:10万円×20.315%=20,315円
となり、払いすぎた税金40,630円が返ってきます。
また、損益通算は、キャピタルゲインでも損失を相殺することができます。
口座Aで50万円の利益、口座Bで50万円の損失が出た場合、本来は50万円に対して税金がかかります。しかし、損益通算を行ってこれらを相殺することで、実質の利益は0円となるので税金はかかりません。

損益通算の注意点は、同じ運用方法での損益しか相殺できないことです。株式投資と投資信託は、どちらも国内株式を利用していることからお互いの損益を相殺できますが、株式投資での利益をFXでの損失で相殺することはできないのでご注意ください。
税金を減らす事=利益を増やす事。これを思えばいかに節税が大切か分かると思います。面倒くさいから少し多めの税金を払ってもいいとは思わず、しっかり節税して利益を増やしましょう。
まとめ
放置で利益が得られる理想の収益モデル「インカムゲイン」。もう1本の収入の柱を作ることは、老後の生活や家族のためにも将来非常に大きなメリットとなります。
多くの種類が存在する資産運用の中から自分の生活スタイルに合ったものを選び、特徴やリスクを把握することで、時間を味方につけた余裕ある長期投資を実現しましょう。